ベータ版 中盤
第23話 爆走お姉さん
私ってこんなのだったけ?
シャルロットが突然乱入してきてからはドンドン加速してしまった。思い出したら顔が真っ赤になってしまう様な事を沢山してしまったわ……
仮想現実世界だからと変な言い訳をしてしまう。
村は大迷宮都市へと発展し、生活が更に現実世界へと近づいていく。ちょっと田舎の住宅街みたいな感じだ。その中でも冒険者ギルド、商業ギルドの周辺は都心を思わせる程に開発が進んだ。
私とシャルロットで『魔導バイク』を作ったので都市の道路では馬車に混じってバイクも走っている。
私は自分用の魔導バイクを2台所有している。ちなみに現実世界ではバイク、車の免許証は持っていない。実は自転車に乗るのも苦手だ。
今、私は魔導バイクをぶっ飛ばして隣りの都市へと移動している。タラオによると時速100キロは軽く超えているそうだ。
道はしっかりと舗装されているのでレーサータイプのバイクを使用している。ダンジョンに行く時は道が悪い事もあるのでオフロードタイプのバイクを使う。どちらかと言うとスピードの出しやすいレーサータイプが好みだ。
私はレーサータイプの魔導バイクを改造するのにハマってしまった。更にスピードが出る様にしたいの。初めて作った魔導バイクはスクータータイプで時速30キロ位しか出なかった。スピードがもっと出る様にと工夫していたら、いつの間にか改造にハマってしまった。
ちなみにシャルロットはアメリカンタイプの魔導バイクに乗っていて、タラオはビックスクータータイプだ。
周辺都市との間に舗装された道路が整備され、高速の移動が可能になった。
『テッサロサ』にはファンタジーによくある転移魔法は無いそうだ。その代わりに魔導バイクみたいな交通手段がある。
バイクは徐々に普及し始めたけど車を所有しているのは私達だけだ。私達は大人数で乗れる様に豪華なミニバンタイプの車を作った。これでダンジョン遠征がとても楽になった。
私達は魔王の居るダンジョンを探して、各地を転戦している。そう簡単には魔王は見つからないみたいだ。
あれ以来、ブチ切れコンボは発生していない。あの時貰ったスキル『付与』はかなりレアなスキルだったらしく、私しか持っていない。
「こんなにイベントが発生しないのは不思議だ。何かあるんじゃないか」
タラオはそう言って逆に警戒を強めている。イベントが発生しないとイベントからしか得られないアイテムが手に入らない。その代表が『付与』のスキル書ね。
『付与』が無いと魔導モーターが作れない。私だけが魔導モーターを作れるのが現状だ。
移動手段の発達は戦いを根底から覆してしまう可能性がある。特に飛行機は考えものだ。
私達は魔導モーターの流通を抑える事で世界がゆっくりと変化する様に調整している。そんな事が出来るくらい私達の影響力は絶大になった。
タラオが中心となって対人戦の準備を進めている。本当に怖いのは魔王何かじゃなく人だとタラオは言う。世界のどこかにあのブチ切れコンボを乗り切った国があり、そこと覇権を争う可能性を恐れているそうだ。
私は戦闘系ジョブ、ホーリーランサーをメインジョブにした。でも白魔術師も続けている。生産系ジョブは魔道具師と錬金術師をやっている。
タラオの戦闘系はダークナイトとアサシンを中心に複数のジョブ。生産系が木工師と調理師だ。シャルロットに生産を任せているのでLV上げは戦闘系に偏っている。まあ単純にダンジョン馬鹿って感じもするけど。ソロでダンジョンに潜ってしばらく帰ってこない事も多い。
シャルロットの戦闘系は黒魔術師のみ。多分、1度もジョブチェンジしてないと思う。ここまで変えないと清々しいわね。ジョブチェンジしない分、かなり特化しているから魔法は超強力だ。
逆に生産系の方は何でもやっていて、中でもよくやっているのは鍛治師ね。生産系の育成に時間を多く使っている感じだ。私達の装備は彼女がほとんど作ってくれている。
私達はクランと呼ばれる冒険者のチームを立ち上げた。勿論、目的は魔王討伐、そして邪神討伐。更にはゲームクリアだ。
クラン名は『ワンダーランド』。
団長は私で、副団長はシャルロットだ。タラオは冒険者ギルドのギルドマスターという立場だからと役職に就く事を辞退した。実質的にタラオは参謀役だけどね。
クランは大迷宮都市とその傘下の都市に在住する有力な冒険者をスカウトして結成した。常時50名程はメンバーがいる。
大人数で管理が大変だけど先々まで考えるとこの規模のクランが必要不可欠だ。
『テッサロサ』の世界は中盤戦に突入した。
魔王討伐と都市防衛。それが中盤戦の目標だ。
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