2 茶会通りのロビン



 すっかり陽も落ちた、午後六時。

 家々の明かりが灯り、新市街地の住民が慎ましやかな食卓を囲む夕飯時。

 俺達は薄暗い陰気な【茶会通り】の大通りを歩いていた。

 寂れた家屋が建ち並ぶこの辺りは、日中から寂しい雰囲気を纏っているが、夜は一層、その度合いが濃くなり、本当にが出て来そうな気配を漂わせている。

 一応の街灯はあるから、松明を使うほどではないが、暗視が使えると安心出来る、くらいには暗い。


 冒険者ギルドでめぼしい案件を見つけられず、時計塔屋敷に帰るか、となった時、死体回収の時に見た屋敷の事が気になって、帰る前に寄って良いか? と、俺がティーダに提案した。 

 俺の提案に、ヤツは嫌な顔せずに「お前が行きたいなら、いいぞ!」と、賛同してくれた訳だが…。

 この後、真っ直ぐ時計塔屋敷に帰れば良かったと、後悔する事になる。



「ギョォオァァァァーッ!!」

 魔神エルビレアが断末魔を上げて地面に倒れた。


 …数日前にも見た光景だ。

 まさか、こんな頻繁にエビ面魔神を拝む事になるなんて思いもしなかったな…。


 倒れた仲間に見向きもせずに、残った方が俺に突進してくる。瀕死の重傷を負っても戦う事を止めないんだから、魔神の狂った感性には呆れもする。

 突っ込んで来る手負いのエルビレアの攻撃を寸での所で避けて、素早く反撃の一撃を腹に打ち込んで、残った方も倒れた。

「ふ〜〜っ、やれやれ…」

 ティーダがバスタードソードを鞘へ仕舞いながら溜め息をいた。

「……怪我は?」

 息絶えて、分解されるように霧散する魔神を見下ろしながらティーダに問いかけると、ヤツは余裕の笑みを浮かべて「大丈夫だ! お前は?」と聞いてくるから、取りあえず、大丈夫だと答えたんだが、目敏く俺の腕から血が流れてるのを見ると、有無を言わさず【ヒーリング・ポーション】を投げ寄越して、「今直ぐ飲め!」と結構な剣幕で言って来たから、素直に従った。


 封鎖街区での戦いがトラウマなのか、あれ以来、俺の怪我には敏感になったみたいだ。


 大通りを探索している途中、嫌な気配を感じて振り返れば、魔神エルビレアがどこからともなく、二体現れ、襲いかかって来てそのまま戦うはめになった。

 それなりに警戒はしていたから、不意を突かれる事はなかったんだが、薄暗い中、魔神二体ともなると、少々手こずったがなんとかなった。



「…気になってる館って、どの辺なんだ?」

「え? あぁ、この間の死体回収の時に女の遺体があっただろう?」

「あぁ〜、あったなぁ…、じゃぁ、もう少し向こうか…」

「赤茶色の屋根の館なんだが…、この時間だと判別がしづらいな…」

 通りを見渡しながら、目的の館を探す。

 似たような造りの館が多くて、どれだったか分かりづらいんだが、目的の館は他とは明確に違う特徴があったから、見れば間違える事はない。

 また、いつ魔神が出てくるか分からないから、ティーダが周りを警戒しつつ俺の前を歩きながら問いかけて来た。

「なにがそんなに気になったんだ?」

「え? ……いや、その館だけ妙に奇麗だったんだよ…。魔神どもに壊される前の佇まいというか」

 そんな会話を交わして暫く歩いていると、目的の屋敷を見つけた。

 ティーダと門の前に立って問題の屋敷を見上げる。周りの屋敷はわりと酷い状態なんだが、目の前の屋敷はほぼ無傷と言えるほどで、何かの意思によって守られているようにも感じられた。

