ダイヤのくに国境こっきょうえたアリスたちはクローバーのくに領域りょういきへとはいり、王国おうこく目指めざしてたびつづける。

「このやまえればふもと宿場町しゅくばまちがあるみたいだよ」

「しばらくは山登やまのぼりだね~。ぼくもう獣道けものみちてるだけでつかれたよ」

地図ちずにらめっこしながら時計とけいうさぎがうと、いもむしがひたいにじあせぬぐいながらつぶやく。

村人達むらびとたち好意こうい沢山たくさん食料しょくりょうみずもらえたからなんとかこええられそうだな」

「そうですね。まあ、これだけあれば問題もんだいなくやまえることができそうですね」

チェシャネコがリュックサックにめるだけんだ携帯食けいたいしょくみずやりはなす。

それにぼうし同意どういすると山越やまご出来できることをつたえる。

「そういえば、いもむしさんはクローバーのくに出身しゅっしんよね。この山道やまみちえてくるの大変たいへんだったんじゃない?」

「ダイヤのくにまで商人しょうにん馬車ばしゃせてもらってきたから、らく山越やまごえしたんだよ。だからいまはちょっと気持きもちがブルーだよ」

アリスの言葉ことばかれこたえるとキセルを元気げんきなくかす。いもむしのげんなりした気持きもちをあらわようにいつもよりもちいさなけむりがぽっぽっぽっとる。

「そうわれればオレもあしおもくなってきましたね。つかててうごけなくなるまえにおちゃでもんで休憩きゅうけいしましょう」

「そうだね。アリスもあるめでつかれたでしょ? ちょっと休憩きゅうけいしておひるごはんべようよ」

「そうね。休憩きゅうけいにしましょう」

ぼうしうと時計とけいうさぎもアリスを気遣きづかう。それに彼女かのじょうなづくと荷物にもつろし昼食ちゅうしょくべることにした。

やまなか空気くうき美味おいしいし、はないていて、絶好ぜっこうのお茶会日ちゃかびよりですね」

「ほら、パンけたよ。あとはにくはさんで味付あじつけすれば完成かんせいさ。それに乾燥かんそう野菜やさいのスープももうじきできるよ」

「これ。そこのになっていたキイチゴだ。デザートでべよう」

ちゃそそぎながらぼうしはなすと調理ちょうりしていた時計とけいうさぎがそうってスープの味見あじみをする。

どこかへっていたチェシャネコが籠一杯かごいっぱいにキイチゴをんでもどってきた。

「まあ、美味おいしそう」

「では美味おいしい昼食ちゅうしょく乾杯かんぱいを」

キイチゴをたアリスが微笑ほほえうと、紅茶こうちゃはいったカップをみんなくばえたぼうしがそうってティーカップをかかげる。

「くんくん。う~ん。いいにおい。はやべたいなぁ~」

「もう、いままでお昼寝ひるねしていたくせに。今日きょう当番とうばん本当ほんとうはいもむしだったのにな……」

おいしそうなにおいにましたいもむしがはなをひくひくさせながらがった。

そんなかれへと時計とけいうさぎが不機嫌ふきげんまゆ愚痴ぐちる。

「うさぎさんごめんよ。でもつかれてねむくなっちゃってね……ふああ~」

「ほら、せめてうつわ用意よういして。からだうごかせばちょっとはめるでしょ」

「はい、はい。うごきますよ。もう、そんなにらまないで~」

ゆっくりとした口調くちょうこたえるいもむしへと、かれのマイペースさにいかりをとおりこしあきれかえりながら、時計とpけいうさぎがおさら手渡てわたす。

ちょっとこわかおにらんでくるかれへといもむしがうとあわてておさらみんなまえへとくばはじめる。

「ごはんべたらお昼寝ひるねしようよ」

「いもむしお昼寝ひるねしてる時間じかんはない。すこしでもはや山越やまごえしないと」

「そうですよ。このしろやまよるになるとゆきるそうです。なるべくはや山越やまごえしないとこごんでしまいますよ」

パンをかじりながらいもむしがうとチェシャネコがあきれてはなす。ぼうし村人達むらびとたちからいた情報じょうほうくちしてつたえた。

このしろやま木々きぎ本当ほんとう純白じゅんぱくできらきらとかがやいており、それはこおりでできているからだとわれている。そんなしろ木々きぎ酸素さんそとともにゆきらせるという生命体せいめいたいなのだ。

一応いちおう雪対策ゆきたいさく防寒着ぼうかんぎとかいそろえておいたが、長期間ちょうきかんにおよぶと体力たいりょく消耗しょうもうして低体温ていたいおんになりうごけなくなりかねない」

