第11話 予定変更じゃないです通常運行です
夢をみた
走っている。
いや追われていたから逃げている、誰だろう。
隣には小さい女の子がいた、いや自分が大きいだけか。
「次の人生でも、会えるといいね」
「・・・冗談じゃない」
どっちがどのセリフを言ったのかはもう定かではないけれど、はたまたそんなこと言っていなかったかもしれないけれど。僕はそこで目が覚めた
「いきなり学校に隕石が落ちてきて休校になんねーかなー」
カバンが日を受けて茶色く鈍く照り返す快晴、駅のホームで僕は一人憂鬱に佇んでいた、と言うのも先ほどメールで
「今日は、会えません」
とだけ書かれたメールがマスターから入っていたからだ、というとマスターと会えないことを嘆いてるかんじになるのでちゃんというとマスターと理科さんは同じ生徒会に入っていてたびたび仕事で早く行くことがある、今日もその一例、ということはおのずと理科さんも今日はいないということになり、僕はなんか嫌な気分、空と同じくブルーなのになんでこうも気持ちに差がありけりなんでしょうねぇ、これがサガなんでしょうかねぇ。
最後のセリフは口に出して言っていたがちょうど来た電車の音にかき消されてしまった、もっとも聞かれて困る人間どころかこのホームに人はいないけれど。
「くだならいセリフならちゃんと聴こえているよ」
聞かれてたらしい
「・・・誰?君」
電車に乗り込みいつもの席(膝の上ではなく座席)に座って一息ついた僕に目の前に現れたそいつは出会い頭に毒づく。、、、聞かれてたのかぁ
「申し遅れた僕の名前は、いやこれはまた今度にしよう。ごめんね。
まあ簡単に言ってしまえば占い師さ、君の運命を占ってあげにきた」
首元で切り揃えられた髪の毛を揺らしながら僕の目の前まで近寄り、左手を差し出して
「握手をしよう君も左手を出してくれ、よりハートを感じたいからね」
なんでこうも鼻につく喋り方がペラペラと出てくるのだろう、僕はそんなことを考えつつ右手で彼の左手の甲を掴み上下に揺らした
「ハッハッハッ、君は難しい人間だね」
「そりゃどうも、僕も自分は簡単な人間だとは思っていません」
「まあそれゆえに単純なんだけどね」
彼の右手には僕の財布が握られていた、いつの間に?返して?僕の全財産返して?
「僕にお金を集める趣味はないからこれは返しておくよ、しっかり持っておくんだよ?ちなみにこれは僕からのプレゼント、腕時計だ」
それも僕のだ
「おっと、そうだったいや僕の右手は手癖が悪くてね、よかったらこれもプレゼントしてあげるよ」
・・・それも僕の・・・そんなわけは無い。右手はちゃんと彼の左手を・・・
「で、なんで占い師さんはこんなところにいるんですかねぇ」
「僕はこう見えても高校生でね、先日この辺の高校に転校してきたのさ見たところ君の鞄は僕の通う高校と同じようだし、君とは仲良くできそうだ」
「僕の財布からお金が消えていることと僕の腕時計が先ほどから1分も進まなくなったこととポケットからハンカチがなくなっていることの説明と、ちゃんとしたを謝罪してくれたら友達になってやるよ」
「わかったよ、君を怒らせるのは占い師として嫌な予感がするし返すよ」
彼はそのまま手をひらひらさせると紙幣がこれまたひらひらとおちて床に着地する
「・・・・?」
「なにをしているんだい?君の金だろ?拾いたまえ」
もうやだこの人
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