ミモザ sensitivity他

今日はホームセンターに行く予定です。鈴ちゃんと一緒に。

育てたい植物が具体的に決まっていた前回とは違い今回は何も決めてきてません。しかも庭の一角を私たちで使う許可まで取ってきました。これでしっかりとしたものを育てられます。どんな植物があってどんな植物を育てるのか楽しみで全然眠れずに早くに起きてしまいました。「どんな植物を買ってこようかなー。野菜系もいいけど、お花もポプリにするとか、食べれるお花を買ってこようかなー」今は5時半といういつもの私からすると、異様に早い時間に目が冴えてしまったので独り言を言って今日の狙いを比較的大きな声で言ってみました。起きていれば聞こえるけど起きるほどではない位の声量を意識して声を出します。

「めい様、何かありましたか!?」私服姿の鈴ちゃんがノックすることもせずに慌てた様子で入ってきました。このタイミングってことは独り言聞かれちゃった。

よりによって鈴ちゃんに聞かれちゃった。恥ずかしすぎる。「何でもないよ。心配してくれてありがとうね。鈴ちゃん、朝いつもこのぐらい早く起きてるの?」「…はい。何があるか分からないので…」どうやって答えるのか迷って視線を手の甲に向けて考えてから答えてくれた。私のすk…鈴ちゃんが起きてるのに私が起きてないのは何か恥ずかしいですね。「明日からは私もこの時間に起きることにする。私も一緒に起きたら鈴ちゃんの大変さがちょっとぐらいは分かるかもだから。」「大丈夫です。私は慣れてて辛くないですから。」「分かった。そうだ!折角早起きしたから予定より早めに着替えて早くホームセンター行こうよ。」自分でも分かるぐらいに勢いがあって声が弾んでしまっていました。「めい様は何の苗が欲しいのか決まったんですか?さっき、まだ悩んでいたみたいですが。」「まだ決まってないけどホームセンターに行くのが二回目で楽しみなだけだよ。」前はそれで間違いじゃなかった。だけど今は一つ感情が足りない。「前回は植物コーナーしかまともに見れてないですから今日はほかのところも見ますか?」「いいの?なら汚れてもいい服着てかないと…この間買ってもらったお揃いの作業着着て行こ。鈴ちゃんも一緒にお揃いで着ていかない?」「えっと、でも私が一緒の服だと、あの…嫌じゃないですか?」本当に心配してる声で言われました。「嫌だと思ってるならそもそも提案しないよ。それとも鈴ちゃんは私とお揃いが嫌?」「そんなこと、無いです。お揃い着たいです。」この誘い方は強引に誘い過ぎましたかね?「めい様、じゃあ着替えましょう。上の服は自分で着替えますか?」こんなにも早く着替え始めるのは初めてです。まだ回りが明るくなり始めたところみたいです。私の服は濃いオレンジ色の上に深い緑色のつなぎ、鈴ちゃんの服は濃い青の上に茶色とピンクの間のような色のつなぎです。色こそ違えど形は全く一緒です。


余計なことを考えないようにして着替えを終えて、ご飯などの朝の支度を終わらせました。これからホームセンターです。

ホームセンターにいく道なりは鈴ちゃんに車椅子を押してもらいながら私は花のことをスマホを使い調べるというやり方をしてました。「鈴ちゃん、サボテンとかどう?育てるのが比較的楽で一年草じゃないからずっと育ててられるって、」本当はサボテンを提案した理由はこれだけじゃないけど今は恥ずかしくて言えない。花言葉を見たなんて。


その日の午後から私の部屋の窓際にとげとげとしているけど独特の優しさが滲み出る植物がおかれることになった。

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