 部屋に明かりが灯っている様子はない、人が住んでる気配もないが、一応の礼儀として、ティーダが呼び鈴を鳴らすが、やはり反応はなかった。

 もう一度、呼び鈴を鳴らす。

 目の前の館は沈黙したまま、佇んでいる。

 応答がないまま、ティーダが振り返る。その面には苦笑が浮かんでいた。

「…中、入ってみるか?」

「……ん〜、いや、…そうだな」

 無人だろうとは思うが、家主に断りもなく家屋に立ち入るのは抵抗がある。門扉から少し離れて右手側に回って、中の様子を窺う。

 出窓の辺りで人影が動いた気がした。

「…ティーダ、何かいる……」

「え!? …亡霊とかじゃないよな、人だよな?」

「いや、それは分からねぇ…」

「えぇ……」

 情けなく表情を崩すティーダに俺は茶化すように聞き返す。

「なに? 怖いのか?」

「別に、怖くはないさ…、連戦になるんじゃないかって、…ちょっと不安なだけだ」

 下らない言い合いをしている間に、玄関扉が『きぃぃぃ〜〜』と、か細い音を立てながらひとりでに開いた。その現象に驚いて、ティーダが無言のまま飛び上がる。

「…入って来い、ってことか」

 恐いもの見たさ、とでも言うのか、俺は武者震いをしつつ思わず笑って呟いた。その俺にティーダが引き気味に独り言のように呟く。

「え。…入るのか?」

「…入って来いって言ってんだから、入るだろ?」

「………ソウデスネ…」


 屋敷の中は暗くて、さすがに明かりが必要だった。松明を焚くわけにはいかないから、玄関ホールにあった燭台を拝借して、火を灯す。

 一応、ティーダは咄嗟の時に対応出来るように獣変貌して、暗視出来る状態になっている。

 中流階級の屋敷なのか、正面に階段、左右に延びる廊下。廊下の突き当たりに扉が見えた、おそらく、扉の向こうは使用人の部屋か厨房だろう。

 この手の屋敷は、大抵が玄関ホールから客人を待たせる待合室に続き、そこから応接間か食堂に分かれる構造になってる。家人の私的な部屋となる書斎や居間は二階にあるはずだ。

「…どこから探す?」

「そうだなぁ…」

 狼面のティーダがグルグルと唸りながら耳の裏を掻く、ホールから続く扉は三つ。一番豪華な扉が客を接待する為の部屋に繋がるだろうから、そこから、探してみようとドアノブに手を掛けた時、二階で物音がした。

「……二階、だな」

「あぁ、そうだな」

 その音に頷き合って、階段を慎重に上がり、玄関ホールの真上に当る空間に出た。サンルームを兼用しているのか、バルコニーに続くガラス扉がある。

 そのガラス扉に俺達の姿が映って、それを亡霊と見間違えたのか、ティーダが驚きの悲鳴を呑み込んだ。どうやら、霊的な雰囲気というものが苦手らしい。


 不死者アンデッドの討伐は嬉々としてやるのにな……。


 二階の廊下の奥から『カタカタッ…』と音がする。音を立てずにそこへ近付くが、壁があるだけだ。確かにこの壁の向こう側から何者かの気配は感じるんだが…。

 壁を良く調べてみる。

 縫い針ほどの隙間が壁紙の継ぎ目に沿う様にある。それは天井まで続いているから、隠し扉だと分かったんだが、開け方が分からない。

「…開かないのか?」

 壁に張り付く俺を見て、ティーダが声を掛けて来た。それに「……ああ、ここに隠し扉があるのは分かったんだがな」と気もそぞろに答えて、周辺を手探りでまさぐると、指先に何かの引っかかりがあった。試しにそこを押してみると、どこかで、ガコンッ、と何かが外れる音がして、目の前の扉がスライドして大人一人がギリギリ通れるくらいの通路が現れた。

 その通路をなんとか通ると小部屋に出る、そして、その部屋の端に青白い顔をした少年が立っていた。

 一目見て亡霊だと分かる。


 部屋に踏み込んできた俺達を見上げて、少年はニコリと微笑むと静かに口を開いた。

「…僕はロビン、お兄さんたちは?」

「俺は…」

 そこまで言いかけて、咄嗟に口をつぐんだ。霊的なものの中には相手の『名』を使って呪いをかけたりするヤツがいるらしい。用心に越した事はないと思っての事だったんだが、例によって、暢気な兄貴は素直に名乗りやがった。

