第2話 続報

そう言っている間に追加の情報が次々ともたらされた。

騎士団の大部分が突破され剣術指南役が立ちふさがったものの大した時間稼ぎにはならず上層部は謁見の間に主力を集め相手の体力を削る策に出たということだ。


さらに伝達が遅れていた報告として正門前で蹴散らされていた警備部隊の残りとかなり前から集結していたエルフ族の部隊がにらみ合っているという知らせが入ってきたのだ。

すわ、エルフによる急襲かと、これによって大きな混乱が発生した。そもそもエルフとは敵対的な関係ではなくこの度の回復戦でもかなりの援軍を送ってくるような関係だったはずなのだ。


「エルフ族の部隊とはどういうことだ。誰かこの件を知っているものはいないか」


「おそらくだが先ほどエルフの代表者の要請により陛下が謁見をおこなった件だと思う」

先ほど帰ってきた同僚が語り始めた。


エルフの代表者の言い分としては回復戦から帰還してこの王都に来た彼らの仲間を我が国が罠にかけ捕縛したことに対する解放要請だったらしい。

その仲間は体の自由を一部奪われ監禁状態。という話だったそうだ。

陛下はしばらく探させ、いないということで追い返したのだそうだ。

ただ、彼曰く退出後に王太子が人払いをして陛下と何らかの話をしていたようで何かあったのかもしれないという話でもあった。


「軍にそれに関する情報はなかったはずだが、王太子殿下周辺か。厄介な」

今エルフ関係で問題を起こすのはかなり厄介なことになる。

回復戦においてエルフたちを勇者が率いていたという報告があるのだ。

当初は正気を疑う大魔法の使用の報告があり大げさな報告としていたが、複数部隊から同様の報告が上がって正しいのだろうということになったが剣聖と互角ともいう剣の腕など報告書取りまとめの段階となって勇者だけでなくその仲間にもかなりの強者がいるということがはっきりしていた。

それらの情報は取りまとめ、陛下をはじめ殿下など王国上層部にはすでに提出したのだが。

今は単独での突入だが彼らの部隊が本気を出せば話が半分としてもかなりの被害を出すことになることは想像できた。

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