第11話「初めてのありがとう」

「なんか、2組の谷原君が安田さんと付き合ってるのに違う学校の女子の家に入っていったらしよ」

「え〜!また?谷原、女たらしだよね。安田さんかわいそー」

 他人の恋愛事情や彼氏彼女の浮気、色恋沙汰なんてどうでもいいが普通に生活しているだけで雑音のように自動的に耳に入ってくる情報がある。



「ちょっと、康太どういうこと!」

「恭子違うよ。この子はそういう子じゃないんだ」

「もう最低!口も聞きたくない!」

「待ってくれ!恭子ー!」


「あいつらやばいな」

「修羅場って初めて見たわ」

 雑音のように入ってきた情報は学校という狭い世界では時として情報が繋がり、偶然にもことの顛末を迎える瞬間に立ち会うと自分の中で完結することがある。



 昼休み、僕も4人と生活するのがようやく慣れてきて、一緒に昼ごはんを食べるようになったいた。

 そんな時、急に柿原が僕らのとこへやって来た。

「あのさ、みんなに頼みがあるんだけどいい?」

 宮橋がパンを口に運ぶ手を止めて柿原を見た。

「何?頼みって」

「実はさ、1年の時仲良くなった俺の友達で谷原康太ってやつがいるんだけど、今彼女と揉めてるんだよね。谷原ヘコんでて俺と一緒に飯も食ってくれないんだよ。だから、君たちの力を借りたい!」

 柿原はそう言って頭を下げた。友達思いなのは結構だ。

「なんで俺たちなの?お前がやれば良くない?そういうのできそうじゃん」

「だって、このクラスで頼れる学級委員長と副学級委員長もいるしさ、お前らいつも男女で仲良くしてんじゃん。こういう問題得意そうじゃん?それに俺1人でも限界あるし」

「単純だなお前。俺たちは忙しんだよ。他を当たれ」

「いいじゃない。やろうよ。柿原君も困ってるし」

 めんどくさいといった表情を見せる宮橋を明島が説得した。

「さすが舞香ちゃん。大人だなぁ」

「私もそういう男女のドロドロした感じ大好き!」

 成川が楽しみにしているのか横入りしてきてそう言った。

「いや、ドロドロしてるかどうかはわかんないけど…」とさっきまで感情的に頼み込んでいた柿原が冷静に指摘した。成川の発言には柿原も流石にボケないらしい。

「実際、僕ら暇だしやろうよ」と大場がそう言った。

「お前ら結局暇なのかよ!」

「まあやってやるか。樹はどうする?」


「僕もいいよ」

 この流れでやめとくとは言えなかった。面倒なことに巻き込まれたことは理解しているが断れるような雰囲気ではなかったので了承した。


「5人ともあざっす!」


・・・


 放課後になって僕らは動き始めた。


「まず、安田さんから詳しい話を聞かせてもらって状況を教えてもらおうよ」

 6人で宮橋の席を囲み作戦会議を始めて、まずは明島がそう言って柿原から安田さんの情報を聞き出す。

「安田さんは3組だよ。まだ教室にいるかも、俺連れてくるよ」


 しばらくして、柿原が安田さんを連れてきた。5組の教室の入ってきた安田さんを見てみるとなんだか少々やつれているように見える。

 恋愛という人を好く好かないというどうでもいい駆け引きだけでこんなに人は消耗してしまうものなのか。

「初めまして安田です。皆さんに迷惑かけてごめんなさい」

「いいっていいって!まぁ座ってよ!」

 一体、成川はどっち側の人間なのか怪しいが安田さんを快く迎えていた。

「柿原君から話は聞いたよ。安田さん辛かったね…元気出して!きっと谷原君も何か理由があったんだよ!」

 明島は相手への配慮と気を落とさないように僅かながらにもポジティブな可能性を含ませた発言に彼女の聡明さを感じた。

「うん。ありがと…」

 安田さんの押し殺していた感情が少しずつ溢れ出していた。

 正直、1人の異性のためにここまで感情的になれるなんて僕には考えられないことだとは思いながらも、傷心している人を前にして流石に、見て見ぬふりはできないとも思っていた。

