昨日の敵は今日の友
「ふんふふーん」
「アル様ご機嫌ですね」
「うん! まぁね!」
だって、アイツらの弱みを握ることができたんだもーん!
これで暫くは私に何もしてこないはずっ!
虐めようとしたことがバレたら困るの向こうだもんねぇ~!
「ちょっと!! カムイ! なんで裏切ったのよ!!」
「人聞きが悪いな、俺はお前を裏切っちゃいないぜ?」
おおっ、揉めてる揉めてる!
チェルシーとカムイが中庭で言い争っているのを見つけた私は少しその争いを鑑賞することにした。
「あら、チェルシーとエセ騎士じゃありませんか」
「しーっ、アリア面白いものが見れるから黙って見てましょ」
「ふふっ、アル様も人が悪い」
そう言いながら物陰に隠れるアリア。
「あん時は、アルテミアから脅されて仕方なくライゼン様を裏切っただけで、お前の事は何も言ってないだろ?」
「なっ、何それ!!」
「勘違いすんなよ、チェルシー。俺はお前の言うことならなんでも聞いて来た。俺はお前の為なら何だってやったさ」
「じゃあなんで、あん時あの女の味方になったのよ!!」
「なってねーよ、ただ皇子の為に俺があの女の敵になるのはおかしいだろ?」
「·····貴方は騎士でしょ!? じゃあライゼン様も守りなさいよ!!」
「残念だが俺はお前の騎士だ、でも今日限りだ。俺はもうあんな危ない橋を渡るなんて出来ねぇ。すまねえが他当たってくれ」
·····ひゅう、よく言ったカムイ。
「最高ですわ! ざまぁありませんこと!」
隣のアリアも絶賛してる。
「·····貴方もあの悪魔に寝返ったのね!! 許さない!! あの悪魔の女を支持するなんて反逆罪よ!!!」
大爆笑不回避。
なにが反逆罪だ!!!
おいおい、お腹がよじれるぜ。
ひぃーお腹痛い! 待ってアリアも笑いこらえてる。
やば、授業中思い出し笑いしないか不安だわ!
「·····おいおい、何言ってんだチェルシー。俺たち幼馴染だろ? 俺が女友達少ないってことくらい分かってるだろ? そんな、悪魔みたいなあの女って誰のことだよ」
へらっと笑って彼は荒れ狂う彼女の肩に手を置いて押し戻した。
「俺の異性の知り合いは、お前と天使のように優しい女神様だけだぜ」
……!
「なっ、何よそれ……」
「という訳で、俺は稽古に戻るよ早いとこ強くなってギルを越さないといけないんでね」
彼女に背を向けてひらりと手を振り彼は練習場に戻った。
「ぷー! ダメですわ! ひぃー! おっかしい!こらえる方が無理ですわ!! ってどうしましたのアル様、顔真っ赤にして座り込んで」
「·····なっ、なんでもない、面白すぎて腹痛くなっただけ!」
「大丈夫ですの!? 保健室いきましょう!!」
「いやっ! いいから! 大丈夫! ご飯食べに行きましょ!」
·····女神様って言い過ぎなんだけど。
こうして無事、カムイの恋は終わりを告げ、自分の夢に向かって頑張るのでした。
めでたし、めでたし。
どうも、ラスボス令嬢です あぱろう @apa6gou
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