第1話 :乙女達が嗜む優雅なお茶会タイム。そして....
とある王都の王立学園の部室にて:
「では、全員そろったな?」
重厚で高級そうなソファに腰を降ろしているのは、ついさっき<モロアの森>にて<コェールロッス>達を相手に訓練に励んでいた金髪ロングな少女だ。その美少女と表現しても差し支えないほど綺麗で整った顔をしている彼女は斜め流しの前髪を揺らせつつ赤色のニーソックスで包まれたむっちりとした脚を組みかえている最中である。
茶碗と受け皿を両手で口へと運ぶ彼女は落ち着き払った所作で長テーブルの向こうのソファに座っている5人の少女へと視線を集中する。
そこに5人の少女が腰を下ろしているのに対して、向こうのソファに座っているのは一人だけだからここの面子のリーダ格なのは金髪ロングで頭の後ろに三つ編みを結んでいる少女の方のようだ。
「ふふふぅ......ワタシならここにいますよぉ~、殿下」
すぐに返事したのはソファの右端に腰かけた銀髪ロングな少女だ。黒タイツに包まれている魅惑的なむっちろとした脚を組んでいる彼女は少しだけ妖艶な雰囲気を纏う。銀髪少女の前髪はセンター分けのようで、髪の毛の質はウェーブ型でどうやら後ろ髪の長さは金髪ロングより長いらしくて、太ももの中程のまで伸びている模様。
青色の目を細めながら「殿下」と呼んでいる金髪少女の方へと微笑みかける彼女は向こうより大きな乳房を両腕を組んで支えるように見える。爆乳クラスと呼んでも差し支えないそのサイズは見る男を秒速で魅了できる迫力を演出できることなのだが、生憎と話し相手の方も女性なのでなんの効果も発揮することができないのである。
「~~おほほほ~~お声かけくださって恐縮ですわ~~メリッサ殿下!朝には殿下からの通信系魂術(エノアール)を通して本日の午後6:00時に部室で集合がありますとお聞きした時から<その件>についてお話があると存じたわたくしは早くこの時間にならないかとずっと待ってましたわよーー!おほほほほほ~~?おぉーこっこほこほー!」
「ほら、前々からいってるじゃないか、グロリア。そんな笑い方いつまですると、咳き込んでみっともなく見えてしまうし、何よりも良家な淑女たる者ならば、はしたない仕草は世間から変に思われているので、それをすぐやめてはどうだ?」
「こほっ!ううぅぅ......善処します...わ....」
殿下と呼ばれる王族らしい金髪少女からそう窘められた緑色の目のグロリアという名の少女は王族少女と同じ金髪をしているようだ。でも、あえて違う点を上げるなら、金色の色素が王族の方より濃いらしくて、まるで人の視線をそちらへ注目するような派手さが感じられた。そして、彼女は王族のストレートな髪型と違って横髪はドリル型をしており、前髪がぱっつんで後ろ髪が腰まで長い巻き毛をしているようだ。
どうやら、彼女は昔から興奮したり、嬉しく感じる時があれば、すぐにそういう笑い方をしたがる節があるらしい。それは王族少女の方も見慣れているようで、特に変に思ったりもしないようだが、いかんせん彼女のそういう癖に思うところがあるのか、さっきの咎めで彼女に貴族の娘として生を受けることへの自覚のなんたるかを植えつけたかったみたいだ。
「まあ、まあ。そこまでおっしゃらなくてもいいのではないでしょうか、殿下?グロリアさんだってこの<メリッサ王女殲滅隊>の一流の<魂術槍士>じゃないですか。それに、去年からの個人戦大会(レガリア)では優秀な戦士として第4ランキングにまで入ってたんですよ?」
「ははは!あまり気にするな、ジェヌヴィーヴ。私はただ軽口のつもりでなんとなくグロリアにそういってやりかっただけだ。深刻に捕らえる必要ないのだぞ?」
「そう...ですか..。グロリアはあたしの幼い頃からの幼馴染なので彼女の話が絡んでくるとついつい庇いたくなっちゃうけど、出すぎた進言を申し上げてしまって本当にすませんでした、殿下!どうかお許しお願いできないでしょうかー!?」
「君も真面目だな、ジェヌ。私の部隊へグロリアと一緒に入って一年も経つし、第二王女の私と友人関係になってからもそんなに時間が経過してきたので、もうそんなおっかなびっくりな言動で私と話さなくても良いぞ?対等な友達同士として接してくれ」
「そ、それは....でも、一年間が経ったとおしゃられましたけれど、殿下はこの国の王女様で、あたしの立場はただの臣下で国民の一人なんですよ?そんな恐れ多いこと、できるわけないじゃないでー」
「はい、ストップ。」
「んー?あー!あはははは~~!あは~。ははふふひひほおぉぉ~~!?」
あろうことか、まだ最後まで言ってないジェヌヴィーヴという他の一人の銀髪少女をいきなり王女殿下が早い動きで身を乗り出して彼女のお腹をくすぐっていったのである。
「あひひひひぃぃ~~!!あふふは~~!!もうお止めになって~~!?でんかぁぁ~~~はひひ~!」
V字の前髪をしているジェヌヴィーヴという娘は高い位置のサイドテールの髪を揺らしながら殿下に止めるようお願いしてみたが、一向に行為を終わらせることなくくすぐり続行中の王女。悪戯っぽい表情を浮かべる王女はぐへへと小笑いしつつ涙目で爆笑中のジェヌヴィーヴを責めつづける。
「またですわよね、メリッサ殿下とジェヌちゃん。これじゃ話を切り出すのに時間がかかりそうで困りますわ。」
「まったくですね、ふふふ....」
グロリアと妖艶な雰囲気を醸し出す銀髪巨乳の少女はただ黙って様子を見てるだけである。
そんな中に......
「で、例の<黒人達>の件はどうでございますかー?」
「~~!?」「「「「--!!」」」」
ソファの左端に座っている黒髪少女からそんな問いが投げかけられた。それではっとなり、じゃれ合いを止めたあの二人は意識を刺激された他の3人と一緒になって、鉢巻をかぶっているその黒髪少女へと注目する。
「礼をいう、シズク。君の注意のお陰で、改めて早い内に本題に突入できる。学園の寮の門限は午後9:00時までで、学園自体の敷地内も午後8:00時になると閉まり状態になるので、まだ開いてる時間のこの部室にてそれについて直ぐ話そう。」
「「「「「かしこまりましたー!殿下!」」」」」
一斉になってそう返事した5人の少女。さっくの黒髪少女は長いポニーテールもしていて、どうやら長さはお尻の上部まで届いているようだ。まっすぐな髪の毛で横髪の両側は鎖骨まで伸びているようだけど、黒い髪と正反対の真っ白い肌を持つ彼女は燃えるような赤色の目もしているので、彼女が本気になったり怒り出した時にはさぞ恐ろしい印象も与えるに違いないのである。
これから、6人の少女達が話し合う内容というのは、きっと<モールラック人種>についてなのであろう。
でも、その6人の中に一人だけ無口のままでさっきのやりとりをスルーするようにただ本を読んでいたばかりなのだが、どうやらさっきの黒髪少女の注意で我に返ったらしくて、茶色ツインテールの髪をゆらゆらさせて褐色色の目を爛々と輝かせ出している模様。
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魂術学優等生の世界救世戦記 明武士 @akiratake2
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