「安田さん辛いと思うけど経緯を教えてくれる?」柿原がそう言った

「そうだね」

「私が直接見たわけじゃないんだけど、先週の火曜日の夕方4時ごろだったかな?クラスの子が康太と久里見高校の制服をきた女子高生の家に入っていったって話を聞いたの。家も『大野』って表札に書いてあったらしくてきっと、その女の子の家なんだと思う」

「久里見高校って隣駅の高校だよね?」確認するように明島が言った。

 大場が「そうだった気がする」と自分の記憶をたどるようにして答えていた。

「でも、普通に谷原から事の経緯を聞けば良くないか?」

 宮橋が皆が思った疑問を代弁した。

「康太、一度隠れて浮気してたんです。だから、また嘘つくんじゃないかって思って怖くて…」

「マジかよ」

「ひどい!」

 宮橋と明島が揃ってそう言った。

「これはこれは大変ですな」

 そんな中、何故か成川は少し喜んでいるように見えた。

「だから、今度は私自身で真実を確かめて彼を信用したいです」

「ということで、本人に聞かずに真実を知りたいわけ。しかもアイツに連絡しても全く返ってこないから、相当凹んでるし」と、柿原が内容を整理した。

「もう本人に聞いた方が一番信頼性のある情報じゃないか?」

「本人?谷原は無理だってさっき言っただろ。宮橋」柿原は宮橋の背中を叩いていった。

「いや、女の方だよ」

「高校名と名字がわかってるなら学校の前で張り込みして見つけられるだろ」

 宮橋の気の遠くなるような提案内容に一同唖然としたがそんなことはお構いなしと宮橋は続けた。

「それに、火曜日の4時に目撃情報があったってことは部活をやってないか、火曜日は休みって可能性が高いし時間は絞れるんじゃないか?」

「流石にそれはきついでしょ」

 大場がそう言った後、宮橋の提案内容を指摘した。

「久里見高校の大野さんって情報しかわかんないし、時間は絞れても高校生だから名札して出てくるわけじゃないしもっと情報がないと…」

「安田さん他に情報はないかな?」

 宮橋がすがるようにう安田さんに頼んでいた。

「うーん…」

 しばらく考えた後、安田さんは過去の記憶を掘り返して思い出したように言った。

「あ!たしか目撃した子が言ってたんだけど、学校指定じゃない黒い鞄でクマのキーホルダーがついてたって言ってたかも」

「何それ。超重要な情報じゃん」

「なんか、いかにも浮気相手って感じだな…」

 柿原が男性陣が思っていたことを思わず口にしてしまった。

「……」

 それを聞いた安田さんは無言で涙を流した。

「ちょっと、柿原!」

「いや、ごめんごめん。つい…」

「でも、これで場所、時間、人物の特徴が絞れたから、あとは張り込みだな」

 話の流れからどうやら宮橋の案が可決されていたようだ。

 一同もそれしかないかと言ったような表情だが大場が一番重要だと思われる疑問を口にした。

「でもさ、違う学校の生徒が門の前で集まって大野さんに話しかけたら流石に不審に思われるんじゃないかな?」

「そこなんだよ」

 宮橋はよくぞその疑問にたどり着いてくれたと言わんばかりに指をパチンと鳴らす。

「だから、話しかけても不審に思われないよう話しかけるやつは一人にして他の六人は陰から見て指示を送る必要があるから女子に話しかけても不審に思われないような人物がその役割をやる必要がある」

 宮橋は自信あり気にまるで、この質問を誘導していたようだった。

「じゃあ、女性陣がその役をするってこと?」

「いや、女子にはそんなリスクは背負わせられないから…」

 宮橋は大場のことをニヤリと見た。

「まさか…」

「そのまさかだよ。周」

 その大役を回避する糸口はないかと縋るように大場は選ばれた理由を聞いた。

「でも、なんで僕なの?」

「正直、俺か柿原でもいいかと最初は思ったんだけど俺と柿原の場合、他校からナンパに来たと思われそうじゃん。それに、樹はヒョロメガネだからダメだし。俺が女性だったら周みたいな男子に急に話しかけられたら嬉しいかなって思った」

 多分、誰がやっても他校の生徒から見たらナンパだと思われそうだけど、それも承知の上なのだろう、大場は諦めたように承諾した。

 

・・・

 火曜日になり作戦決行の日になった。

「う〜し、解さ…」

 福原が帰りのHRでそう言いかけた途端、「行くぞ!」と宮橋は1秒でも惜しいと僕らに合図した。

「…ん?なんだあいつら?」


 僕らは駅に向かい倉西駅で安田さんと合流して隣駅の久里見高校のすぐ近くまで来た。

 ちなみに、依頼人の柿原は塾、古川はバイト、明島は弟に勉強を教えると言って帰ったため結局予定が合う4人で実行することになった。

「周、頼んだぞ」

「わかった。なんとかするよ」

 大場は学校近くのバス停でバスを待っているふりをしている。

 僕ら3人は近くの公園からバレないように学校の門を遠くから観察する。安田さんには双眼鏡で門から出てくる生徒一人一人を観察してもらい、ターゲットがいた場合、宮橋が大場にLINEや電話で連絡するという手筈だ。

 すると、張り込みを始めてすぐに安田さんはターゲットらしき人物を見つけた。

「もしかしたらあの子かも…」

「今どこにいる?」

 宮橋は少し焦っている様子だった。

「そろそろ出てくるかも」

「了解した!」

(周、そろそろ出てくるから様子見て声かけろ)

(オッケー)


 ターゲットらしき人物が門から出てきた。

 大場が声をかける。

「すいません。ちょっと人を探してるんですが…」

「はい」

「あの大野さんってご存知ですか?なんか、黒いバッグでクマのキーホルダーを付けてる子らしいんですけど…」


 遠くからで女性の表情はよく見えないが、女性は明らかに驚いたように見えた。僕は考えられることとして瞬時に3択の可能性を思いついた。

①いきなり本人を見つけた。

②急に知らない人に声をかけられた恐怖。

③超がつくほどの美男子に声をかけられた喜び。

のどれかだろう。


 宮橋はたまらず安田さんから双眼鏡を借りて2人が話してる様子を見ていた。

「なんか女の方、目がハートになってないか?もしかして相手は男たらしの可能性が?」

 すると宮橋のスマホからLINEの通知音が鳴る。

「人違いだってよ。流石にあの特徴だけじゃ1人に絞れないかぁ」

 どうやら僕の推測は③が正解だったらしい。

 宮橋は少し考えてから言った。

「ていうか、俺ら人違いする度に周がモテててるとこ見てなきゃいけないのかよ」

「クソ!アイツに任せるんじゃなかった!」

「宮橋君、目的がズレてない?」

 僕が冷静に指摘した。

「確かにそうだな」と言い出しっぺの責任か宮橋は顔を上げた

「うし、続きやるか!」


 しかし、その人違いは5人連続で続いた。

 つまり、大場は計6回惚れられていた。

「俺たちは一体何を見せられてるんだよ!てか、同じ特徴のやつ多いな!」

「結構、ありがちな特徴だったのかもね」

「宮橋君、天野君ごめんなさい」

 安田さんが思わず謝ってきたので宮橋の変わりに僕が回答した。

「大丈夫だよ。まだ学校から出てないはずだから張り込み続けよ」

「もう1人話しかけたら周を呼び戻すか。アイツもそろそろ限界だろ」


 すると、安田さんが双眼鏡を覗きながら言った。

「あ!特徴通りの子がまた来た」

 そう言って宮橋が大場に連絡を取りまた手筈通り、大場がその子に声をかける。

 しばらく話し込んでいる様子だった。

「なんかあいつらこっち来たぞ」

 すると、大場とターゲットの女性がこちらの公園に来た。

「みんな、大野さん連れてきたよ」


「初めまして。大野梨沙です。大場君から話は聞きました。みなさん倉西高校の方ですよね?」

「そうだよ」

 宮橋が代表して返事をした。

「ごめんなさい!私がみなさんを誤解させるようなことをしてしまって」

「え?どういうこと?」

「実は谷原さんを家にあげたのはこれが原因なんです」

 と言って大野さんはカバンのクマのキーホルダーを僕らに見せた。

「これは私が誕生日に彼氏からもらった大切なキーホルダーで谷原さんが拾ってくださったんですが、キーホルダーを拾うときに車が水溜りを跳ねてびしょ濡れになってて…」

「だから、うちで洗濯して乾くまで待ってもらってたんです」

 嘘はついていないような真っ直ぐな目をしていたので本当のことを言っているのだろう。そんな気がした。

「谷原は大野さんに何もしなかったのか?」

 それでも宮橋は本人の口から事実確認を取るために確信に迫る質問をした。

「谷原さんとはそれから何もありませんでした。私にも彼氏がいますし、絶対そういうことはしていません!」

 彼女は自信を持ってキッパリとそう言っていた。

 安田さんもそれを聞いて安心したのだろう胸を撫で下ろした様子だった。

「そうだったのね。本人から話を聞けてよかったわ。なんか康太らしくて安心した」

 大場が安田さんの様子を見て確認した。

「安田さん。もう大丈夫そう?」

「うん。大場君もありがとう。大野さんもごめんね、いきなり知らない人ばっかりのとこに呼び出しちゃって」

「いいえ!とんでもないです。安田さん、彼氏思いなんですね!」

「大野さんもでしょ」

 2人とも照れている様子だった。むしろ、これから友達になるんじゃないかと思えるぐらい仲良くなっているようにも見えた。

 

 彼女らのやりとりを見ていたけど、やっぱり安田さんも大野さんも異性をここまで愛せるという感覚は僕にはよくわからないな。


・・・


 僕らは一件落着したように思っていた。


「僕の話を聞きいてくれない恭子とはもう話さない!」

 しかし、谷原は今までの態度とは一変して今度は逆に安田さんの話を聞かなくなってしまった。


「もうやりきれないな」

 一番体を張った大場が呆れた様子だった。

 宮橋ももうお手上げと言ったよな表情をしている。


 多分、流れから言って今度は僕の番なんだろう。

 今まで人のために尽くしてきたことって翔太との思い出だけだった。

 あの時は親友と呼べる存在のためになんでも捧げることができた。

 僕は別に谷原君と仲良くないし、話したこともない。

 でも、宮橋と出会って2ヶ月しかたっていない時に彼は精一杯僕と向き合った。

 そして、今回も大場や宮橋、成川や明島が誰かのために動いた。


 教室でいつも通り5人で座っている中で今日は珍しく沈黙が続いていたが、その沈黙を珍しく僕が破った。

「僕が行ってくるよ」

 僕の行動が意外だったのだろうか、4人は驚いた様子だった。


 僕は谷原君がいる2組に向かった。

 教室に入り谷原君を探す。

「初めまして谷原君。5組の天野って言います」

「知ってるよ。なんか恭子と色々やってたらしいな」

 喧嘩して以来、安田さんとは話していないらしいが、ある程度の事情は伝わっているようだった。

「その件でちょっと話したいんだけど、ここだと話しづらいから屋上に行かない?」

「まぁいいけど」谷原は無愛想にそう言った。


 2人は屋上に来て柵に寄りかかりながら僕は話し始めた。

「安田さん。本当に谷原君のことが好きなんだね」

「でも、俺の話は一切信用しないんだぜ。こっちにだって言い分はあったのにあいつは何も聞かずに、叫ぶだけ叫んでどっかいきやがって」

きっと谷原は本当は誰かに相談したかったのだろう。初対面の僕でも発言に感情が乗っているのがわかる。

「でも、それは谷原君にも非があると思うけど…」

 谷原は不機嫌そうにそっぽを向いた。

「でも、昨日安田さんが谷原君のために何してたか知ってる?」

「そんなの知るか」

 彼のためにも全て話した方がいい。そう思った僕は一度呼吸を整えた。

「安田さん、大野さんに会いに行ったんだよ。谷原君が浮気して安田さんに嘘ついてからまた嘘つかれるんじゃないか?って。だから、安田さん自身で真実を確かめて谷原君を信用したいって言ってたから会いにいったんだよ。大野さんも安田さんに全て話してくれたから全部知ってる。安田さんはその話を聞いて谷原君らしいってむしろ喜んでたんだよ」

「そりゃ、表ヅラだけだろ」

「いや、大野さんに会う前、安田さんは泣いて僕らに相談しにきてくれたんだよ。谷原君のために」

「谷原君と仲直りしたい。信用したい。だから、僕らに頼んできてくれたし、協力してくれた。ここまで谷原君1人のために尽くしてくれてるんだよ?」

「一方的に何も聞かなければ何も感じないから自分は楽だけど、それは立ち止まったままで、問題を先送りしてるだけなんだよ?」

 谷原に言っているつもりだったけどまるで自分に言い聞かせているようにも感じた。

 谷原はしばらく考え込んで僕に一瞥をくれた後、「しょうがねぇな」と一言言って屋上を出ていった。

 説得できたのだろうか?それとも、逆効果だったか?結果はこれからわかるだろう。

 

 彼が去った後、僕は1人屋上で空を見上げ考え込んでいた。

 初対面で自分から話しかけてこんなに話したのは初めてかもしれない。

 僕は彼のための言葉がかけられたのだろうか?

 でも、僕が本当に思ったことは話せた。


 一つ息を吐いて快晴の空を見上げる。

 なんだか最近初めてのことだらけだな。


・・・

 後日、安田さんと谷原の2人が僕らのところへやってきた。

「みんなありがとう!」

 安田さんは初めて会った時とは顔色がまるで違っていた。

 どうやら2人とも仲直りできたのだろう。

「いいっていいて!また相談しなよ!」

 成川は全て自分で解決したかのように満足気に言った。

「お前何もしてなくね?」

 宮橋はそうツッコんでみんなで笑った。

 すると、谷原が僕のところにやってきて小さな声で言った。

「恭子がそこまでやってるなんて知らなかったんだ。俺もこれから気をつけるわ…まぁ、なんていうか…」

「ありがとな」

 谷原は僕にボソッとそう言った。


 「ありがとう」という言葉を久しぶりに聞いた気がした。

 最後に聞いたのも小学生の時、翔太が亡くなるちょっと前だっただろうか。

 目の前で人が変わっていく姿を見ていると自分が変わらなければいけない時って誰かに助けられてようやく気づくのかもしれない。ふとそんなことを思っていた。


 彼らが教室を去った後、宮橋は言った。

「ああいうどうしようもない男でも好きになってくれる奴がいるんだな」


 朝のHRの時間になりチャイムがなり、しばらくして福原が教室に入ってきた。

「HRはじめるぞー」

 いつも通り、間の伸びた声だたったが、なぜかニヤついている。

 そして、大場の方を見て言った。

「大場。先生見ちゃったぞ。俺も若い頃よくやったなぁ」

 そして、福原は視線を上げて自分の若い頃の空想に耽り始めた。

 大場は色白の顔を真っ赤にして宮橋を睨んだ。 

「良太」

「いやぁ、わりぃわりぃ。今度、昼飯奢るから許してよ」

 果たしてその約束は果たされるのだろうか?


・・・


「なんか、谷原と安田の喧嘩、宮橋たちが解決したらしいぞ」

「確かに、学級委員長と副学級委員長もいるし頼り甲斐のある人たちだもんね」


 僕らの行動は少しだが学年で噂が広まっていた。

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