第16話 あの日の出来事

斗真と喧嘩をして 一夜が明けた。

優子の病室には二人の警察官が訪れていた。

「橋下さん、あなたは仕事の帰りに 何者かに

突然、追いかけられたんですよね?」

優子は首を縦に振ると警察官は続けて質問する。


「逃げている内に近くの河川敷であなたは

何者かに頭部を殴打された。」

「はい。」

優子は返事をする。

「その者の顔は見ていないんですよね。」

「はい。その後すぐに意識がなくなりましたから・・・。」


警察官の質問に丁寧に返答する優子。

「そうですか、ではまた気になる事がありましたら

お伺いしますので。」

一通りの事情を優子から聞き出した警察官は

優子の病室を後にする。

「あっ、すいません・・えっと・・・。」


しばらくすると陽太が病室に現れ、

頭をそっと撫でると 曇った表情をしていた

優子の顔から笑みがこぼれた。

「いやー、緊張するって!一人に対して 二人の警察官は

ないってー。もう 私がなんか悪い事したみたいじゃん。」

いつも通りの優子を目にした陽太は吹き出す。

「相変わらずだな、優子らしいよ。」


ふと 優子が、

「陽太に一つお願いがあるの。」

さっきと違い真剣な表情をし、お願いをする。

「ん、どうしたの?」

「今日ね、斗真が 夕方かそれより遅くに

話をしに来るの。一緒にいてほしいんだよね。」

「任せてよ。」

陽太は迷う事なく答え、優子を安心させた。


こうして陽太の斗真は再度対面する。



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