「そうなるまえはややまえなきゃ……あれ? なんだかきゅうそらくらくなってきた」

本当ほんとうなんだかゆきでもりそうなかんじね」

「これはいけない。吹雪ふぶきになるよ。はやくごはんえてどこか安全あんぜん場所ばしょさがさなきゃ!」

チェシャネコの言葉ことば同意どういした時計とけいうさぎが、ふとそらくらくなったことを不思議ふしぎおもつぶやく。

アリスもそらをあおぎおもんだそらゆきでもるのかとこえをあげた。

そのときいもむしがするどこえをあげる。

みんなあわてて食事しょくじをすませ防寒着ぼうかんぎ着替きがえると山越やまごえを再開さいかいする。

「でもなんきゅう雲行くもゆきがわったの?」

「そうですね。村人達むらびとたちはなしでもよるしからないといていましたが……」

速足はやあしさきすすみどこか安全あんぜん場所ばしょはないかとさがす。

そんななか時計とけいうさぎがどうして天気てんききゅうわったのかとたずねる。それにぼうし不思議ふしぎそうにくびかしげた。

かすかだけど魔力まりょくかんじる。これ、ただの吹雪ふぶきじゃないよ」

だれかが意図的いとてきらせてるってことか?」

「そうなるわね」

いもむしが意識いしき集中しゅうちゅうさせてそらにらむとそうげる。

チェシャネコがたずねるようにった言葉ことばにアリスも同意どういしてうなづいた。

「どんどんつよくなってる……」

まええないわ……きぁ」

吹雪ふぶき本格的ほんかくてきになるとまええなくなりつめたくてついたゆき顔面がんめん直撃ちょくげきしてくる。

その様子ようす時計とけいうさぎがこえをあげた。アリスもそうつぶやいたときあしをとられてすべる。

「アリス。おれにつかまれ」

みんな。はぐれないようにけてねぇ」

あわててチェシャネコがをとりささえた。いもむしもゆきまええないなかそばにいるであろうみんなへとこえをかける。

「そうね。ぼうしさんも大丈夫だいじょうぶ?」

「ぼうし?」

「いないようだ」

アリスが同意どういしてうなづくとさきほどからこえこえないぼうしかって安否あんぴ確認かくにんした。しかし返事へんじがない。

不思議ふしぎおも時計とけいうさぎがこえをかけると、いチェシャネコがまわりを見回みまわしそうこたえた。

おくれてしまったのかしら?」

「ねえ、いもむし。いったんもどったほういかな?」

「いもむしもいない」

アリスの言葉ことば時計とけいうさぎがそうっていもむしにたずねる。

しかしかれからの返事へんじがなくチェシャネコがさきほどまでいもむしがいたところをるといなくなっていることをつたえた。

「え、さっきまでそこにいたじゃない」

「アリス。なんだかへんだよ。そばにいたのにいなくなるなんて――っ」

「うさぎさん?」

怪訝けげんそうにアリスがうと時計とけいうさぎがそうくちひらはなす。しかしそのこえ途中とちゅうえた。

彼女かのじょおどろかれがいた場所ばしょる。

しかし吹雪ふぶきおおわれた視界しかいではなにえなかった。

「うさぎもえた。アリスこの吹雪ふぶき。いもむしがったようにただの吹雪ふぶきじゃない。けろ……」

「っ!? チェシャネコさん」

チェシャネコが警戒けいかいするようにびかけるとつながれていたぬくもりがえる。

おどろきすぐとなりにいるはずのかれ姿すがたさがすもチェシャネコはいなかった。

一体いったい、どうなってるの? きゃあ」

一人ひとりになってしまったアリスがそうつぶやいたとき、よりいっそう吹雪ふぶきはげしくなりアリスはバランスをくずしそのすわむ。

「もしかして、山賊達さんぞくたちやとったひと仕業しわざなの?」

彼女かのじょはふとかしら言葉ことばおもす。自分達じぶんたちことねらっているものがいる。だとしたらその何者なにものかがこの吹雪ふぶきこしてアリスたちをバラバラにいたのではないか? そうおもうとぞっとした。