「オレはティーダ! …君はもうこの世の人じゃないんだね?」

 ティーダの問いかけに、少年は悲し気に笑って頷いた。相手が亡霊の少年であっても、ティーダはいつものように膝を着いて目線を低くすると、寄り添うように微笑みかける。

 

 そうだ、ティーダは紛いなりにも神官だ。

 ヤツの本領は亡者を相手にしてこそ、だったな。


 …霊的な雰囲気は苦手みたいだが。


「お兄さんたちは冒険者なの?」

「ああ、そうだよ。…君はどうしてここにいるんだい?」

 ティーダの問いかけに、少年はぽつりぽつりと身の上に降り掛かった災厄を話し始めた。


 何年前の事かは定かじゃないらしいが、八歳になる年に魔神による大規模な襲撃があって、この辺りはことごとく破壊され尽くしたらしい。

 魔神の襲来当時、ロビンはこの隠し部屋に隠れて難を逃れたらしいのだが、家の外は魔神やアンデッドが闊歩かっぽするゴーストタウンになってしまい。外に出る事も出来ずに衰弱死してしまった訳だ。

 ロビンの家族は、両親は彼の目の前でアンデッドの餌食となったらしいのだが、姉のテレサは出掛けていて、彼女がどうなったかも分からないと言う。


「…たぶん、もう、何年も経ってるんだと思うんだけど、あの日からここには誰も帰って来ないんだ」

「君の姉さんも?」

「うん……、この辺りは魔神やアンデッドに何年か占領されてたから、帰ってくるのを諦めたんだと思う」

「……そうか、寂しかっただろうな」

 ティーダの言葉に、ロビンは穏やかながらも、どこか諦めた微笑みを浮かべた。よく見ると彼の足下に、膝を曲げて壁にもたれた格好の白骨があった。


 おそらく、ロビンのむくろだろう。


「…お兄さんは優しいね。…お姉ちゃんが帰って来たら家が分かるように奇麗なままで残してたんだけど、もう…限界かな」

「……よく、頑張ったな」

 生者の少年にするように、ティーダはロビンの頭に手を翳して、亡霊の頭を撫でた。それに照れたように「へへっ、ありがとう」と笑うと、ロビンの影が薄らいで、家のあちこちから軋む音が響き始める。


