第22話 真っ白おっさん
こんなのおっさん初めて……
もう真っ白。灰になるってこう言う事か……
ストックしていた小箱を全部使ってしまった。
ストックしていた子種も全部使ってしまった。
最初はまだ良かったんだが……騒ぎを聞いてシャルロットが途中で混ざって来たので、とんでもない事になってしまった。
結局、2人と関係を持ってしまった……
しかも2人まとめてだ……
今、俺達3人は同じベットの上で並んで寝ている。もう凄い事になっているよ……
やっちまったな……
シャルロットが目を覚ました。幸せそうにニコニコしている。
「大きなベットを作ってこれからは3人一緒に寝ましょうね!」
ま、マジっすか!? これ毎日はおっさん無理なんですけど!! とりあえず浄化を頼むよ。
「ふふふ、そうしよっか」
アリスまで満足そうな笑顔でその話に乗ってきた。ううう……こんな事になるなんて……
これからは栄養ドリンク必須だな。
盛大にやらかしてハーレムを形成してしまったがいつまでも浸っている訳にはいかない。
難民への対応に当たらないといけないのだ。
通称『ブチ切れコンボ』を乗り切った都市は大発展を遂げる。耐えられず壊滅した都市から大量の避難民が押し寄せて人口が爆発的に増えるからだ。それに合わせて絶対中立都市から物資が届く。
難民達をグルっと囲む形で都市の外壁建築が新たに始まった。絶対中立都市(システム側)の人員、資材で行っているのですぐに完成するだろう。
「アンタのおかげで登り詰めてしまったよ」
町長が外壁工事を見守りながら俺にそう言った。
町長はここが王政なら国王と言っていい権力者になったんだ。迷宮都市を囲む建築中の外壁は城壁レベルの強固な壁だ。
「王になるのか?」
俺は町長へ問い掛けた。王になりたければそれもいいと思う。
「嫌だね。私はそこらに居る道具屋だよ? アンタらが担ぎ上げただけじゃないか」
道具屋のおばちゃんなら他国を侵略する王にはならないだろう。そんなにやる気が無さそうだし、基本的に平和主義のようだ。
「そうだな……じゃあ会議体の議長ってとこだな」
「それくらいなら何とかなるね。アンタとアリスには死ぬまで付き合ってもらうから覚悟しな」
そう言って俺に書物を渡してきた。
「絶対中立都市からの使者がアンタに渡せってさ」
その書物はスキル書だった。今回のイベントクリア報酬だな。
ここは大迷宮都市になる。周辺の壊滅した都市の復興拠点でもある。復興した都市はここの傘下に入るので実質的にはここが国の首都と言っていいだろう。ここさえ安定すれば魔王討伐の拠点になる。
序盤は乗り切ったな。
正直、俺がここまでやれるとは思っていなかった。考えてみればゲームをプレイしていたのは仕事から帰った後のほんの短い時間と休日だけだ。それが今は常にプレイしている状態なんだからやれて当然か。ゲームの知識と仕事の知識でアリスの言う無双状態と言えなくもない。
何はともあれレベル上げだ。
今度『ブチ切れコンボ』が来た時はサクッと寝ている敵を暗殺して終わらせてやる。
貰ったスキル書を持って家に帰るとアリスとシャルロットが本当にベットを作っていた。
ちょっと頭痛がして来たぞ……
「イベントクリア報酬でスキル書を貰ったんだが
アリスに使って貰おうと思うんだ」
貰ったスキル書は『付与』のスキルだった。シャルロットに渡して装備に特殊効果付与して貰うのもいいが、アリスに渡して魔道具に付与して貰う方が先と判断した。
魔道具を使うには魔物から得た魔石を消費しないいけない。魔石は強力な魔道具程多く消費する。
スキル『付与』で魔道具に『省エネルギー』の特殊効果を付与すると飛躍的に魔石の消耗を抑える事が出来るのだ。これによりより大きな魔道具を小さな魔石で使う事が出来る。
俺が欲しいのは乗り物だ。魔石を動力源とした『魔導バイク』『魔導車』更には『魔導列車』『魔導飛行機』だな。
まだ序盤なので『魔導車』を作るのが限界だ。
魔導モーターを作れるのがアリスのやっている『魔導具師』なのだ。魔導モーターに省エネルギーを付与していないと魔石は湯水の様に無くなってしまう。だから『付与』は必須と言っていい。
まずは簡単な構造の『魔導バイク』から作り、それから『魔導車』だな。アリスとシャルロットが協力すれば十分に作る事が出来るだろう。
レシピは大都市になったらオープンするレシピ屋で購入可能だ。まあ強者は自分で設計するけど、そんな事する必要は無い。
大都市への移行に伴い、俺の管理する冒険者ギルドも改築する事になった。もう新築って言った方がいい大工事だ。
俺の希望でトレーニングジム、入浴施設、食堂を併設する複合施設へと生まれ変わる。
商業ギルドも同じく大改築だ。病院、銀行、図書館、工房を併設するそうだ。
シャルロットの宿屋は最高級ホテルになる。トレーニングジム、プール、レストラン、バーを併設するそうだ。復興中の都市にも支店を出すらしく、1大ホテルチェーンへと躍進しそうだ。
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