「っ。はやみんなさがさないと」

アリスはがり吹雪ふぶきなにえない前方ぜんぽう見据みすあるす。

はやみんな合流ごうりゅうしなければといや予感よかんてられるようにあしはやめた。


 一方いっぽうアリスからはなされてしまったいもむしも仲間達なかまたちさが一人ひとりしろやまなか彷徨さまよっていた。

「う~ん。こまったな。ここどこだろう……とにかくはやくアリスさんたち合流ごうりゅうしなくては」

かれひとごとつぶやくとキセルでまえのつるくさきちぎりながら獣道けものみちすすむ。

「おや、あそこになにか……」

獣道けものみちさきなにやらしろいものをつける。

「これはアリスさんのカチュウシャ。なんでこんなところに……」

えだっかかっていたのはアリスがあたまにつけているリボンカチュウシャで、それがなぜこんなところにあるのかとくびをひねる。

「まさか、アリスさんたちなにか!?」

いや予想よそうをしてしまったかれあわててまわりを調しらべる。

「とくにわったことはなさそうだね。となるとアリスさんがとしてしまったのかな」

まわりを調しらべたいもむしだったがとくにわった様子ようすはなく、いったんきをもどすとカチュウシャをさきへとすすむ。

「おや、こんなところに洞窟どうくつが?」

しばらくあるいているとちいさな洞窟どうくつつける。

なかはいれるようだけど……」

「いもむしさ~ん」

「アリスさんのこえ?」

なかのぞんでいたかれみみにアリスのこえこえてきた。

それにみちびかれるようにいもむしは洞窟どうくつなかへとはいっていく。

「アリスさん、どこにいるの~」

洞窟どうくつなかへとはいったかれおおきなこえ彼女かのじょぶ。しかしこえかえってこなかった。

おくほうからこえた。ってことはこのおくすすんでいけばえるかも」

いもむしはそうひとごとつぶやくとなかへとはいっていく。

「アリスさ~ん。うさぎさ~ん、ネコさ~ん、ぼうしさ~ん。どこにいるの?」

必死ひっしびかけつづけながら洞窟どうくつおくおくへとすすむ。どれくらいすすんだのだろうかもうぐち完全かんぜんえなくなったところでかれ一旦いったんまった。

「う~ん。くらくてまええない。これ以上いじょうすすむのは危険きけんだな……」

「いもむしさーん」

入口いりぐちからんでいたわずかなひかり途絶とだえ、暗闇くらやみつつまれてしまった洞窟内どうくつないでいもむしはつぶやく。

すると前方ぜんぽうからふたたびアリスのこえこえてきた。

「アリスさん。ぼくはここにいるよ~」

気付きづいてもらおうとおおきなこえをあげたときまえくらがりからなにかうごめくものが近寄ちかよってる。

「いもむしさん。みんなさがしていたんですよ」

「アリスさん無事ぶじでよかった! ぼくもそばにいたんだけど、いたら一人ひとりだけになってて……みんな大丈夫だいじょうぶなの?」

「すごい吹雪ふぶきだったのでみんなでこの洞窟どうくつ避難ひなんしていたんです」

笑顔えがおってきたアリスへといもむしは再会さいかいよろこびながら説明せつめいする。

かれ言葉ことば彼女かのじょ笑顔えがおこたえるとランタンのひかりみちらしす。

おくみんなってます。きましょう」

「ねえ、でもなんでアリスさん一人ひとりでここにたの?」

「それは……とくに危険きけんがないからよ」

アリスの言葉ことば時計とけいうさぎたち一緒いっしょ行動こうどうしていない彼女かのじょ様子ようす不思議ふしぎおもたずねる。

アリスがそれにこたえるとランタンのひかりらしされたみちあるはじめた。

「……」

いもむしはおかしいとおもったがとくになにわず彼女かのじょあとへとつづいてあるく。

しばらくあるいていくとおおきくひらけた場所ばしょまでやってきた。

「それで、みんなはどこに?」

「おかしいわね? ここでってるようにってっておいたのに……」

周囲しゅうい見回みまわすもだれ姿すがたもないことにいもむしはたずねる。

アリスも不思議ふしぎそうにくびかしげた。

みんななにかあったのかも、はやさがそうよ」

「そうね」

あわてるかれ言葉ことばにアリスはいたっていた様子ようすうなづく。

「このおくにもみちつづいていたわ。みんなはそっちにれていかれたのかも」

「でもアリスさん。もしみんななにこったとしても、うさぎさんたちつよい。そんな簡単かんたんれてかれるようなことはないとおもうけど?」

アリスがうとランタンでおくつづみちらしす。それにふとっかかりをおぼえたいもむしはそうたずねた。

「いくらみんなつよくても、相手あいて魔法まほう使つかえたとしたら? だってここはクローバーのくによ。魔法まほうねむらせられてしまえば抵抗ていこうなんかできやしないわ」

「それはたしかにそうかもしれないけど……でも魔力まりょくなんかかんじなかったよ。ねえ、それよりアリスさん。みんな安否あんぴからないって状態じょうたいときにさ、きみってそんなに冷静れいせいでいられるようなだったっけ?」