 この家が朽ちるのをロビンの『強い想い』、祈りに似た魔力みたいなものが留めていたんだろうが、それも限界を迎えて、本来の姿になり始めたんだろう。


 崩れる事はないと思うんだが…。


「お兄ちゃんたちにお願いがあるんだ…」

「ん? なんだ、オレたちに出来る事なら善処するぞ」

「僕の部屋のチェストの中に、お姉ちゃんにあげるはずだった誕生日プレゼントが入ってるんだ。…それを届けて欲しいんだけど、お願い出来ますか?」

 ロビンはティーダに答えてから、チラリ、と俺を見上げた。その視線にティーダも俺を見る。

 二人の懇願する目に、俺は渋々答えた。

「……まぁ、それくらいなら」

 依頼を受けて貰えた安心感からか、ロビンの表情から『無念』が消えて、晴れやかなものになった。それを見受けて、ティーダが穏やかな語調で問いかける。

「君のお姉さんはどんな人なんだ?」

 その問いに、ロビンが俺を見た。その仕種で、ティーダは彼の姉がナイトメアなのだと悟ったようだ。

「チェストの上に、僕とお姉ちゃんの肖像画ポートレートがあるから、一緒に持って行って…」

「ああ、分かった」

「報酬は…この家の中の好きな物、持って行ってくれていいよ」

 一端の大人のような言い分に、俺が透かさず答えた。


 …死んだやつから報酬なんか貰えるか。


「…要らねぇよ」

「え……?」

 不思議そうに俺を見上げてロビンは首を傾げてる。その無垢な眼差しを受けて、俺は素っ気なく答えた。

「年端もいかねぇガキから金なんか取れねぇだろ…」

「……ティード」

 他所から見れば不貞腐れてるようにも見えるだろう表情で答えた俺に、ティーダもロビンも苦笑いを見せたんだが、二人とも嬉しそうだった。

「ありがとう、ナイトメアのお兄ちゃん…。それから、気をつけて、…のお兄ちゃんがそこまで来てるよ」


 そう言い残して、ロビンは消えた。

 後に残ったのは小さな遺骨だけだった。


 狭い隠し部屋を出て、俺達はロビンの部屋に向かう。

 ロビンの部屋のチェストの中から小さな箱を見つけて、肖像画ポートレートを見ると、ロビンと共に赤毛でオッドアイの少女が描かれていた。

 おそらく、ここに描かれてる少女が『テレサ』なんだろう。

 それから、隠し部屋から持ち出したロビンの遺骨と一緒に埋葬しようと、魔神の餌食になった両親の遺骸を探したんだが、どこにも見つからず、俺達は魔神かモンスターに骨も残さず食われたんだろうと結論づけた。


 館の庭にロビンの遺骨を埋葬して、祈りを捧げるティーダの朗々とした声が蕭然しょうぜんとした夜気に響く。

 見上げた夜空には星が瞬いて、月が浮かんでいた。


 月明かりも差さない暗い隠し部屋。そこで助けが来る希望もなく、失意の中、衰弱し、死んだロビンの事を思うと遣る瀬ない気持ちになる。


 ティーダの祈りを聞きながら、俺はロビンの魂が神の御許に導かれるように、と願わずにはいられなかった。



 俺達が【時計塔屋敷】に帰ったのは午後九時を過ぎていた。

 眠るにはまだ早く、ティーダが厨房キッチンで軽食を作ると言うから、遅めの夕飯を食べて、五号室に戻った。

 部屋に引き上げる前、階段傍の管理人室からティエラさんが顔を出して、「おかえりなさい」と声をかけてくれた。彼女の足下からピーターが出て来て、ティーダに飛びついて無事の帰還を熱烈に歓迎したんだが、出迎えられたティーダと言えば、まるで父親然として「子供は寝てる時間だぞ…」と、やんわりと小言を言って、案の定、ピーターに煙たがられた。


 順番に風呂場で湯浴みをして、俺が眠りについたのは午前零時を回っていた。明日も冒険者ギルドに行って、なにか適当な依頼を探さないといけないのに、ロビンの事が頭から離れなくて、なかなか寝付けなかった。


 不意に、ロビンが消える前に言った言葉が甦る。


 『気をつけて、…のお兄ちゃんがそこまで来てるよ』


 言われた時は何の事だか分からなかった、ただ、『もう一人のお兄ちゃん』には心当たりがあった。


『夢』で見る、異貌した姿の俺だ。


 幼い頃と同様にその姿には嫌悪感しか抱かないのだが、最近、異貌した俺が『夢』の中に現れる事が増えた。それまでは嫌な思いをした日の夜に限って現れていたんだが…。

 夢でアイツにあった後は決まって異貌した姿で目覚めて、何度かティーダを驚かせた事もあった。


『夢』の中で、魔神のような姿をした俺は、愉悦と笑いながら殺戮と破壊を繰り返し、それを傍観する俺に囁きかける。


 いい加減、受け入れろ。と。

 戦いと殺戮を楽しめ。とも。


 その度に、俺はヤツを否定し、拒絶する。だが、延々と繰り返される『誘惑』に、最近は心を委ねそうになる自分がいる。

 拒み切れないのは『異貌した姿ヤツ』も『俺』だからだ。


 ある程度、異貌をコントロール出来るようになった時に、俺は『異貌』を封印した。

 自らおぞましいあの姿を封じる事で、精神的な均衡を保ったんだ。

 幸い、俺は『魔法を使う才能』に恵まれなかったから。


 ナイトメアの種族特性の『異貌』は、魔法行使において、呪文の詠唱と魔法陣の描写をせずに行使が出来る、魔導師なら垂涎モノの能力だ。だが、俺は魔法を使えないから、『異貌』する必要がない。

 いつだったか、師匠から、無意識のうちに『異貌』しなくても良い道を俺が選んだ結果だ、と言われた事がある。

 自らの可能性を狭める事を師匠は残念がって、その事で衝突した事もあった。


 目を閉じれば、『異貌した俺ヤツ』が笑って囁きかける。


 ……もうじきだ。と。






【攻略日記:雑感 四日目 2】


ティーダ:なかなか不穏な終わり方なんだが…。これはどういう事なんだ?

