四天王してんのう一人ひとりドロシーとの対決たいけつ勝利しょうりしたいもむし。そんなかれ意外いがい正体しょうたいることとなりおどろいたアリスたちだったが、いままでどおり「いもむし」としてれる。

彼女達かのじょたちやさしさにかれこころからのおれい言葉ことばべた。そしていまアリスたち庭園ていえんけてエントランスへとあしれる。

「……おおきなエントランスね」

女王様じょうおうさまはおそらく玉座ぎょくざにいるとおもいます」

「そこを目指めざしてすすめばいいんだね」

はいってきたエントランスのひろさに左右さゆうかおっておどろくアリス。そこにぼうし仮説かせつとなえると時計とけいうさぎがこたえた。

「だがこれだけひろいとどちらにけばいいのかからないな」

「ぼくにまかせて。この王宮おうきゅうのどこかにいる女王様じょうおうさま探索たんさくする魔法まほう使つかってみるよ」

チェシャネコの言葉ことばにいもむしがそう提案ていあんする。

「ふむふむ。どうやらこのエントランスをっすぐけたさきに階段かいだんがあるみたいだ。そこをのぼってどんどんうえかいすすんでいけばいいみたいだよ」

「いもむしさんがとう。それじゃあきましょう」

いもむしが空間くうかん見詰みつめて一人ひとり納得なっとくするとそう説明せつめいした。その言葉ことばにアリスはれいべるとおしえられたとおりにすすはじめる。

二階にかいへとがると大広間おおひろまへとつづとびらひらかれていてまるで「こっちにこい」とわれているようだった。

とびらひらかれてるってことはこのなかはいれってこと? ずいぶんと挑発的ちょうはつてきだね」

四天王してんのうちかまえているかもしれないからけて」

時計とけいうさぎがけわしい表情ひょうじょうをしてうと、いもむしも注意ちゅういうながす。

アリスたち警戒けいかいしながらとびらをくぐり大広間おおひろまへとはいった。

っていたわよ。今度こんどこそあんたたちなかいてあげるわ」

「あれがやみアリス……本当ほんとうわたしにそっくりだわ」

大広間おおひろまおく上座かみざにたたずむやみアリスがにやりとわらう。その姿すがたにアリスはをぱちぱちさせておどろいた。

「ワタシはアリス・グリムリア・クローン……あんたたちなかくためだけにされた魔法生命体まほうせいめいたいよ。さきにアリスをたおしたいけど、でもアリスは最後さいごのおたのしみにとっておいてあげるわ。さあ、だれから相手あいてになってくれるのかしら」

「……おれく」

「チェシャネコさん?」

いやなみをかべてやみアリスの言葉ことばにすっとまえてチェシャネコがこたえる。

いつもと雰囲気ふんいきちがかれ様子ようすにアリスが不思議ふしぎそうにこえをかけた。

「あいつはおれおなじだ。だからおれめる。アリス心配しんぱいするな、おれかならつ」

「……うん、勿論もちろんチェシャネコさんのことしんじてるわ。でも無理むりはしないでね」

淡々たんたんとした口調くちょうかたると安心あんしんさせるようにふわりとわらう。その笑顔えがおてアリスも微笑ほほえこたえた。

大丈夫だいじょうぶだ。ここでっていてくれ」

「うん」

チェシャネコがそれだけうとアリスのもとはなれる。

彼女かのじょはその背中せなか見守みまもちいさくうなづくとぎゅっと両手りょうてにぎりしめた。

「チェシャネコさんが相手あいてしてくれるのね」

っておくがおれ洗脳せんのうはきかない。そしておれ手加減てかげんができない。くならいまのうちだぞ」

やみアリスのもとへとやってきたかれへと彼女かのじょこえをかける。チェシャネコは淡々たんたんとした口調くちょうくずさずにそうった。

「ふふ、すごい自信じしんね。でもワタシも手加減てかげんはできないわよ。アリスを裏切うらぎってワタシとまない? おなやみからされたもの同士仲良どうしなかよくしましょうよ」