彼女かのじょ言葉ことばにいもむしはアリスへとたずねた。

「いもむしさん? どうしたの。そんなこわかおをして……みんなことはもちろん心配しんぱいよ。でもだからとって冷静れいせいいてしまってはだめだとおもうの」

「……ねえ、アリスさん。さっきここにまえにこれをつけたんだ。きみかえすね」

彼女かのじょ言葉ことばかれうとカチュウシャをす。

「あら、きっとここに途中とちゅうとしてしまったんだわ。いもむしさんがとう」

「……はぁ~。こんな簡単かんたんじゅつにはまってしまうなんて、ぼくもまだまだだねぇ」

「え?」

それをうれしそうに微笑ほほえれいべるアリスへと、いもむしは盛大せいだい溜息ためいきしてほほをかく。

それにおおきくけて不思議ふしぎそうに彼女かのじょくびかしげた。

「ぼくのっているアリスさんはね、たとえどんな状況じょうきょうだったとしても、うさぎさんたちこと優先ゆうせんしてかんがえるひとだよ。きみはアリスさんじゃない」

なにっているの? わたしはアリスよ。いもむしさん、しんじて……」

キセルをかしながらったかれ言葉ことばにアリスが困惑こんわくしたかおでそうはなす。

わるいけど、その芝居しばいはもう通用つうようしないよ。きみからかんった魔力まりょく……間違まちがいなくきみは「ひと」ではないよね」

「っ」

するどつきでまえつ「アリス」へけてキセルをつきすといもむしはそうげた。それに彼女かのじょおどろ見開みひらく。

「ぼくはね、ハートの女王じょうおうえるまえは、ここクローバーのくにらしていたんだ。だからね、多少たしょうなりとも魔力まりょくったものかそうでないものかはかるんだよ。きみは「魔法まほう」によってされた存在そんざいだ」

「そう、いもむしさんはこのくにまれてそだったのね。どうりで、ワタシの魔法まほうがきかないはずだわ」

かれ言葉ことばにアリスのからだゆがむ。するとそこから姿すがたあらわしたのはくろかみくろひとみのアリスとそっくりな少女しょうじょだった。

「さっきからあたまいたかったのは、やはりきみ魔法まほうだったんだねぇ。でもこれくらいじゃあぼくをあやつることなんかできはしないよ。さあ、おしえてもらおうか。アリスさんたちはいまどこにいるんだい?」

らないわ。ワタシはただいもむしさんの相手あいてをするようにわれただけだもの」

いもむしの言葉ことば彼女かのじょわらいいながらこたえる。

「バレちゃあしょうがないわよね。いもむしさんはここでずっと彷徨さまよってなさいな」

て! ……げられちゃったか。さぁて、どこからでもかかってくるといい」

彼女かのじょうと姿すがたす。それをいかけようとしたが、なにかに気付きづいたかれあし周囲しゅういかってこえをあげた。

するとまわりにひそんでいた魔法使まほうつかたち一斉いっせいにいもむし目掛めがけて攻撃こうげきをしかける。

久々ひさびさに、スリリングだなぁ~」

かれうとくるくるとキセルをまわす。

「……わるいけど、君達きみたち相手あいてしてる場合ばあいじゃないんだ。だからね」

「っ!?」

いもむしの言葉ことばはっせられるのと同時どうじ魔法使まほうつかたちせる。

「やれやれ、「魔法まほう」はもう使つかいたくなかったんだけどねぇ。仕方しかたない。これからはそうもっていられなさそうだ」

術式じゅつしき構成こうせいしてすぐに発動はつどうした「重力じゅうりょく魔法まほうにより、せる魔法使まほうつかたち一瞥いちべつしたかれうとキセルをくわえなおし、おな場所ばしょへともどってしまうまよいの洞窟どうくつから脱出だっしゅつしていった。