ティード:…確かに不穏だな、我が事ながら。

saAyu:……まだ言えません。

ティード:何かの伏線なのか?

saAyu:ノーコメントです。

ティーダ:オレの弟をどうする気なんだ?(険しい表情で詰め寄る)

saAyu:…まぁまぁ、悪いようにはしませんて(ニコッ…)

ティード:……まぁ、いいよ。生きて終われるんなら。

saAyu:それは、まぁ、上手くやります…(一応、ロストした時の展開は考えているけども…)ではでは、【茶会通り】のエルビレア戦の振り返りでもしますかね〜?

ティード:…ん〜? 別にしなくても良いんじゃないか? なんだかんだ、4ラウンドで終わったしな…。

ティーダ:そうだな〜。エルビレアAの方は〈剣のかけら〉×3で強化されてたが、あっさり落ちたしなぁ〜。


【魔神エルビレア×2】戦

  ※エルビレアAは〈剣のかけら〉×3で強化。HP+15、生命・精神抵抗力判定+1

  ※エルビレアBは強化無し、エルビレアのデータはルルブⅠ469頁を参照。各判定は固定値を使用。

  ※ティードの初手は【鎧貫きⅠ】を宣言するものとして扱います。


 ◆1ラウンド目

 ティードの攻撃、二回とも命中し、8点と10点の合計18点ダメージ、エルビレアの防護点3点を半分にして、小数点を切り上げた2点とそのままの3点の5点を引いて13点ダメージ。

 ティーダの攻撃、【魔力撃】で、18点ダメージ(威力表出目+追加D+魔力含む)エルビレアの防護点3引いて、15点のダメージ。ティードの攻撃と合わせて、28点ダメージで、この時点でエルビレアAは残りHPが11点。この時点でエルビレアBは無傷。


 魔神エルビレアAの攻撃は外れて、エルビレアBの攻撃がティードに当たり、防護点の4点を引いて9点のダメージで、この時点でティードのHPは20。


 ◆2ラウンド目

 ティードの攻撃、二回とも命中し、8点と9点の合計17点ダメージ、エルビレアAの防護点5点(二回分)を引いて12点ダメージ。ここでエルビレアAが倒れます。

 ティーダはこのラウンドはお休みで、この時点でエルビレアBはまだ無傷。


 続く、魔神エルビレアBの攻撃がティードに当たり、11点の大量ダメージで、この時点でティードのHPは9。


 ◆3ラウンド目

 ティードの攻撃、二回とも命中し、8点と10点の合計18点ダメージ、エルビレアBの防護点5点(二回分)を引いて13点ダメージ。エルビレアBは残りHPが11点。

 ティーダはこのラウンドは出目5で【キュア・ウーンズ】を選び、ティードを9点回復、この時点でティードのHPは18。


 続く、魔神エルビレアBの攻撃は6ゾロで避けて、4ラウンドへ。


 ◆4ラウンド目

 ティードの攻撃、初手は外すものの、二回目は命中し、8点からエルビレアBの防護点3点を引いて5点ダメージ。続くティーダの【近接攻撃】が9点のダメージで、魔神エルビレアBが倒れました。


saAyu:今回の戦闘からティード君が【鎧貫きⅠ】を使って、敵防護点を半減させる事が出来て、ちょっとだけ戦闘が楽になりましたよね。

ティード:まぁな、それに、俺たちのレベルと同じ魔神だったしな。…途中、HPが一桁になったけど、まぁ、タイミング良く回復出来たし、まずまず…ってとこだな。

ティーダ:そうだな〜。ん? どうかしたのか?

saAyu:いや…ティード君が新たに取った戦闘特技の【鎧貫きⅠ】なんですけどね、ルルブには一回の近接攻撃に有効、とあるんですけど。ティード君、追加で攻撃出来るじゃないですか?

ティード:…まぁ、そうだな。

saAyu:だったら、その追加分には有効じゃないのかな〜って思ったんですけどね〜?

ティーダ:…う、うん? またのか…?

saAyu:いやいや、これは単なる疑問です。運用に関しては、メアリーさんのフェローデータの行動表の欄に「追加攻撃には有効ではない」書き方がされてたので、ティード君の攻撃の時も、宣言した初手の一回分に限り【鎧貫きⅠ】の効果をつけてプレイはしましたよ。ルルブの【鎧貫きⅠ】の効果の欄にも「複数を攻撃する場合は1体のみ」みたいな書き方がされてたので、あ〜、一回なんだぁ〜って、ちょっと、残念に思っただけです。

ティード:まぁ、プレイヤーとしては、宣言して命中すればそれに【鎧貫きⅠ】の効果が乗っかる訳だから、『追加分』にもその効果が付いても良いんじゃないか、とは思うわな…。

(※あくまで著者の個人的な見解です。追加攻撃に関しては、初手のオマケ感覚なので、こう思っちゃう)

saAyu:です〜。ただ、追加攻撃も命中判定するから、一回のカウントなんだろ〜な〜って。

ティーダ:随分と残念そうだな(苦笑)

saAyu:そりゃぁ、だって、防護点半分になるんですよ〜? もう一つ、ついでに言うと、ティーダさんの【魔力撃】に関しても、レベルが上がるにつれて追加ダメージの値と魔力の値が上がって、エラい数値で敵のHPを削るから、『ダメージ出目+追加D+魔力』で良いんかな〜って、思ってるんですけどね…(苦笑)

ティーダ:……それ、大丈夫なのか?

saAyu:…一応、ルルブを読んで、威力表の出目+追加D+魔力、と解釈してるんですけど…。まぁ、間違ってたら、それは、それで…(苦笑)

ティード:…ルールに関して、確認とれる友達とか知り合いとかいないのか? アンタ…。

saAyu:居ない事はないですけど…、忙しそうなんですよね〜。なんか、細かい事でいちいち問い合わせするのもなぁ…って思って。

ティーダ:イベントに関しては? なにか振り返りはしなくていいのか?

saAyu:ああ、えっと、このイベントは「幽霊屋敷」と言って、ここへ至るプロセスは結構厳しいんですよね〜。探索判定の達成値が「目標値C(この時は14)」以上か、6ゾロの自動成功じゃないと行けないって言う…(汗)

ティード:まぁ、なんとかギリギリで達成値クリアしたんだよな…(苦笑)

saAyu:です〜。どうしても「幽霊屋敷」のエピソード読みたかったんで、良かったです!!

ティーダ:結果的に★も手に入ったし、良かったけど…。姉弟愛の話だったな…(目がウルウル)

saAyu:ですね〜、物悲しいお話でした…。脚色しましたけど、こんな長くなる予定ではなかったんですけどね。アナタたちがわちゃわちゃし出したんで、楽しく書けましたよ〜。

ティード:……わちゃわちゃしてたつもりはないんだがな。面倒な依頼を受けちまったし…。

ティーダ:そうだなぁ…、今の所、ロビンのお姉さんの『テレサ』に関する情報が一つもない…。どこを探せば良いのやら…。

saAyu:ですね〜。

ティード:じゃぁ、次は?

saAyu:そ〜ですね〜。モルガナンシン城でも観に行きますか〜?

ティード:は? 今更、観光するのか??

ティーダ:お? ちょっとのんびり出来そ〜だなぁ〜。

ティード:………(相変わらず、暢気な兄貴だな…)

saAyu:いやいや、ちゃんと目的はありますよ〜。黒剣騎士団の詰所に行って、使わなかった〈剣のかけら〉を納品して、楽して★を稼ぐッ!! て言う目的が(笑)

ティード:いや、今までの戦闘の戦利品だからな? 俺達的には楽してないぞ!?

saAyu:まぁまぁまぁ、良いじゃないですか〜、〈剣のかけら〉は、このサプリでは『納品』するくらいしか使い道がないんですから〜。

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