言葉遊ことばあそびにはない。おれがアリスを裏切うらぎることは絶対ぜったいにない。おまえおれおなやみからまれたが決定的けっていてきちがうものがある。それをいまからおまえおしえてやる」

けんかまえながらやみアリスが不敵ふてきわらはなす。チェシャネコもおおガマをかまえながらった。

「それは残念ざんねん。ならこれ以上いじょうはないは不要ふよう。さっさとはじめましょうか!」

「……」

ふっと溜息ためいきしたやみアリスはつぎ瞬間狂喜しゅんかんきょうきみをかべてりかかってる。

チェシャネコはかってくる相手あいて冷静れいせいとらがまえた。

金属同士きんぞくどうしがぶつかる高音こうおんひびくとはなれているはずのアリスたちもとにまで緊張きんちょうつたわってくる。

「す、すごい迫力はくりょく

「ネコさんはつよいとおもっていたけど、ここまですごいたたかいははじめてるねぇ」

つたわってるピリピリとした空気くうきにアリスはあせながつぶやく。いもむしもえているものがしんじられない様子ようすった。

こころなしか表情ひょうじょうもいつもとちがうみたいにえますね」

ぼくなんだかいまのチェシャネコはこわかんじるよ……」

ぼうしつめたいものをかんじながらはなすと、時計とけいうさぎがからだ小刻こきざみにふるわせながらつぶやく。

「ネコさん。まだなにかくしてるでしょ? 本気ほんきたらどうかしら」

おれ本気ほんきすことはない。だが、かせはずす」

ものすごいいきおいで剣戟けんげきやみアリスの攻撃こうげきすべはじきながらかれこたえた。

「おまえ俺達おれたちをアリスからはなすためだけにされた魔法生命体まほうせいめいたいだとったな。そのためにおまえはアリスの姿すがたをしている」

「ええ、ったわ。それ以外いがいにワタシの存在価値そんざいかちなんてないもの。だからゲンムはワタシをただの道具どうぐとしかない。それは女王じょうおうだっておなじ」

「だから俺達おれたちあいされ信頼しんらいされるアリスがにくかったのか?」

武器ぶきまじえながら余裕よゆうはな二人ふたりやみアリスの何度目なんどめかの攻撃こうげきめると相手あいてひとみ見詰みつめてチェシャネコはくちひらいた。

「ワタシはアリスの姿すがたをまねてされた。本来ほんらい姿すがたなんかからないけど、でもおな姿すがたをしていてもアリスはみんなあいされて、ワタシはみんなからきらわれている。それがゆるせないのよ!」

「……」

やみアリスははなつと彼目掛かれめがけてけんす。それをはじかえすとちからちがいにより相手あいてから武器ぶきはなゆかころがり甲高かんだかおとひびかせまる。

「……っう!?」

ったはずだ。おまえおれおなやみだと。だからおまえ気持きもちがるようにわかる。そのどこにもぶつけられないいかりとかなしみ。そして孤独こどくをな」

しびれるうでさえうごきをめたやみアリスへとけておおガマをろしたチェシャネコがそうった。

「……ネコさんは、すべてがいやにならなかったの。ただの道具どうぐとしてだけしかされなかったことにたいして。「人間にんげん」にたいしてのにくしみをまったいだかなかったってうの?」

「…………」

彼女かのじょ言葉ことばにチェシャネコはだまむ。

「ねえ、チェシャネコさん。さっきからなんはなしをしているの?」

いまはなしくかぎりですとまるでチェシャネコが人間にんげんではないみたいにこえるのですが」

はなしがまっためないアリスは不思議ふしぎそうなかおく。ぼうし怪訝けげんそうにたずねるようにう。

おれはるむかしにまだつのくにたたか時代じだい相手あいてくにたたかうためだけにされた魔法生命体まほうせいめいたい。いわば兵器へいきだ」

「えっ」

相変あいかわわらず感情かんじょうのこもらない淡々たんたんとした口調くちょう自分じぶん過去かこかたはじめたチェシャネコの言葉ことば時計とけいうさぎがおどろいて見開みひらく。

何千年なんぜんねんもの間俺あいだおれひときずつけるためだけにくに使つかわれつづけた。兵器へいき感情かんじょうなど不要ふよう。だから残酷ざんこくたたかいも平気へいきでできた。そしてながつづいたたたかいがわると俺達おれたち不要ふようになり、その脅威きょういおそ次々つぎつぎ破棄はきされた」

「そんな……」

チェシャネコの言葉ことばにアリスはひどすぎるといったかんじで両手りょうてをきつくむすんだ。

おれはとくにつよかった。だから何度なんどねらわれそのたび相手あいてきずつけてきた。そうして生死せいしけるたたかいをつづけてさらに月日つきひなが俺達おれたち存在そんざいわすられたころおれまよいのもり生活せいかつするようになった。そしてアリスと出会であった。おれはアリスからいろんなことをおそわった。感情かんじょうなどっていなかったおれあたたかくやさしいこころおしえてくれた。だからおれだれかとたたかうということに躊躇ためらいとかなしみをった。おれいままでどれだけおおくのひと不幸ふこうにしてきたのか、かなしませてきたのか、にくおもいをいだかせてきたのかと。だから人間にんげん俺達おれたちおそにく破棄はきしたいとおもっても仕方しかたないことだったのだと理解りかいした」

「チェシャネコさん……」

淡々たんたんとした口調くちょうかたられるかなしいチェシャネコの過去かこにアリスはむねくるしくなりやりのないおもいをいだいた。

「だからおれ俺自身おれじしんばつあたえるために本気ほんきたたかわないというかせをつけた。これはいのちあるかぎり一生消いっしょうけさないかせだ。……だが、おれはアリスたちからおそわったあたたかくやさしい気持きもちを。アリスたちすごごしてしあわせを。おおまにそれをおしえてあげたかった。だから一時的いちじてきかせはずした」

「……ネコさんはしあわせなのね。でもワタシはネコさんとはちがうの。ワタシのきる意味いみなんかない。存在価値そんざいかちなんかどこにもないのよ」

「そんなことないわ。貴女あなただってきている。そしてちゃんと感情かんじょうっている。だからわたしことにくんだんでしょ。なら、ちゃんと理解りかいえるこころだってっているわ」

かたえたチェシャネコへとやみアリスがかなしげな眼差まなざしでつぶやく。それにアリスが否定ひていこえをあげる。

女王様達じょうおうさまたち貴女あなたこと道具どうぐとしてしかてないんなら、わたしがそれはちがうってってあげる。わたし貴女あなたともお友達ともだちになりたいの。

だっておなかおをしてるんですもの。他人たにんとはおもえないわ。そうね、まるで姉妹しまいようわたしおもうのよ。だから……」

「あなたって本当ほんとうにお人好ひとよししでおバカね。でも……きらいじゃないわ。は~あ。ワタシのけね。女王様じょうおうさま玉座ぎょくざにいるわ。でもけることね。玉座ぎょくざまえには四天王してんのうおさ魔女まじょばれるゲンムがいるから」

やわらかく微笑ほほえはなすアリスの言葉ことばさえぎるとやみアリスがそうって情報じょうほうおしえてくれた。

かった。けるわ。がとう」

べつ貴女あなたのためじゃないわ。ネコさんの誠意せいいこたえただけよ」

れい彼女かのじょへとやみアリスはそっぽをいてくさそうにこたえる。

やみアリスがけてくれたとびらとおってアリスたち最上階さいじょうかいにある玉座ぎょくざへとかってあしすすめた。

「まさかワタシがアリスにほだされるなんてね。……ぼうしさんがアリスに味方みかたするのもうなづけるわ。だってあのとってもわってるんだもの」

アリスたちがいなくなったあとやみアリスがそうつぶやきをこぼしてちいさくわらったことをものだれもいない。


 階段かいだんをかけ玉座ぎょくざまでつづみちはしっていくと豪華ごうかとびらえてきた。

とびらおく女王様じょうおうさま反応はんのうがあるよ」

「それじゃあこのとびらけてなかはいればいいのね」

いもむしの探査魔法たんさまほうによりとびらおくからつよ反応はんのうがあったようでそうこえをあげる。その言葉ことばにアリスはうなづとびらをかけはなった。

玉座ぎょくざつづ回廊かいろうさき薄暗うすぐらなにかがひそんでいてもおかしくないそんな雰囲気ふんいきただよっている。

「おちください。だれかいますよ」

しばらく回廊かいろうすすんでいるとぼうしするどこえをあげた。

「まったくドロシーとやみアリスは一体何いったいなにやってるんだか。こんな奴等やつらつかまえるのにわれみずからおもむかないといけないなんて」

「あれが魔女まじょ?」

稲妻いなずまはしったかとおもうとそこに姿すがたあらわした女性じょせいはきつい眼差まなざしと強気つよき態度たいどでそういはなつ。

相手あいて姿すがたとらえた時計とけいうさぎがつぶやきをこぼすと警戒けいかいがまえる。

「でもあのドロシーとわれがしたやみアリスがそう簡単かんたんにやられるはずはないわよね。……わかったわ。あんたたちなに卑怯ひきょうでも使つかったんでしょ!」

「え?」

かんがぶかげに女性じょせいうとアリスたちにらけそうった。その言葉ことばにアリスはおどろしばたく。

ちがうわ、私達わたしたちはちゃんと勝負しょうぶして――」

「われの忠実ちゅうじつ部下ぶかやみアリスをたぶらかすなんてゆるさないわ。あんたたちここで成敗せいばいしてやるから覚悟かくごしなさい」

アリスが事実じじつつたえようとくちひらくがそれをさえぎ女性じょせいわめくようにう。

「なにやら勘違かんちがいされてるみたいだな」

「どうやら勘違かんちがでわがままな性格せいかくのようですね」

チェシャネコがめんどくさそうにつぶやくとぼうしこまったかおった。

「われは四天王してんのうおさゲンム。スペードの国一美くにいちうつくしくてかしこ魔女まじょとはわれのことよ。あんたたちなんかわれの実力じつりょくをもってすれば簡単かんたんにこらしめれちゃうんだから。そして……ダイヤのくに王様おうさまにわれのことみとめてもらうのよ」

「ダイヤのくに王様おうさまったことあるの?」

魔女まじょ言葉ことばにアリスはおどろいてたずねる。

「あれは六年前ろくねんまえのこと。いずみのほとりで運命うんめい出会であいをしたの」

自分じぶん世界せかいはいんでしまったようだねぇ」

うっとりとしたかおかたはじめた魔女まじょ様子ようすにいもむしが苦笑くしょうこぼす。

「われが魔法まほう練習れんしゅうをしていてころ怪我けがをしたとき、ダイヤの王様おうさまあらわれ『あなたのようにうつくしいひと怪我けがはにあわない』とってやさしくわれを気遣きづかい、怪我けがをしたっていたハンカチで手当てあてしてくれたの。そのときわれはダイヤのおうこいをした。でもハートのくに女王じょうおうがその後婚約者ごこんやくしゃとなったっていて、きっとあのおやさしいダイヤの王様おうさまをたぶらかしたんだわ!」

「それってかなりねつぞうしてない?」

うっとりとしたかおかたっていた魔女まじょだったがハートの女王じょうおうことおもいかりにふるわした。時計とけいうさぎが半眼はんがんになりつぶやく。

真相しんそうはどうかはかりませんが、それが原因げんいん女王様じょうおうさまたましいゆめ世界せかいめたのでしょうか」

女王様じょうおうさまもあいつのことがわなかったみたいだから、われに命令めいれいくだしたの。そしてわれはハートの女王じょうおうたましいゆめ世界せかいめてやったわ。そしてダイヤの王様おうさまをわれにかせてやるんだから」

ぼうしった言葉ことば魔女まじょがそうって不敵ふてきわらう。

「かなり自己満足じこまんぞくなわがままなおこないのようにおもえるんだけれど」

「なんですって?! われのこと侮辱ぶじょくするなんてゆるせない。あたまにきた。手加減てかげんはしないから覚悟かくごなさい」

アリスの言葉ことば魔女まじょ逆上ぎゃくじょうして怒鳴どなる。

「アリスがって。ぼくがこいつをめる。勝手かってことばっかって、女王様じょうおうさまたましいゆめ世界せかいめた張本人ちょうほんにんゆるせないよ。だからぼくにやらせて」

「うさぎさん……わかったわ。でもけてね」

アリスをかばうようにまえへとすす時計とけいうさぎがハンマーをかまえながらう。その言葉ことば彼女かのじょ心配しんぱいそうにかれながらうしろへとがった。

「ふん。おまえのようなお子様こさまがわれにてるとでも? まあいいわ。相手あいてにしてあげる」

「むっ! ぼくはお子様こさまじゃない。ハートの女王じょうおうつかえる四天王してんのう一人ひとり、リオ・クロック・スクロースだ」

はなわら魔女まじょへとむすっとしたかお時計とけいうさぎが怒鳴どなる。

「おほほほっ。お子様扱こさまあついされておこるなんてやっぱりお子様こさまじゃないの」

ったな~。もうおこったよ。手加減てかげんなんかしてやんないから覚悟かくごしてよね」

余裕よゆう態度たいど高笑たかわらいする魔女まじょへとかれいかりをあらわにしハンマーをかまえてっこむ。

「ふん。われの魔法まほうでけちらしてやる」

「はぁっ」

彼女かのじょうとうで魔法まほうはな準備じゅんびをする。そこにんできた時計とけいうさぎがハンマーをろした。

「われにやいばけた事後悔ことこうかいするがよい。らえ」

「うさぎさん!?」

瞬間移動しゅんかんいどうでその攻撃こうげきけた魔女まじょすきだらけの時計とけいうさぎへとけてやみかたまりはなつ。

その様子ようすにアリスが悲痛ひつうこえをあげた。

やみかたまりりそそぎあたりはけむりがる。げたかのようなあとのこった場所ばしょには時計とけいうさぎの姿すがたはなかった。

「おっほっほっほっ! われにかかればこれくらいどうってこともないものよ」

「うさぎさん!」

「そんな……うさぎさんが」

ほこったかお高笑たかわらいする魔女まじょこえきながら、悲痛ひつうこえさけぶとアリスはなみだながす。

いもむしも呆然ぼうぜんとしたかおちつくしまえ光景こうけいれられない様子ようす見詰みつめる。

跡形あとかたもないなんて」

「……っ」

ぼうししんじがたい光景こうけい見張みはり、チェシャネコはくちびるおおガマをにぎりしめた。

「ちょっと、ひと勝手かってころさないでよね」

いますぐにでもしてりかからんいきおいだったチェシャネコだったが、こえてきたこえうごきをめる。

なに?」

おしえてあげるよ。僕達ぼくたちスクロース一族いちぞく時間じかんながれをえることもできる。だからあんたのわざらうまえ時間じかんながれをおそくしてそれをけた。そしてそのあいだぼくはあんたの背後はいごへとまわんだってわけさ」

こえこえてきた方角ほうがく魔女まじょっている場所ばしょのすぐそば。それにおどろかえ相手あいて顔目かおめがけてハンマーがけられる。

それにおどろうごきをめた魔女まじょへと時計とけいうさぎがほこらしげなかおをしてはなった。

「アリスかせちゃってごめんね。きみ心配しんぱいかけさせるつもりじゃなかったんだけど、でも結果的けっかてきかせてしまって本当ほんとうにごめんね」

「うさぎさん……無事ぶじでよかった」

こまったかおあやま時計とけいうさぎの姿すがたにアリスは安堵あんど溜息ためいきこぼすと微笑ほほえむ。

「いもむしやチェシャネコばかりにいいところはせられないからね。ぼくだってやるときはやるよ」

「くっ。おぼえてなさい!」

げられてしまいます。いかけましょう」

ほこらしげにかたった時計とけいうさぎにめられた魔女まじょくろけむりをまとい瞬間移動しゅんかんいどうでこのからす。

その様子ようすにぼうしうとアリスたち回廊かいろうはし玉座ぎょくざへとかっていった。

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