 いもむしが洞窟どうくつから脱出だっしゅつしているころ時計とけいうさぎは極寒ごっかんやまなか彷徨さまよあるつづけていた。

「いもむしがったとおりこれが魔法まほうによるものなのならば、はやくアリスたち合流ごうりゅうしなくちゃ」

れない雪道ゆきみち一生懸命いっしょうけんめいある方位磁石ほういじしゃく位置いち確認かくにんしながら山道やまみち目指めざす。

「うさぎさ~ん」

いまこえは……アリス?」

山頂さんちょうほうからアリスのこえこえたようながしてみみをそばたかせた。

「うさぎさ~ん」

間違まちがいない。アリスだ!」

今度こんどかぜりはっきりとこえてきた彼女かのじょこえに、時計とけいうさぎは笑顔えがおになりいそいで山頂さんちょうへとかう。

「アリス~。ぼくはここだよ」

いそいでがり山頂さんちょうちかくまでくるとおおきなこえをあげる。

「うさぎさん。こっちよ」

「アリス!」

おおきなかげから姿すがたあらわしたアリスが手招てまねきした。彼女かのじょ姿すがたとらえると時計とけいうさぎはうれしくてる。

みんなは?」

「それが……」

そばるもいもむしたち姿すがたがないことに不思議ふしぎおもたずねた。それにアリスがかおくもらせ眼下がんか見下みおろす。

「えっ、まさか……」

みんなこのしたにいるみたいなの。でもよくえなくて」

「!?」

眼下がんかひろがる谷底たにぞこ時計とけいうさぎもそちらをやり蒼白そうはくになりたずねた。

彼女かのじょくちからはっきりとかされた言葉ことばかれあたま一瞬いっしゅんしろになる。

大変たいへんだ。はやたすさなきゃ」

「でもロープもなにもないのよ?」

あわてる時計とけいうさぎへとアリスがこまった様子ようすはなす。

「それでもなんとかしなくちゃ……」

「なら、からだかるいうさぎさんがしたりてみんなたすければいいわ。わたなわになりそうなものさがしてくる」

かれ言葉ことば彼女かのじょ提案ていあんするときびすかえした。

ってアリス。一人ひとりさがしになんかったらあぶないよ」

「あら、わたしなら平気へいきよ」

「……アリス」

それにあわててめるもアリスは平然へいぜんとした態度たいどでそうこたえる。そんな彼女かのじょ様子ようす時計とけいうさぎはまゆげた。

「いもむしがっていただろ。これはだれかの魔法まほうだって。ならアリスがねらわれてるんだよ。それなのにきみ一人ひとりって平気へいきなわけがない」

大丈夫だいじょうぶよ。そんなにとおくにくわけでもないし、それになにかあればこのけんたたかうわ」

おこった様子ようすかせるようにはなかれへとアリスがこたえロングソードをる。

「……ふ~ん。そういうこと、ね」

「うさぎさん?」

そんな彼女かのじょ様子ようす時計とけいうさぎはそっとつぶやく。そのこえこえなくてアリスが不思議ふしぎそうにくびかしげた。

みんなはどこにいるの?」

「え、だからこのしたにいるのよ……でもわたしじゃたすせなくて」

「なら、みんなはここにはいないね」

「え?」

かれ言葉ことばにアリスがこまった様子ようす再度さいどはなしてかせる。その内容ないよう時計とけいうさぎは安心あんしんしてう。

かれ言葉ことば意味いみわからず彼女かのじょまるくした。

「アリスはっているはずだよ。ぼくみみがすごくよくこえることを。でもこのしたからはだれこえこえない」

「うさぎさん?」

時計とけいうさぎがいつもよりもひくこえはなす。そんなかれ様子ようすにアリスが不思議ふしぎそうなかお見詰みつめる。

「……ねえ、アリスはどこ?」

「うさぎさんどうしたの? わたしまえにいるじゃない……っ」

「……こたえろ! アリスはどこだ」

しずかかな口調くちょういかけられた言葉ことばに「アリス」はおかしなことをくなってかんじでくちひらく。がほほかすめたものおどろおおきく見開みひらいた。

そこにはろされたハンマーがほほたるかたらないかくらいの距離きょりまっていて、するど口調くちょうわれた時計とけいうさぎの言葉ことば彼女かのじょだまむ。

「あ~あ。どうしてうまくいかないのかしら? よくよくワタシが「アリス」じゃないって気付きづいたわね」

ぼくっているアリスは、もっとよくかんがえて行動こうどうする。たとえどんなに仲間達なかまたち安否あんぴがわからなくて危険きけんにさらされていたとしてもだ」

アリスのかお一気いっきつめたい表情ひょうじょうへと変貌へんぼうする。彼女かのじょにそっくりな人物じんぶつ言葉ことばかれこたえた。

「アリスは仲間なかまこと優先ゆうせんしてかんがえるんでしょ? だったら仲間なかま安否あんぴがわからなくて危険きけんにさらされていたらさき行動こうどううつすんじゃないの」

たしかにアリスはこんなとき冷静れいせいでいられなくなる。でもだからとって一人ひとりうごくようなことはしないよ。だって自分じぶんなにこったらそれこそ僕達ぼくたち迷惑めいわくがかかるってことをよくっているからね。それにアリスは自分じぶん素人しろうとだってことをよく理解りかいしている。

