たこ焼きの話

今日はいつもの僕と僕の最高に可愛い姉の二人きりご飯じゃない。とっても悲しいことに。何故なら可愛い姉の、憎き学校の友達が来るらしい。僕だって同じ学校行きたい。ここがアメリカとかみたいに飛び級制度使ってたら今頃可愛い僕の姉とおなじ学校に通って青春を経験出来てたのに。まあ飛び級制度にも欠陥はあるからどっちの方がいいとか一概には言えないんだけど。


今日は私の唯一無二の友人である気仙沼が私の家に来る。片思い中の相手を連れて。私もその人とはあったことがなくて名前すら教えてもらってない。まあアレルギーと苦手なものは教えてもらってるから大丈夫でしょ。アレルギーとか色々考えた結果お祭りで食べる、パーティーといえばのたこ焼きになった。鍋パーティーもいいかなって思ったんだけど熱くなり始めたころに鍋パーティーは無謀かなって思ったから諦めた。後、最高に可愛い妹の半間接キスをしていいのは私だけという独占欲もあった。


今日の夜ご飯はたこ焼きにするらしい。何故分かったかというと一緒に買い物に来て見たら、たことたこ焼き粉ジャガイモを買っていた。ジャガイモをすりおろしてたこ焼きに入れるとふわふわトロトロになるから私の家ではいつも入れてる。僕の可愛すぎる姉の手料理は僕のものなのに。窓に写る僕の顔を見ると嫉妬の感情が表情にでてしまっていた。


私の可愛い妹が買い物に一緒に行ったぐらいから機嫌が悪い。機嫌の悪さの原因が独占欲だったりしたら私は飛び跳ねて喜ぶ。その自信しかない。


予定が入っている時の時間の流れは遅く過ぎていく。集中力が普段よりも続きにくくなっているから。特にその後の予定が憂鬱な時は尚更。だからいつもは一瞬で過ぎていく大切な姉との共通の時間は長く感じた。


準備でバタバタしていたらあっという間に過ぎていった買い物から気仙沼が来る5時までの二時間。掃除の最終チェックをしたりタコ焼き機のメンテを最後にしっかりしてみたり、探せばいくらでも出てきた。――そしてインターホンがなった。


インターホンがなった。つまり憎き気仙沼とかいう奴が来たってことだ。僕の中でコングがなった気がした。当然穢れを知らない最高な姉の迷惑になるような方法は使わない。追い詰めてだた僕の姉は僕の天使だと主張するだけ。早速先手を取るべく玄関へ向かう。そこには身長だけがデカいやつがいた。そしてその隣に僕と同じぐらいか少し上ぐらいに見える人もいた。二人?どっちか敵だ?それか両方か?こういう時に警戒を忘れる人が失敗したしやすい人、だとなんかの本で読んだ。いくら自分の家だからと言って油断するとダメ。ここは油断せずアピールをたくさんしないと。


私と可愛い妹の愛の巣に二人が来てから5分が立った。ただ私の可愛い妹は二人のことをすごく警戒してる。可愛いくて見ていてにやけそうになるのを我慢しながら用意を終わらせる。と言っても卵を混ぜて、天かすを入れるだけだからとても簡単。なぜ五分経ってしまったかというとにやけるのを我慢しながらもう一品作っていたから。そのもう一品もタコ焼き機を使うのでタコ焼き生地と一緒にリビングに持っていく。


「今日はご飯焼きもあります。」僕の可愛い姉が高らかに宣言していたが二人はご飯焼きというものが何なのかわかってないようだった。勝った、私は純粋な姉にバレないようにマウントをとる。ちなみにご飯焼きとはタコ焼き生地にご飯を入れて細かく切ったソーセージ、コーン、チーズなどのお好みの素材を入れたもの。これにケチャップをかけると美味しい。私がマウントをとっている間に話が進んでご飯焼きから食べる流れになってる。


「へー、ケチャップ使うってことは夏にぴったりでっすね。」気仙沼と一緒に来てくれた気仙沼が愛してやまない児湯こゆさん。見た目は私と同じぐらいのJKに見えるんだけどこれで私の可愛い妹と同じぐらい頭がいいらしい。まああくまでIQでしか比べられてないけど。「甘いものは暑さを和らげてくれるからでしょ」なのでまるでマウントを取り合うように、知識を見せつけあうように常人の私たちをおいてよく分からない事を話してる。時々意味が分からなくってもそうなんだ!みたいな知識が出てくるから聞いてて楽しい。まあそれ以上に疲れるけど。


児湯とかいう奴が意外と手ごわかった。僕の知らないこととかも多く知ってた。まあ僕も向こうの知らない事を知ってたから五分五分ぐらいだな。そうやって知識比べをしてたらご飯焼きに火が通ったらしい。焦げない内に取り皿に取り分けていく。そしてまだ熱いうちにケチャップをかける。


なんかいつもより美味しかった。今が暑い時期というのが一番おいしく感じさせてくれてた。たこ焼きも文句のない料理になっていたのでもう大満足。

夢中になってたこ焼きとご飯焼きを食べて作りすぎたかなと後悔してのんびり話し始める。何分立ったのかも分からないぐらいのんびりしてから動けそうになったと言って気仙沼と児湯さんは帰って行った。


…アピールが全然出来なかった。途中から知識比べに夢中になってきてたから。ここでアピールできなかったなら最終手段として一応買っておいた睡眠薬を使う。これにの効果が強いのは確認してるからちょっと強めにキスしても大丈夫。


今日の夜、私は私の可愛い妹と一緒に寝た。まあ勿論緊張したけど不思議とよく眠れた。次の日、首元を見て気仙沼に羨ましいと言われた。一緒に寝たことを話してもないのに。それになんで首を見たのかも教えてもらえなかった。



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