第14話 時はさかのぼること

2週間前

「所詮は子供のやることだと思って許してくれ」

「、、、いいよ」

柄にもなくというより空気に流されて、僕は今とんでもなくカッコつけてとんでもない事を言ってしまった、、気がする、知らんけど。

「そっかなら遠慮なく頼めるよ、明日から君、同じクラスの苗木ちゃんと小麦ちゃんとで二股してもらうから」

「?。?、、、?、、、?。?」

「ハハハ、という事で理科さんとは一旦別れてもらおう流石に三股はきついだろうし」

「さっきの言葉は取り消そう前言撤回だ、ダメダメダメダメ、ぜっぇたぁいに嫌だね、なーにが二股だインチキ占い師、僕には理科さんという今後一生を添い遂げるであろう彼女がいて、一も二もないんだ。」

ものすごい剣幕でまくし立てる

「まあ確かに一生は添い遂げるだろう、この場合一生と言わず六生くらいかな、もうちょっとで七だけど」

「うるせーそうはさせねぇよ」

「とは言っても、もう二人には話つけちゃってるしなぁ」

「そもそも何で、クラスで評判の女子二人と付き合わにゃならんのだ」

「いやそれがさ聞いてよ実は最初に僕がその二人と二股してたんだけど、その二人にいる別の彼氏に浮気がバレちゃってさ、そんで3人で話し合った結果君に罪をなすりつけ、ってまって窓から僕のカバン投げないであああああああ」


 時と場所は変わって僕は今学校近くの駅で3人と待ち合わせていた、というより3人のうち二人は来ていて一人は遅れていた。

「という感じで僕達はすごく困っているんだ、ここは助けてよ」

「まったく私は困っていないのだけれど、とは言っていても友人、つまり私の『お友達』こと小麦が二股していることがバレてしまうのならば、つまりこの私の隣に突っ立ている占い師と仲良くしていることがバレてしまうことで不利益を被るのならば、あなたにこの私、つまり偉大なるこの苗木様が頭を下げることもそれほど矛盾したことではないはずよ」

なんかめんどくさい喋り方してるなぁ、聞いてるこっちが疲れてきた

「でもそれって僕に全ての責任を押し付けて自分達は逃げるってことじゃん嫌だよ、お前らが勝手によろしくやって怒られちまえよ」

「貴方ね、利き方、つまり私に対する敬意が足りないんじゃなくって?」

 額に青筋を浮かべながらワナワナと言う

綺麗な顔というのは不思議なもんで怒った顔もまた綺麗だった。(もちろん理科さんの方がその数千倍は綺麗だけど)

「そいつはまあ、僕が君の下だというなら口の利き方には気を配るけど」

「なるほど、つまり貴方はこの私と同等だと」

「そりゃそうでしょ同級生だし」

 ちなみにこの箱庭苗木こと苗木ちゃんは喋り方こそお嬢様だけれど家は中流階級だし父親はサラリーマン、実家が太いわけでもない、なんならつきのお小遣いは月々5500円の一般的な高校生だ。流石に気を使う必要は無い。

 そんなこんなの言い合いをしていると

「ごめーん遅くなっちゃう」

「違う、つまり遅刻よ」

 現れた、小麦が。

 僕は小麦が好きでは無い、むしろ苦手だった、小中高全て同じクラスむしろその前幼稚園の頃から全て同じクラス。

 幼馴染というのはおそらくこういう奴のこと「も」言うのだろう

 ただ僕は否定小麦を幼馴染だなんて思っちゃいない

「あー文くんだー話すのも会うのも久しぶりだと思う」

「いや違う、同じクラスの隣の席だし僕は毎日お前に挨拶をしているからな」

「そっかー忘れている」

ヘラヘラと笑いながら小麦ちゃんは水筒の口を開けて特に謝るでもなく飲み始めた、こいつはそういうやつだ、大方浮気のなすりつけを提案したのもこいつだろう

「せいかーい、さっすが幼馴染わかってるね」

「僕はこいつを幼馴染だなんて高尚なものだと思っていない、こいつは悪魔だ」

 何より今この学校に通うことになってしまったこともほとんどこいつの責任だったりする

あと部活に入れず生徒会に入れられたり、探偵助手をやらされてるのもこいつの責任だ。

「ともあれ役者は揃ったわけだしちょいとそこのファミレスにでも入ってお茶をしようじゃないか」肩口で切り揃えられた髪の毛を揺らしながら先頭立って歩き出した

僕たちもそれに倣う

「言っておくけれど、つまりこれだけは言わなければならないのだけれども」

苗木が僕の方を見上げる

「私はあいつのこと、つまり因幡のことを女友達だと思っていたの、つまりはそれを浮気のそれだとは今でも思っていないわ」

「はぁ、そうですか」

まあ確かに見てくれだけは女だもんなあいつ

「私も苗木ちゃんと同じ、因幡は女だ」

「「違う」」

僕たちはやいやい言いながらファミレスに向かった

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彼女と僕がイチャイチャするだけの話 覚えやすい名前 @daigodaisuki007

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