だから一人ひとりたたかうなんてわないよ」

彼女かのじょ言葉ことば時計とけいうさぎはうとハンマーをげてかまえなおす。

今度こんど上手うまくいくとおもったのに、バレちゃしかたないわよね。うさぎさんはこのやまなか彷徨さまよってればいいわ」

て! ……っ。あたまが、きゅうに」

彼女かのじょうとすっと背後はいごへと退しりぞいた。それをいかけようとうごいた途端とたんあたまなかみだされる感覚かんかくとぼんやりとしていく視界しかいひざをつく。

「ふふふ。ようやくいてきたわね」

「これは、魔法まほう……ぅう!」

その様子ようす洗脳せんのういてきたことにほくそみ、ほこったかおをする少女しょうじょ時計とけいうさぎはそうつぶやくとハンマーで自分じぶんあたまつよたたいた。

「!?」

「はあ、はあ。ぼくはね。ハートの女王様じょうおうさまつかえる四天王してんのうのうちの一人ひとりなんだ。魔法対策まほうたいさくだってばっちりさ」

その行動こうどうおど彼女かのじょ見張みはる。あたまおおきなたんこぶができたいたみにより魔法まほう効果こうかされてるようになったかれは、フラフラとした足取あしどりで体勢たいせいなおしそうってにやりとわらう。

「まさか自分じぶんあたまけるなんて……あんたバカね」

「でもおかげでもう魔法まほうかなくなった。さあ、今度こんどこそはいてもらうよ。アリスはどこだ」

あきれる彼女かのじょへとけて時計とけいうさぎははなす。

らないわ。ワタシはうさぎさんたち相手あいてをしているようにわれただけだもの。自分じぶんさがことね。まあ、ここからせたらのはなしだけど」

「ちっ。げられたか……さて、と。ぼくいまものすっごく機嫌悪きげんわるいの。だから、遠慮えんりょしないからね」

彼女かのじょはそれだけうと一瞬いっしゅん姿すがたした。相手あいてげられてしまったことに舌打したうちをしたかれだったが、周囲しゅういかこくろいローブ姿すがた集団しゅうだんへとけてこえはっする。

「クロック・タイム」

「まさか魔法まほうか!?」

時計とけいうさぎがそううとくびからげているでかい懐中時計かいちゅうどけいかかげた。その様子ようす魔法使まほうつかいの男達おとこたちおどろ警戒けいかいする。

「これはね、時間じかんもどしたり、めたり、すすめたりできる、僕達ぼくたちスクロース一族いちぞくだけが使つかえる秘奥義ひおうぎなんだ。ってってもこえてないだろうけどね」

ほこらしくかたったかれ言葉ことばだれこえをあげなかった。いやときまってしまっているためこえをあげることも身動みうごきとることもできやしなかったのだ。

いそごう。アリスがあぶない」

時計とけいうさぎはうといそいで下山げざんしていった。


 時計とけいうさぎが山頂さんちょうから下山げざん開始かいししたころ。チェシャネコは木々きぎかこまれた場所ばしょでアリスをさがしてあるいていた。

「……こっちじゃなさそうだ」

しばらく黙々もくもくあるいていたかれだったが、一旦いったんまると方角ほうがくえてあるきを再開さいかいする。

「チェシャネコさん。さがしていたのよ、えてよかった」

「……」

するとまえ木立こだちからアリスが姿すがたあらわ笑顔えがおけた。しかしチェシャネコはこたえずつめたい眼差まなざしを彼女かのじょへとおくる。

「おおまえだれだ」

「え?」

つめたくはなたれた言葉ことばにアリスがおどろくびかしげた。

「なぜアリスのふりをする」

「チェシャネコさんなにっているの」

チェシャネコの言葉ことば困惑こんわくした様子ようすくちひらくと彼女かのじょ一歩いっぽふみす。

「おまえはアリスじゃない」

「っ」

そんな「アリス」へけてかれおおガマをるなと忠告ちゅうこくする。彼女かのじょあわてて背後はいごへとがり、それをかわした。

「どうして、ワタシがアリスじゃないって気付きづいたの?」

「おまえからはおれおなにおいがする。「やみ」にきるものにおいが」

一瞬いっしゅん正体しょうたい見破みやぶられてしまった彼女かのじょがそうっていやなみをかべたずねる。

チェシャネコはそれに淡々たんたんとした口調くちょうこたえた。

「あんたたちってみんなアリスが大好だいすきなのね。もっと簡単かんたんにうまくいくとおもってたのに……」

「いもむしたちにもなにかしたんだな。だが、あいつらは簡単かんたんてきわなにはまるような奴等やつらじゃない。け……でないと」

彼女かのじょ言葉ことばかれうとおおガマをかまえするどつきでにらむ。

かったわ。ここはおとなしくくわよ。あんたたちのきづなつよさがかった以上いじょう下手へた芝居しばいはできそうにないしね」

彼女かのじょあきらめた様子ようす溜息ためいきくとおとなしくきこのから姿すがたした。

はやくアリスをつけないと」

チェシャネコはうとおおガマをろしいそいで木々きぎあいだけていく。

邪魔じゃまするやつは、退しりぞける」

しばらくあるいたところで周囲しゅういかこくろかげ姿すがたとらえたかれうとおおガマをかまえた。

「はっ」

まわりをかこむローブ姿すがた魔術師達まじゅつしたちけて警告けいこくのつもりでおおガマをりかぶる。

「クローバーのくにの……魔法使まほうつかたちか。貴様等きさまらではおれにはてない。け、でないと……おれは」

けとわれて大人おとなしく退散たいさんするとでもおもったか。みなかかれ」

淡々たんたんとした口調くちょう撤退てったいするよううながすチェシャネコだが、それに相手あいて素直すなおおうじてくれるはずもなく一斉いっせいひかりたまはなってきた。

