会話の話

最初に。

星が50やっとの無駄に長い長編小説を書いているオッサンの話なので、参考になるかはわかりません。

ご容赦願います。


あくまでも私的感想ですが、カクヨムの作品を読んでいて「誰が何を言ってるのかわからない」ことありませんか?

ひたすら会話が「」で続いていくのですが「このセリフは誰が喋ったの?」と戸惑うこともしばしば。

シナリオの様に「」の前に名前があればいいのですが、1対1ならともかく複数人が「」だけで話し出すと、もう訳がわかりません。

星がたくさんついている評価の高い小説でも、まれに散見されます。


先日びっくりしたのが、同じ人物のセリフなのに「」「」で続いているモノがあったんです。

1対1での会話なのに、どう読んでも同じ人物のセリフです。

「」「」で改行したら違う人のセリフじゃないの?

何故わざわざ「」「」で改行するの?

正直、理解するのにたっぷり10分はかかりました。

せっかくの面白い話なのに、こんなことで躓くと楽しさが半減します。

・・・もったいない。


会話はリズムなので「」「」で続けたくなる気持ちは十分にわかります。

だったらせめて口癖とか、誰が何を言ってるのか読者様に理解できるようにしましょうよ。

モブだったらいいんですけどね。


とはいっても、口癖って難しいです。

一番簡単なのは自分を何て呼ぶか、だと思います。

一人称でも「俺」「僕」「私」「自分」「オイラ」「儂」「我」(自分の名前)・・・etc。

いろいろあります。


自分のことを「あ~し」と言うキャラには閉口しましたが。

そんなヤツ、見たことねえよ!!


「俺」を「おれ」や「オレ」に変えるだけでも、読者様はわかるかもしれません。

書く方はめんどくさいだけですけどね。

拙い言葉を喋るキャラにカタカナでセリフを言わせたのですが、変換がめんどくさくてしょうがなかったです。


私は単純に「」と、○○が言った。と素直に書きます。

小学生の作文みたいですが、読者様にわかってもらえないより良いと思ってます。

○○が言った。が気に入らない時は、表情を入れたり、身振り手振りをさせたりします。

笑いながら言ったのか、怒りながら言ったのか。

同じセリフでも、ニュアンスはかなり変わるはずです。

例えば「ありがとう」の一言でも、目を伏せながら、顔を赤らめながら、横を向いたまま、口を尖らせながら、不服そうに、満面の笑みで、涙を流しながら、無表情に、抑揚のない声で、かすかな声で、作り笑いで、取ってつけたように、などなど。

それぞれニュアンスは変わると思いませんか?


口癖ですが、結構簡単にできるものです。

例えばセリフの前に「あ~」とか「まあ」とか言うキャラ。

身近にいませんか?

古い話ですが「まあその・・・なんですな」と言った総理大臣もいました。

私の知り合いで、接続語に「・・・でもって」という人がいました。

私の小説の中には「バカじゃないの?」とよく言うキャラもいます。

また、方言を使うキャラはわかりやすいですよね。

「あるよ」というだけで、キムタク主演のドラマ「HERO」の田中要次が演じるバーテンが脳裏に浮かびます。


別に口癖なんて大げさである必要はありません。

ちょっとしたことで、キャラの性格を表現することは簡単にできます。

要は作者がどれだけ登場人物を描き分けているか、ということです。

身近な人をよく観察すると、小さな口癖は見つかりますよ。


会話は小説の「肝」なのですから、作者様はもっとわかりやすい表現に気を配ってほしいものです。




とはいえ、☆の数や「面白い」に直結はしないんですけどね。






私は「読みやすい」と言われたことはあっても「面白い」と言われたことはありません・・・



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