第15話 天姫の正体

「おじいちゃま、この人大丈夫かしら。目を覚まさないけど」

「放っとけ、茉莉茶のせいで眠ってるだけだ。そのうち覚めるだろう」

顔を覗き込むと、ようやく一馬は目を覚ました。


「うわあ、あ、天姫!」

一馬が叫んだ。

「目が覚めたみたい」

一馬の目の前には天姫が、いや顔は天姫にそっくりのラフなセーターにジーンズをはいた一人の女性が立っていた。

「君は、て、て、てん」

「私はまどか。よろしくね!」


この女性は前に会ったことがある…南北線のエスカレーターで…呆然とする一馬に

車いすの老人が後ろから話しかけた。

「そろそろ話さなくてはいけないころだと思っていたよ。」

その姿を見ると、それは木村会長だった。

「一馬さん、あなたの見た天姫はこれだったの。」

まどかの開けたクローゼットには、天姫や腰元、童女が吊り下げられていた。

「夜はバッテリーで動かしてるんだけど、昼間は電気コードで充電しながら使ってるの。結構電気食っちゃうもんだからね。この間は急な停電で、皆んな倒れちゃってホント大変だったわ」



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