Ⅶ:daydream
『お、おはよう』
我ながら間の抜けた反応である。
声に出したつもりだが、自分の声が内側から聴こえてきたような感覚があった。これが夢だからだろうか?しかし、
正門だった場所を抜けると、
ふと、足を止めた
「おぉ」
その先を見た僕の口から、出そうとして出せなかった声を漏らしていた。
そこには、
しかし、地面からちょうど半分ぐらいまでの階層がない。しかし、上だけを見れば何事もなくそびえているような佇まいであり、それは浮いているというよりも、マンション自体が半身を失くしていることに気づいていないような印象がした。
クスッ。という笑い声が聴こえたような気がして、僕は我に返った。見ると
今のがある種の転換となったのか。
僕らが進むこの道にも、不自然と呼べるものが当然の存在のように居座っていた。空の手前に幾重にも電線が張り巡っているが、それを束ねるための電柱がひとつもなく、巨大なクモの巣を思わせている。
公園の広場にある噴水からは水は流れておらず、代わりに巨大な水球がその上で音もなく揺らめき漂っている。
真っ直ぐ進んでいた
矛盾と消失に満ちた探訪は、
君の家?
と、僕は声にならない声で聞くが、
--
音が聴こえた。
ここに来て、一番くっきりとした響きが耳に入った。
見ると、
僕は目を覚ました。
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