「……」

仕方しかたないといったかんじでおおガマをかまえるとするど眼差まなざしになりひかりたますべてをはじとす。

「なっ」

「……おれけと忠告ちゅうこくした。だがそれをかなかった。なら、遠慮えんりょはしない」

おどろ魔法使まほうつかいへけてかれ冷淡れいたんこえでそううとおおガマをりかぶり次々つぎつぎてきしていく。

「……おれ手加減てかげんができない。だからやりたくなかった」

気絶きぜつした魔法使まほうつかたち見下みおろしチェシャネコはいうとおおガマをろす。

「また、められなかった」

心臓しんぞうへとをあてつよにぎりしめる。

はげしさを鼓動こどうかせるように、ざし冷静れいせいさをもどそうと深呼吸しんこきゅうかえす。

「いこう、アリスが俺達おれたちさがしている」

数秒すうびょうそのちつくしていたかれだったがそうつぶやくと山道さんどうほうへとかってあるいていった。


 チェシャネコが山道さんどうへとかってあるいているころぼうしはアリスたちわかれてしまった場所ばしょまでもどってる。

「やれやれ。ようやくもどってこれましたよ」

「ぼうしさん」

吹雪ふぶきおさまりれたそらもとかれうとひたいにじんだあせぬぐう。

そのときちかくからアリスのこえこえてきた。

「おや、おや。その様子ようすからすると、上手うまくはかなかったようですね」

「……あいつらとアリスのきずなつよさをあまていたわ」

ぼうしが「アリス」へけてそうこえをかけると彼女かのじょ苛立いらだたしうでみそうぼやく。

「あのおかたかんがえたものですね。ですが、そううまくはかないでしょう」

「ええ、今回こんかいためしてみてわかったわ。あいつらとアリスのなかくのはよういではなさそうね」

かれ言葉ことば彼女かのじょ同意どういしてうなづくとそうはなした。

「あのかたもあんたには期待きたいしているわ。しっかりとアリスのこと見張みはるのよ」

「ええ、心得こころえておりますよ」

彼女かのじょがそれだけうとっていく。そのけてぼうしこたえた。

「……あのかたうごしましたか」

一人ひとりになったかれひとごとつぶやくと、かんがぶかげな表情ひょうじょう彼女かのじょった場所ばしょ見詰みつめる。

「では、おれもそろそろ本気ほんきさないといけませんね」

そうつぶやきにやりとわらうと山道さんどうすすみアリスのもとへともどってった。

そのころ一人ひとり山道やまみちすすむアリスはこえれるほどさけはなされてしまったみんなさがす。

「うさぎさ~ん。ぼうしさ~ん。いもむしさ~ん。チェシャネコさ~ん。みんなどこにいるの?」

山頂さんちょうへと目指めざして山道やまみちあるきながら必死ひっしこえりあげつづける。

「……みんな無事ぶじだといけど。っ、だれ?」

そうつぶやいたとききなれない足音あしおとちかづいてきて彼女かのじょ警戒けいかいしてこえをかけた。

「……あるかためいにより貴様きさまをここでかえす」

「っ、このひと魔法使まほうつかい!?」

豪華ごうか紋章入もんしょういりのブローチをけたローブ姿すがたおとこ近寄ちかよってるとそうって右手みぎてをアリスにす。

すると彼女かのじょうごけなくなり、相手あいて魔法使まほうつかいであることを警戒けいかいいろくする。

「しかしこんなただの小娘こむすめ相手あいてに、わたしがくださねばならぬとは……まったく。あのおひと相変あいかわらずわがままだな」

「あのおひと? いったいだれなの」

おとこ言葉ことばにアリスは疑問ぎもんおもまゆしかたずねた。

貴様きさまには関係かんけいのないこと。まあ、どうせこのままなに出来できずにかえされるのだから、ひとつだけおしえておいてやろう。貴様等きさまら行動こうどうはこちらには筒抜つつぬけだ。ダイヤのおうめいでハートの女王じょうおうたすたびをしていることなどはじめからっていた。ゆえにあるじ命令めいれいにより貴様きさまかえすようたのまれたというわけだ」

