ポップコーンの話

昨日、映画の広告を見てたらポップコーンが食べたくなった。私の可愛い妹に相談したら通販で頼んでくれた。今日の午後に届くらしい。


昨日、僕の可愛い姉が突然部屋に訪ねてきた。本当に心臓が止まるかと思った。何をしようとしてたかは僕の名誉のために言わないけど。幾ら私でも恥ずかしいと感じることもあるのです。姉に対して色々考えてる僕だけど恥ずかしさを覚えるのです。


今日帰ったらポップコーンを作れるから楽しみ過ぎて授業に身が入らなかった。味付けはやっぱり塩にしようか、それともキャラメル、カレー粉で味付けてみる。考えてみるといくらでも出てくる気がする。どれにしよう。塩、キャラメル、カレー粉は私たちの家にあるから他のを使うときは買いに行かないと。

「気仙沼、聞いてくれ。なんと私の可愛い妹がポップコーン買ってくれたよ。何味にしよう。」「え?ポップコーン作んの?じゃあトウモロコシのまま来るの?新手の嫌がらせじゃん」

「何言ってんの。作れるなら作りたいじゃん。そんな姉がいたら自慢したくなるでしょ。」「なるほど…いいかも。こんど私もその方法やっておねーさんの仕事の人にいっぱい自慢して貰って、私がいることをアピールしてゴールインみたいな…えへ、えへへ…」気仙沼が百年の恋どころか万年の恋も冷める気持ち悪い顔で笑い始めたので何も言わず少し、腕を伸ばして椅子一つ分の距離を空けお菓子を開ける。


今日僕の方が家に帰ってくるのが早いから僕の手から天使な姉にポップコーンを渡せる。何味に加工するのかなー。僕の可愛い可愛い姉は甘いものとか好きだからキャラメル味かな。それとも暑い今の時期に不足しがちな塩分を取れる塩味かな。何味か想像してたらもう最後の授業が終わっていた。万が一にもポップコーン受け取れなかったらやだから家に急いで帰ろう。


私が帰ってきた時、私の最高な妹はポップコーンが入っている袋を眺めていた。ちょっと寄り道をしてたからか遅くなってしまった。私にとってこれは大事なことだからしょうがない。

「ただいまー」「え?あれ?お帰り。おねぇ、いつの間に帰ってきたの?」「今帰ってきたところだよ」ドアを開ける音にも気づかないほど集中して読んでたんだ。天才で努力家な私の可愛い妹がそんなに集中することってどんなのだろうと思って見てみると私の知らない言語で書かれた説明書が書いてあった。この文字が英語じゃないことはいくら私でも分かる。「これ、どこの言語?」「んーとこれはブラジルからの直送らしいからブラジル訛りのポルトガル語だと思うよー。あとね全部日本語訳しておいたから安心して。」おっと、これは私が惚れさせるというか私が惚れそう。


天使な姉を玄関でお帰りって言えなかった。このポルトガル語の和訳に苦戦してたからか。もっと言語を覚えよう。中国語、韓国語、英語にスペイン語、だけだとまだ不便過ぎる。後はポルトガル語も覚えてフランス語とかアラビア語とかもマスターしておこう。


私の可愛い妹が何かに集中し始めちゃったから一人でポップコーンを作る。それで完成した所だけ見せて格好つける。うん、いい案。可愛い可愛い妹が作ってくれた日本語訳を見て私の知っている手順である事を確認して、早速準備を始める。バターを溶かした鍋を作ってその中にポップコーンを入れる。そしてさっさと蓋を閉める。しばらく待っていると鍋からポップコーンが弾ける音がきこえてくる。音が聞こえなくなったら醬油をひと回しだけかける。そう、今回のポップコーンはバター醬油がにしてみた。


ふと意識が現実に戻ってきたときにはバターの溶けてる匂いと醬油の匂いがするポップコーンが目の前に置いてあった。まさかやることを整理するだけでこんなに集中することになってしまうとは。僕の可愛い姉は…水を持ってきてくれてた。「あ、気づいた?映画ポップコーン見ながら食べない?」そう言って僕の可愛い姉が見せてくれたのは僕が気になっていた映画だった。

映画はとても面白かった。ただ僕はポップコーンがサクサクで香ばしい醬油味の中に香バター。そんな美味しすぎるポップコーンのことが印象に残りすぎて映画の内容がうる覚えになってしまった。

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