幕間壱【魔祖復活ニオケル経過報告】
〈天知る地知るおみそしるっ!
〔あら昼太、久しぶりじゃない。良いご身分ね。定期連絡を全然よこさずに好き勝手したりしているみたいで〕
〈それは違うぞ
〔説得力が皆無ね。あといつも言ってるけれどお姉さまと呼びなさい。ちなみに今は
〈えーっと、たぶんここはサーカスの団員控室だなうん。ついさっき
{かなり不毛。とても無意味。そんなことする必要ないのに、たぶんにいちゃんサボりたかっただけ}
〈おおぅその声は愛しき我が弟、
{適度に元気。なぜなら僕は、にいちゃんやねえちゃんと違って裏方専門で、
〔怠け者の貴方とは違って晩次郎は常に働いているのよ。少しは見習いなさいな〕
〈心外だなぁ優しきお姉さまは。と、ちなみにさー晩次郎。各化身の復元魔力具合、今どんな感じ??〉
{えっとね……。
〈いいねーいいねーキてるねー。この調子でいけばあのお方をお迎え出来るのも、いよいよもうすぐな感じじゃないの!〉
〔な訳ないでしょ、たわけたまぬけな大うつけ〕
〈えぇえぇえぇそんなに罵倒されることある?? 傷つくよー、ブロークンハートだよー〉
〔あんたね、本当に分かってる? 向こう10年間片っ端から魔術師を狩りまくってるのに、緑夜叉だけが全然溜まらない、この意味を〕
〈たまたまなんじゃないの? 化身に適合する魔術師の属性が偏ってるとかさ〉
{にいちゃんがわざとかかった術者である
〈え。そうだったん?〉
{うん。予測では5~6%は稼げたはずなのに、全然上がらない}
〈決まりね。緑夜叉の前守護者である
〈それって確か
{
〈ってことは次の任務はその一家を全滅しに行くアレなんだな! うぉおおお燃えてきたぁあああぁ!!〉
〔そのまま燃え尽きて灰になって吹き飛んでしまえばいいのに。あのね昼太、妹を溺愛するので有名な伽藍兄に目ェつけられたら、それこそ私達であっても無事じゃあ済まないでしょ?〕
〈うぅぅ確かに。でも、どっちみちあの人だって目的は現存する全魔術師から魔術の力を無くすことなんだし、だからこそ化身の復活は必須項目なんだろ? 妹さんはともかく、夫を
〔儀式の最中、伽藍妹は己が持っていた絶大なる魔力の全てを伽藍兄に受け渡したとはいえ、その子供が全く魔術の力を持っていないとは限らない。それにあくまでこれは仮説だけど、旦那の白石が有する守護者の核の特性をも継承している場合、年齢は関係なく恐ろしい才能を持つ子供が誕生しているかもしれないのよ。そうなれば危険がデンジャーよ〕
{頭痛が痛いみたいな表現はどうかと思う。朝子ねえちゃん、ちょっぴり馬鹿っぽい}
〔うるさいわね晩次郎まで。で、そんな白石家に、つい昨日とある刺客達が放たれましたとさ〕
〈どこのどいつよ。つーかかなり重要な任務っぽいし行くとしたら俺らじゃあ――〉
{
〈げっ、マジ? 金の為なら何でも請け負うドグサレ集団じゃん。コワっ〉
〔私達とは別の意味で伽藍兄の配下にいながらも忠誠を誓っていない、だけども実力は折り紙付きな彼らが選抜されたって訳よ〕
〈ふぅん。俺の予想としちゃあ、てっきり
{
〈はぁあぁあ~? どゆことそれ。初耳なんだが??〉
〔昼太が寝ている間にひと悶着あってね。なんでも全ての化身を復活させた後の話で揉めたそうよ〕
〈あーはいはいはい。同盟組んでるけどあの人と婆さんじゃあ目的が違うもんね。そりゃあ仕方ねーわなぁ〉
〔身動き出来ない位ズタズタに食い千切られながらも、あのマッドサイエンティストは命からがらに逃走。ま、何処に向かってるかは想像に易いわね〕
〈見当も付かんのだが?〉
{緑夜叉村の生き残り達が、滋賀に結集。きっとそこに行って、色々するつもりだと予測}
〔! 流石晩次郎ね。大当たりよ。グズでクズなお兄ちゃんと違ってあなたは優秀よねぇ〕
〈うぉぉおい朝子っ! 俺サマはクズなのは認めるがグズじゃあないぞ! 訂正を要求する!!〉
{そこは認めるんだ。正直で律儀}
〔なーのーで。これから私達がやるべきことは何か分かるわね?〕
〈残存する
〔もはやそれは積極的に行わなくても良いんだってさ。白石親子のどちらかが持っている守護者の核を手に入れちゃえば、お釣りがくるぐらい魔力は回収できるだろうし〕
{じゃあ必然的に神器の回収。あるいは破壊に一票}
〔正解よ。つっても、大抵は守り人的な奴らがセットになってるから、実質は余計に仕事が増えた感じかもね〕
〈今みたく個別に動かず、三人でまとまってぶっ潰していけば余裕じゃね?〉
〔そう思っていたけどね、考えを改めた方が良いかも。さっき
{朝子ねえちゃんでも手を焼くレベルなら、きっとランドルト家だと確信。僕も見たかったな、残念}
〈えーっと、なんだっけ。過去の大戦を生き延びた純粋な血統のみで構成された集団の主核だっけ、それ。つーか本当に実在したんだ〉
〔奴らってば自身の存在を希薄化出来る特性を持ってるから、正直実態は不明ながらも、一定数が日本に集結している可能性も否めないのよ。ま、こちらから無闇に接触しなければ大丈夫でしょう。いざとなれば、その時はその時ね〕
{油断は禁物。だけども、必要があれば滅するだけ}
〈頼もしいなぁ晩次郎は。お兄ちゃんは嬉しいぞ、うんうん〉
〔取り急ぎ報告することは以上かしら? それじゃあ、お互い引き続きやるべきことをやっていきましょう〕
{了解}
〈合点承知だぜ〉
〔〈{我らが主にして至高の魔祖――
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