第18話 陽太と斗真
斗真がポケットからナイフを取り出すが、
優子はまだ一人では立てない。
なすすべなく ただ震えいる優子。
病室の扉が開き、陽太が帰ってきた。
「何してんだ。」
陽太は咄嗟に走り、斗真と取っ組み合いなった。
鬼のような形相の斗真が怖く 優子は震えていた。
2人がもみ合いになり 壁に体をぶつけ
転んだ拍子に斗真の手からナイフが離れた。
「お前さえいなければ 全てうまくいってたんだ!」
斗真は陽太を殴りつけた。
そして 斗真の体を掴んでいる手を振り払い
斗真はすかさずナイフを拾うと、陽太に向ける。
「お前から先に殺してやる。」
「やめて 斗真。」
優子の必死の声掛けも今は斗真には届かない。
「手をあげろ。」
斗真は驚き、入り口の方を見ると
警察官二人が銃を構えて立っている。
優子は警察官が調書を取っていた日、
帰ろうとした警察官を呼び止め
斗真の事を話した後、自分に危険が迫るかもしれないと
話をしていたのだ。
そして 陽太は念のため トイレに行ったついでに
警察に電話していたのだ。
「ハハハ。」
斗真は奇妙な笑いと共に 優子の方を振り向く。
「幽霊の時のゆうこちゃんといる時、幸せだったな。
今度は俺が幽霊になったらまた一緒に居られるのかなー?」
制止する間もなく 窓を突き破り病室から飛び降りた斗真。
誰もが言葉を失くした衝撃の最後だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます