白玉の話

最近僕が美味しさに感動したものがある。それが白玉団子。

先週僕の可愛い可愛い姉とカフェに行った時に見つけてしまった。可愛い姉からデートに誘ってくれた。買い物に付き合って、と頼まれただけだけどこれはもうデートと言っても過言じゃないと思う。話題を逸らしてしまったけど、その時偶然和菓子フェアなるものをしてて頼んだら美味しさに驚いた。

見た目は広いお皿にのっていた。白玉の上に餡子やミカンさくらんぼがのっていて別盛で黒蜜が一緒に来た。そして白玉のもちもち、むぎゅむぎゅの食感。

思い出すだけでお腹が空いてくる。

ただそのお店に今週行ったらもうフェアが終わってしまっていた。多くの人が経験しているであろう、ハマった物が無くなった時の絶望感。一期一会という言葉があるぐらいだしそれが尊い事も理解はしている。ただそれで納得ができるのかと聞かれると当然納得ができない。

だったらどうするのか。別の店に買いに行くなり和菓子店に行くなり白玉を食べる方法はいろいろある。ただせっかくなら僕の愛しの姉と楽しみたい。そんな願いを叶えられるのは一緒に作ることだと思う。


「おねぇ、白玉を一緒に作ろう。」顔を真っ赤にしての頼み事。可愛すぎる。それに私に頼み事とか何時ぶりだろう。単純に頼み事してくれたのが嬉しい。

それにしても白玉か~。この間の買い物デートの時に美味しそうに食べてたからな~。とても可愛かった。可愛すぎて昇天するかと思った。

それが一番の思い出。まあ思い出が語りはこれくらいにして自慢の妹が私の事を頼ってくれてるんだからそれに応えなくては。

先ずは材料。白玉単体の材料はスーパーで売ってる白玉粉。自慢の妹が作りたがっているのは多分白玉フルーツぜんざいだろうからフルーツと餡子、黒蜜も欲しい。フルーツはフルーツ缶と餡子はスーパーに売ってるし黒蜜も売っているお店を知ってる。ただ今家に無いから買いに行かないといけない。自慢の可愛い妹との楽しいお出かけの時間。

「徳~。今から作る?」徳とは私が自慢の妹を呼ぶときの呼び方。流石に自慢の妹とか言ってたらひかれちゃうから使ってない。自慢の妹とのお出かけにワクワクしながら返事を聞くつもりが待つ時間がなかった。「一緒に行く。」私の自慢の妹にしては珍しい慌てた返事。そんなに白玉食べたいならもっと早く言ってくれたらよかったのに。そしたら私が学校から帰ってきたタイミングで食べれるようにしたのに。


僕の姉は可愛い。買い物とかに行くと凄い視線を集める程度には。可愛すぎる僕の姉を守る完璧な作戦。それは思いっきり抱きつく。こうすることで僕の姉に何かあった時に直ぐに分かるし周りに僕の姉は僕のだとアピールができる一石二鳥な方法。ポイントは顔をお腹に埋めることこと。今は恥ずかしくて出来ないけど。

今私は決断を迫られている。昔みたいに抱き着くかクラスメートに僕が僕の愛しの姉に甘えてるところを見られるのか。

今は家から駅前のスーパーに行く道。この道は人通りは少ないけど道幅は大きいという謎の道。

そんな中部活帰りだと思われる私の学校のジャージを着た私のクラスメートが。幸い反対車線にいて、まだ見つかっていないみたいだけど。何かの拍子でこっちを見たときにすぐばれちゃう。

甘えるのをやめるのは無理。何故なら愛しの姉がいるなら甘えてしまうのはもう世界の絶対の真理だから。

そしてクラスメートに見られるのも無理。僕はクラスではクールとか色々言われている。そんな人が家では姉にべったり。この事実がクラスにばれたら次の日から学校行くのが怖くなる程度には嫌だ。頭の容量の五割が常に愛しの姉のだけどそれ以外のことがどうでもいいわけじゃない。特に僕の愛しの姉に迷惑とか心配とかはかけたくない。学校に行かなかったら毎日忙しそうにしてる頑張り屋さんの姉に迷惑をかけてしまう。

判断が遅くなるとそれだけ見つかるリスクを負うことになってしまう。


私の可愛い妹が抱き着いてきた。心臓がバクバク。天使な妹の顔を見ようとすると顔は私のお腹に埋められてしまっててどんな表情かは分からない。ただ耳が真っ赤なことは分かる。流石に恥ずかしかったらしい。

「おねぇ。ごめん、しばらくこのままでいい?」可愛い。これでOKしない人間がいるなら会ってみたい。当然私はOKする側の人間です。

「全然大丈夫だよ。」心の中で『いつまでも』と付け加える。


買い物は無事に終えられた。だけどまだ僕の顔が赤い気がする。顔だけが暑い。世界一可愛い僕の姉は気づいていないらしい。一人で意識してると思うと羞恥心とか色々で顔が更に暑くなった。

何とか生きて家に帰ってこれた。僕の可愛い姉はここからが本番と言わんばかりに張り切ってる。僕はもう買い物で体力が限界。

「おねぇ、白玉作りってどうやるの?」休憩を提案しようと思ってたのに…愛しの姉の手作り白玉が食べることが出来るとなったら口が勝手に動いてた。

「簡単だよ。今買ってきた白玉粉に水入れてこねる。その後形作ってお湯にくぐらせるだけ。」…思てたよりも簡単だった。いつだか忘れちゃったけど作り方聞いたことある。

早速作っていく。僕はお湯を沸かす係。

片手鍋の半分ぐらいに水を入れる。「おねぇ、これぐらい?」報・連・相は大切。こればかりはいくら自分に自信があってもやるべき事。

可愛い可愛い僕の姉の指示で水を足して火にかける。

愛しの姉は少しずつ水を混ぜている。白玉は水が多すぎるとだめらしい。

大きな白玉が出来た。これを食べいやすいサイズにちぎる。大きいサイズのものは真ん中をへこませる。ハンバーグと一緒。お湯にくぐらせて白玉が浮いてきたら出来上がり。


盛り付けまで終わらせた。盛り付けは私の白玉ぜんざいを可愛い妹が、大切な妹のを私が盛り付けた。

机に二人で協力して運ぶ。楽しくなっちゃて作りすぎた。

早速いただきますをして食べ始める。白玉はモチモチで美味しい。ちゃんとしまってて美味しい。黒蜜や餡子とかと食べると更に美味しい。白玉の美味しさに黒蜜、餡子のおいしさが追加された感じ。

ふと愛しの妹を見ると愛しの妹は幸せそうに食べてる。私はもう満たされた。満足、この表情を見れるならどこまででも頑張れる。欲を言えばさっきみたいに抱き着いても欲しいけど。

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