【それでも俺は】積年の腰痛が原因で国とパーティを追放された勇者、行き倒れていたところを美少女エルフ整体師にゴキャァ!と整体してもらい完治する。「ありがとう、これで俺はまた戦える――!」【世界を救う】
第10話 セントフィリア王国・エルフ自治領東部管区・特務警護騎士団・第1軍団所属・討伐専任騎士フィオナ=ノースウインド
第10話 セントフィリア王国・エルフ自治領東部管区・特務警護騎士団・第1軍団所属・討伐専任騎士フィオナ=ノースウインド
呼ばれた俺が玄関まで行くと、そこには一人の麗しい女騎士がいた。
ここはエルフ自治領なので、当たり前だけど女騎士も耳が長くて綺麗なエルフだ。
エルフに多いさらさらの銀髪と綺麗な顔立ち、さらには美しい騎士の軽鎧を身に着けていることもあって、まるで神話から抜け出してきたような見惚れるほどに神秘的な女騎士だった。
まぁ俺の愛しのアリスベルほどじゃないけどな、なんちゃって?
ちなみに防御力の低そうな短いスカートをはいていて、まぶしい太ももがむき出しになっている。
もちろんこれにはちゃんと意味があって、エルフの騎士は風の精霊や大地の精霊の力を借りて戦うために、敢えて太ももを露出させて精霊とのコンタクト率を上昇させているのだ。
俺はSSSランクの魔王を討伐した歴戦の勇者なので、当然それくらいのことは知っているのだった。
「ちょ、ちょちょ、おにーさん!? なんで!? いえあのこれは違うんです騎士様! 不慮の事故なんです!」
なぜかアリスベルが俺を見てぎょっとした顔で口をパクパクさせたあと、女騎士に視線を向けると、いたずらが見つかった子供みたいにあわあわ挙動不審に手を振っていた。
ん?
俺にお客さんだって呼んだのはアリスベルだろ?
なんでそんなに挙動不審なんだよ?
変なやつだなぁもう。
そしてエルフの女騎士はというと、俺の姿を見てなにかに驚いたように一瞬大きく目を見開いた後、少し顔を赤らめながら自己紹介を始めた。
「私はセントフィリア王国・エルフ自治領東部管区・特務警護騎士団・第1軍団所属・討伐専任騎士のフィオナ=ノースウインドです、以後お見知りおきを」
「……えっと、はい? なんだって?」
朝からアリスベルとチュッチュしていて、さらに今から追加の3回戦をしようとしていて。
つまり脳内がピンク一色に染まっていた俺は、頭がついてけずに聞き返してしまった。
でも名乗りが長すぎない?
よくすらすらと噛まずに言えるね君。
「私はセントフィリア王国・エルフ自治領東部管区・特務警護騎士団・第1軍団所属・討伐専任騎士のフィオナ=ノースウインドです、以後お見知りおきを」
女騎士さんは再び長ったらしい自己紹介を繰り返した。
「えっとつまり騎士のノースウインドさんだね?」
俺はざっくりと要約した。
そもそも俺はエルフ自治領の軍のシステムを知らないから、こうこうこういう肩書ですとか名乗られても、さっぱりわかんないんだよね……。
「どうぞ親しみを込めてフィオナとお呼びください勇者様」
しかも俺が勇者だってことも知ってるわけね。
まあさっきアリスベルと話してた時に町長に聞いてきたとかそんなことを言っていたから、俺についてのことは当然リサーチ済みだよな。
なら話は早そうだ。
「勇者クロウ=アサミヤだ、こちらこそよろしくフィオナ」
言いながら俺が右手を差し出すと、フィオナは少し安心したように右手で握り返してきた。
剣士や騎士にとって剣を抜く右手を差し出すのは、そのままずばり剣を抜かないという意思表示だ。
つまり俺が右手で握手を求めたのは、あなたを信頼しているという意味に他ならないのだった。
まぁ俺の場合は剣がなくても素手の状態でSかSSランクの強さはあるので、警戒する必要は特にないってのが理由なんだけど。
「こちらこそよろしくお願いします勇者様」
「じゃあフィオナ、単刀直入に聞くけど俺にいったい何の用なのかな?」
俺は世間話をするでもなく、いきなり要件を尋ねた。
すぐ終わる用事ならさっさと聞いちゃって、またアリスベルとえっちの続きをしたいからな。
「こほん、お答えする前に、誠に僭越ながら一つだけ質問をさせていただいてもよろしいでしょうか?」
しかしフィオナは、なんともわざとらしく咳ばらいを1つすると、そんなことを言ってきたのだった。
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