第38話 サラ・ケストラー

「誤解?……でも」

「誰かが、見たんだね。『Knitted Celebrity』で、サラと結さんの作品を鑑賞して、相談していたことを」

「サラ?鑑賞?相談?」

「順を追って話しますよ」

 いつもの桐哉さんだ。彼は私を放すと、天井を見上げて大きくため息をついた。

「よかった。本当に。結さんを失ってしまうのかと思った」



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