第4話

「メリアから話は聞いてるよ。確か、名前はミラだったっよね?」


「は、はい、、あなたは?」


「俺はリュウゲン!浄霊師やってます!」


 親指を自身の方に向け、得意気に自己紹介をする。てっきり厳しい修行僧みたいな人かと思ったけれど、意外にも気さくな人らしい。おかげで少し緊張もほぐれる。

 しかし、浄霊師とは一体…


「とりあえず、詳しい話は中で!どうぞどうぞ!」


 そのまま扉の奥に手招きされ、足を進める。玄関にはこれまた、怪しげな置物がたくさん鎮座していた。この人オカルト好きな人なのかなぁ…


「さ!こっちこっち!」


 一つの部屋へ案内される。なんか薄暗いなぁ…ちらっと廊下の上を見上げると、黒色と赤色だけで描かれた不気味な絵のような物が無数に張り巡らされている。メリア、本当にこの人が力になってくれるの??、と心の中で絶えず疑問を投げ続ける。


「その辺適当に座ってて!」


 薄暗いからよくわかんないけれど、多分変色してるであろう畳の上に座る。小さな机を挟んで、向かいにリュウゲンさんが腰を下ろした。


「じゃ、改めて」


 一息ついて、リュウゲンさんが口を開いた。


「俺は浄霊師のリュウゲン!リュウゲンって呼んでもらって大丈夫!」


 笑顔でハキハキと喋る。歳は同じくらいっぽいし、お言葉に甘えてタメ口で話すことにする。


「じゃあ、リュウゲン、よろしくね。私はミラ」


「ミラね。おっけーおっけー」


 改めて簡単な自己紹介も終えた所で、私はずっと気になっていた事を問いかける。


「それで、浄霊師ってなんなの?ていうかあの気持ち悪い置物とかお札なんなの?」


「き、気持ち悪い…」


 目に見えて少し落ち込んでしまっている。私とした事が、いくらなんでも初対面の相手に失礼すぎたか…

 しかしすぐに元の表情に戻り、私に返事をする。


「だから、ミラはここにきたんでしょ?」


「?」


 …意味が全く分からない。あの気持ち悪いのと、私がここに来たのと何か関係が?


「妹のユリに、気持ち悪い思いをさせたいんでしょ?だからここまで来たんでしょ?」


「…ま、まあ…」


 間違ってはいないけれど、何か間違ってるような…まあこの際なんでも良いや。早速私は、その方法を聞いてみることにした。


「それで、一体どうするの?」


 リュウゲンは待ってましたと言わんばかりにニヤニヤし始める。なんか残念なイケメンだなぁ…


「ふっふっふ。これを見てくれ」


 リュウゲンはそう言うと、懐から3枚ほどのお札のような物を取り出す。呆然とする私をよそに、彼は説明を始めた。

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