小説を書く前の準備の話

さて、9ヶ月ぶりの更新となります。

いやそもそもこのエッセイは1話で完結だったんですが、何かいろいろ書きたくなってしまったので連載としました。

サブタイトルに ~執筆四方山話~ と付けたように、執筆の裏話だったりキャラクター誕生秘話なんてのも書けたらいいなと思っております。

現在執筆中の「異世界でオッサンは勇者になれるか?」のネタバレも惜しみなく出していくつもりです。

ネット小説投稿は初心者ですので、同じく初心者の方々の参考になれば嬉しいですね。

反面教師だと思ってください。




コロナ禍で始めようと思った小説執筆ですが、特に書きたいことがあったわけではないのです。

という訳で何を書くのか考えなければなりません。

幸いチョイチョイ、トラックドライバーを兼任している仕事です。

小一時間運転することも多いので、仕事中にネタを考えます。

安全運転に気をつけていますが、脳はちゃんと違うことも考えてくれます。

漠然とした物事を考えるには打って付けです。


とりあえず決めたこと。

・異世界転生

・一人称

・主人公は自分

これだけです。

それぞれのメリットを考察しましょう。


・異世界転生

異世界物は設定が自由です。

ぶっちゃけちゃえば「何でもあり」です。

転生の良さは、現代知識と考え方を異世界に持ち込むことが出来るところです。


・一人称

自分の言葉での一人語りで物語は進むため、文体は口語となり書きやすくなります。

主人公の性格がわかりやすく描写できるようになります。


・主人公は自分

上記と関わってくるのですが、作者の考えをストレートに文章にすることが出来ます。

性格設定をする必要が無くなります。


まあ一言で言えば「安易に小説を書こうとした」ということになります。

これがいいか悪いかは別にして、初心者にとっての小説を書きやすい環境を作ったわけです。

とにもかくにも小説は執筆しなければカタチになりませんから。

無駄にハードルを上げる必要はありません。



ストーリーを考える。

・・・何も考えてなかった(汗)

異世界物なんてあまり読んでいないので、昨今の流行りはよくわかりません。

オーソドックスに魔王退治にしておくか。

テキトーです。


主人公の特性を考える。

いわば「固有スキル」ですな。

最強で無双?

ストーリーを考えていないのに最強主人公なんて・・・これを面白くするには設定とか主人公の境遇が肝になります。

主人公が奴隷だったり低階層の住人だったり、所謂「底辺からの成り上がり」ですな。

設定なんか、まだ何も考えていません。

貴族社会とか階級とかよくわからないし、不得意分野なので却下します。


最強にはしなくても、何か固有スキルを持たせなければ。

現代社会人のままでは異世界で活躍できそうにありません。

これが現代でも特殊な人、例えば何かのスポーツや趣味の世界でトップだったり頭脳明晰天才肌だったりした人が主人公だったらいいんですけどね。

平々凡々の自分が主人公なので、固有スキルを持たせることにします。


何にしようかな・・・

時空系なんてどうだろうか?

テレポートだったり空間を繋いで翻弄したり、時間を止めたり加速やスローなどなど。

お、何かイケそう。


とりあえず主人公がスキルを使って活躍する場面を想像してみましょう。




・・・俺は小高い丘の上に立っている。

前方の草原には1万を超える大軍が迫っていた。

「1対1万か・・・おもしろい」

俺は呪文を唱えだす。

「ホニャララ、ホニャララ~!!!」

大軍のいる足元の地面が突然「ボコッ!!」という音と共に崩壊した。

1万の大軍が悲鳴と共に落とし穴に落ちていく。

奴らはどこに行ったのか?

・・・はるか上空から数々の悲鳴が聞こえてくる。


俺は奴らの足元の地面と100m上空の空間を、どこでもドアのように繋いでやったのだ。

土塊と共に100m上空から、次々と地面に叩きつけられる完全武装の騎士と騎馬。

鈍い打撃音と人と馬の断末魔が、俺の前方から聞こえてくる。

空を飛ぶことが出来ない奴らは、全て絶命した。




・・・こんな感じでしょうか。

うん、ままイケそうだね。

似たように関連するスキルを考えては、それぞれのスキルが活躍する場面を想像します。

・・・

・・・・・・

あれ?

強すぎる。

時空系ということで「時間」と「空間」のスキルをいくつか考えたのですが、少々やり過ぎたようです。


というわけでいろいろ考えた結果、主人公は時間系のスキルのみにしました。

名残がムラキ(異世界オッサン30話から登場)に引き継がれています。


こうして時間系スキルの名場面を思い描くうちに「これは!!」と思うシーンが出てきます。

物語のターニングポイントになるようなシーンですね。

中間点はこのシーンにしましょう。

ラストはとりあえず「魔王を倒す」でいっか。

これで中間点とラストの構成が出来ました。

かなり大雑把です。

言うなれば「東京から大阪経由で鹿児島まで行く」と旅を決めたようなものです。

どこに立ち寄るか、何を使うかは行き当たりばったりでいいや。


これでスタートした私の執筆活動ですが、ハッキリ言って・・・失敗しました。

せめて物語の序盤10話ぐらいまではしっかりと考えるべきです。

10話ぐらいまでで面白くなければ、読者は離れてしまうのですから。

何度、一から書き直そうと思ったことか・・・

実際に一度だけ書き直しています。

旧作は「なろう」の方で残してありますが、正直なところ大幅には変えられなかったので読む必要はありません。


皆様、特に初心者の方は最初の10話ぐらいは徹底的に考えましょう。

2022年1月29日現在で、193話連載、★41、PV34.7K という数字が残っています。

これがいいのか悪いのかはわかりませんが、客観的に見ると「読まれてはいるけれど、正直たいして面白くない作品」というところでしょうか。


周りの評価がどうであろうと、私はこの連載を最終話までは続けるつもりです。

縁あって私の拙作を読まれている皆様、いつもありがとうございます。

引き続きお付き合いくださいませ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る