第80話 炎さえも燃やす

「炎の河プレゲトン。

 その全ての摂理を燃やすと言われている」


ジャキがそういって銃を構える。


「銃は効かねえって言ってるだろうが!!」


ジルが大剣を構える。


「知るかよバーカ」


ジャキは銃弾を連射する。

ジルが大剣を振り回し銃弾を弾く。


「当たらなければ効かねぇんだ!」


「当てれば問題ない……そうだろう?」


ジャキは銃弾に魔力を籠める。


「なら撃たれる前に殺るまでだ!」


ジルが大剣を振り上げる。

そしてジャキに振り下ろす。

しかし、それを丹歌が左腕で受け止める。

その隙にジャキがジルに銃口を向け丹歌は右手でそれを下げる。


「やめなよ友だちなんでしょ?」


「糞が」


ジャキが、後退し銃をおろした。

しかしジルは違った。


「ああん?

 友だちなんていねぇえよ!」


ジルは怒鳴る。

そして大剣に魔力を込め炎で包む。


「熱いね」


丹歌が小さな声でいう。


「熱いだと?神をも燃やす炎だぞ?

 熱いで済むと思うのか?」


「済むよ。

 だってこの炎は僕の炎だから」


「ああん?」


ジルは丹歌の身体を蹴り飛ばす。


「……」


丹歌は静かにジルの方を見る。


「この炎もこの武器のもんだ!」


「僕の能力デモニックを教えてあげる」


能力デモニック?」


「僕に触れようとしたものは僕の武器になるんだ」


「ほう?じゃ、俺の能力ギフトを教えてやる」


能力ギフト……使いなの?」


丹歌が少し驚く。


「俺は、傷つければ傷つけるほど強くなるんだ。

 亜金!テメェにはかなり強くさせてもらったんだぜ?」


ジルが嬉しそうにケラケラと笑う。


「そっか。強くなってそれなんだ?」


デモニック。

それは何かを代償にして得た能力。

呪われし力と言われている。


ギフト。

なんの代価もなく能力を得た力。

祝福された力と言われている。


どちらもメロディーを聴くことで発症する。


「それがどうした?そこでへばっている雑魚の転入生よりかは強いぜ?」


「セロくんのことを言っているの?」


丹歌がジルの方を見る。


「そうだよ!

 このプレゲトンで灰にしてやる!」


ジルはセロに向けて大剣を振り下ろした。

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