情報屋は味方につけておくと心強い
「アル様本当に良かったのですか? あの平民を放っておいて」
「いいのよ」
あれに手を下すと、ギルガルドが私に敵意を持っちゃうから。
確か彼の名前は……カムイだっけ。
うん? じゃあ、彼はチェルシーと会うことにならないよね……?
というか、色んなルートあるけど男達はどこで彼女に会うんだっけ!?
これ以上私の敵を増やさない為にも一旦整理しよう。
1人目は王道イケメン皇子ライゼン
2人目はイケメン騎士団長ギルガルド
3人目は冷徹ドS皇子ケイ、彼はライゼンの双子の弟なのよね。
4人目は知的な隣の国の王子ブレイン
で今はライゼンルート、ギルガルドルートの同時進行中。
……うーん、敵を増やさない為にも彼女の動向を知っとかないと、でも彼女とは敵対してるし、彼女の友達っていうとイケメン達だけだし。
……誰か情報を持っている人はいないものか……
「くぉら! 情報局! またお前らか!」
「しつこい! 風紀員!」
……あっ、いた。
「ほわあああ! アルテミア様が私に!? こっ、光栄ですぅ!」
情報局の部員なら生徒の情報を網羅していると思い、彼女の部室に訪れた。
「えぇ、貴方ならここの生徒のゴシップに詳しいと思ってね」
シャルドネ・ルーデンダルク、彼女は確か校内新聞を作っている情報局員だ。
彼女の新聞の内容は結構人にバレるとやばい人の秘密など載っている。
悪役ほどではないが、彼女も出てくると面倒臭いお邪魔キャラ。
ケイルートでライゼンとどっちを選ぶのか!? みたいな記事を書いて皇族達にボコられるんだよな……彼女も。
「シャルドネさん、私が聞くこと他人には絶対言わないでくださいね?」
「はい! 勿論! アルテミア様が私を頼ってくれているんです! そんな貴方様を裏切るようなことは絶対にしません!」
「そんな事したら私が貴方を消しますわ」
私の後ろで目を光らせるアリア。
「うっ、うん。気にしないでシャルドネさん。それよりチェルシー・ベルフェゴールの情報を教えて欲しいの」
「敵を知るって訳ですね! お任せあれ! 彼女のゴシップは沢山ありますよォ! あの皇帝のせいで発表できませんでしたが、ようやく日の目を見ることが出来ましたァ! 少々お待ちくださいね! 資料とか写真とか持ってきますので!」
茶色の長い方をゆらゆらさせて楽しそうに資料を探すシャルドネ。
「アル様、このマスコミ信用していいんですの? 」
その様子を見てアリアは私にヒソヒソとそう言ってきた。
「信用しないで敵になったら厄介でしょ、そうなる前に味方につけるのよ」
「確かにそうですわね! 流石アル様!」
「おまたせしましたぁ! アルテミア様!」
どさっと、机に写真と資料を置くシャルドネ。
さて、どれどれ。
「うっわぁ、何これ」
「酷いものですわね、ライゼンがいるのに、その弟ケイ様にも手を出すなんて。あとこれあの少年では!?」
写真には、ライゼン、ケイ、カムイ、それとギルガルドの姿が映ってた。
まさか、4人目の攻略対象以外全員と接点があるとは……てことはあれか!? 色んなルートがごっちゃになってんのか!?
これも、私が悪役になったから!?
「アル様? どうしたのですか? 汗が酷いようですけど」
「いえ、何でもないわ。それよりシャルドネ、ありがとう、また頼むわね」
「ほわああああ! アルテミア様から信頼されたああああ! 感謝感激雨あられです! アルテミア様、私の事はシャルとお呼び下さいませ! これからも貴方の為に尽力を尽くします!」
私の手を激しく握り、キラキラした目で私を見るシャルドネ。
……うーんなんかデジャブ感。
ちょっと、嬉しいのかムカついてるのか複雑な表情をするアリア見てそう思った。
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