消えゆくもの

第1話

ブームというものがある。

流行っている間は騒がれるが、それが過ぎると見向きもされなくなる。

物でも、そして、人でも・・・

「これ、覚えてる？」

倉庫の整理をしていたら、妻に声をかけられた。

「これは・・・何だっけ？」

「忘れたの？昔あれだけ、夢中になっていたのに・・・」

記憶の糸をたどる。

あれはたしか、僕がまだ高校生の頃・・・

いや、もっと前かな・・・

まだ、幼い子供たちが、珍しそうに見ている。

「パパ、ママ、これ何？」

子供もの問いに、妻は答える。

「これはね・・・」

ひそひそと、子供たちに話す。

「こんなの流行ってたんだ」

とても、驚いている。

今、やれば犯罪になるのか？

いや、大丈夫だろう・・・

えっ。どっちだ？

それにしても、よく残ってあったな。

「学生服を着た、ネコ。」

翌年、二番煎じで学生服を着た、犬も出てきたが、速攻消えたのがある。

二匹目のドジョウは、なかなかいない。