第11話 セフレ以上、同棲未満の全裸系勇者
「もちろん構わないよ。俺は自分が勇者だからって偉いだなんて思ってないし、むしろそんな風にかしこまらないで、フィオナが言ったみたいに親しみを込めてなんでも聞いてくれ」
「ではお言葉に甘えて……どうして勇者様はその……全裸でチン〇ンをおったてていらっしゃるのでしょうか?」
フィオナが恥ずかしそうに俺の下半身に視線をやり、
「え?」
俺はその視線につられるようにして、自分の姿を見下ろしてみた。
すると、なんということであろうか!?
アリスベルと朝からえっちっちしていたせいで俺は全裸でチン〇ン丸出しであり。
そしてこれからアリスベルとさらにえっちっちするつもりだったので、俺のチ〇チンは激しく反り返っていたのだった!
つまり俺は初対面の麗しい女騎士に、激しくおったてた臨戦態勢のチン〇ンを見せつけ続けてしまっていたのである!
そんな状態で自己紹介したり、握手を求めたりしちゃったのである!
あ、そうか。
アリスベルが俺を見てぎょっとした顔をしたのは、俺が全裸で出てきたからか。
なるほど、そりゃあ当然だな。
全裸で人前に出てくるなんて、どう考えても完全無欠に変質者だもん。
アリスベルも俺があまりに堂々と全裸で対応してるから、「えっ!?」って感じで指摘しづらかったんだろうなぁ。
「もうおにーさんの馬鹿! アホ! 変態! チ〇チン見せたがりの露出狂の変質者! なんで全裸で出てきてんのよ! 早く服を着てよね! 替えの服はタンスの一番下の引き出しの右端に畳んで入れてあるから!」
そしてやっと言えるタイミングを得たからか、
「すみませんでした!」
顔を真っ赤にしたアリスベルにてぃっ!と可愛く蹴られた俺は――もちろん全然痛くなかったんだけど――女性陣に平謝りして、慌てて部屋に戻って服を着た。
ちなみに服は昨日の歓迎会の時に町の人に用意してもらったものだった。
当たり前だけど、アリスベルは男物の服を持っていなかったから、着替えを何着か用意してもらったのだ。
もしアリスベルが男物の服を持っていたらそれはそれで、やや思うところがほんのわずかにあったりなかったりしちゃうので、持ってなかったことにちょっとホッとした俺がいた。
いやまぁアリスベルはとても可愛い女の子だから、彼氏がいたことがあってもそりゃあ全然不思議じゃないんだけどさ?
でもまぁちょっとは気になっちゃうよね、男だもの。
俺が服を着ている間2人は玄関で世間話をしているみたいで、こっちまで話が聞こえてくる。
「つまり状況から察するに、アリスベルさんと勇者様はいわゆる一つの同棲関係にあるわけですね?」
「ダウトです、全然ちっともこれっぽっちも違います」
「ということはつまりセフレ。ドライで身体だけのセックスフレンドな関係でしょうか?」
「違うし! ちゃんと愛はあったし! めっちゃラブラブだったし!」
「愛があるのであれば、それは同棲なのでは?」
「そこはまだちょっと違う感じなの! 大切なことだからじっくり考えたいの!」
「よくわかりませんが、そういうことにしておきましょう。お二人の関係が同棲かセフレかは特に問題ではありませんので」
「だからセフレじゃないんだってばぁ!?」
「でも同棲でもないんですよね? つまりセフレ以上同棲未満?」
「はいもうこの話は終了! ストップ! オーラス! 以降厳禁で」
「かしこまりました」
ちょうど話の切りがいいタイミングを見計らって、服を着終えた俺は玄関に向かった。
それにしても2人はもうすっかり打ち解けて仲良くなったみたいだな。
2人とも美人だし、仲良きことは美しきかなってね。
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