「っ」

それにおとこうとすらすらとかたる。その言葉ことば彼女かのじょおどろ見開みひらいた。

「おしゃべりはここまでだ。貴様きさまにはわるいがここで記憶きおくをすりえさせてもらおう」

おとこうと右手みぎてひかりをまといだす。アリスは「静止せいし」の魔法まほうにかけられているため身動みうごひとつとることもできない。このままここでたびわってしまうのかとおもかたざした。

「お嬢様じょうさま

「アリスさん」

「「アリス」」

ぼうしこえこえてきたかとおもうとおとこ目掛めがなにかがげつけられる。それをけたところにいもむしのこえこえてきた。

時計とけいうさぎとチェシャネコが同時どうじこえをあげるとアリスとおとこをへだつようにあいだってはいる。

「っ、みんな

みんな姿すがた途端とたんアリスは安心あんしんして微笑ほほえむ。

「なぜ貴様等きさまらがここに」

「あれくらいでぼくたち足止あしどめできるとでもおもったの?」

「これ以上いじょうきにはさせないよ」

「アリスになにかしたらおまえゆるさない」

「オレたち足止あしどめできなかったのは誤算ごさんでしたね」

おどろおとこへといもむしがうとキセルをかまえる。時計とけいうさぎとチェシャネコもいかりをあらわにしながら武器ぶきけた。

ぼうしがそうってげつけたナイフをひろかまえるとおとこにらみつける。

「ちっ」

「お嬢様じょうさま大丈夫だいじょうぶですか?」

「ええ。みんなのおかげでたすかったわ。がとう」

おとこ盛大せいだい舌打したうちすると姿すがたす。相手あいて気配けはい完全かんぜんになくなったことを確認かくにんしてぼうしがアリスにこえをかけた。

彼女かのじょはそれに返事へんじをすると彼等かれらけておれいう。

「アリスが無事ぶじでよかった」

「そうだねぇ。もうすこおそかったらあぶなかったよ」

「そうだね」

チェシャネコがうと安堵あんどして微笑ほほえむ。いもむしも同意どういしてうなづくと時計とけいうさぎもむねでおろした。

「それより、うさぎさん。あたまおおきなたんこぶができているわ、はや手当てあてしないと」

「あ、そういえば。アリスのことでいっぱいで、手当てあてするのわすれていたよ。どうりで足元あしもとフラフラするとおもった」

アリスが顔色かおいろえてうと、時計とけいうさぎがあたまけてたんこぶをつくったことをわすれていたらしく苦笑くしょうする。

「おや、これはいけない。このおちゃんでください。回復かいふくしますので」

はや手当てあてしないと……でもうさぎさんもネコさんも、ぼうしさんもアリスさんもみんな無事ぶじでよかったよ」

ぼうしうと体力たいりょく回復かいふくするおちゃれて手渡てわたす。いもむしもうと救急箱きゅうきゅうばこからガーゼや包帯ほうたい消毒液しょうどくえきなどをしながらはなす。

みんながいなくなってすごく心配しんぱいだった、とてもいや予感よかんがして……でも無事ぶじ本当ほんとうかった」

「アリス。俺達おれたちはなした人物じんぶつ手下てしただとおもわれるやつにあった。そいつはアリスとそっくりな姿すがたをしたやつだった」

安心あんしんして微笑ほほえ彼女かのじょへとチェシャネコがそうはなした。

「え?」

「ぼくもったよ。アリスさんのふりをしてぼくをまよいの洞窟どうくつなかめたんだ」

その言葉ことばおどろ見開みひら彼女かのじょへといもむしも説明せつめいする。

ぼくもだよ。最初さいしょ本当ほんとうにアリスだとおもってたんだけど、すぐにちがうことに気付きづいて、あやうく魔法まほうにかかるところだったからあたまけたんだ」

「それであたま怪我けがっていたというわけですね。オレもいましたよ。彼女かのじょやみからまれたようです。まあかりやすく「やみアリス」と名付なづけておきましょう」

それに時計とけいうさぎもはなすとぼうしもそうった。

一体いったいなんわたし姿すがたに?」

した情報じょうほうによると、オレたちとお嬢様じょうさまなかくのが目的もくてきだったそうです」

やみアリスだっけ、あの魔法まほう使つかえるみたいでね。ぼくたちあやつって味方みかたにつけるつもりだたみたいだよ」

ぼくあやうくあやつられそうになったんだ」

おれはあいつをはらった。それからすぐにアリスをさがしてここにた」

アリスの言葉ことば彼等かれら口々くちぐちかたる。

「あのおとこひと命令めいれいけてうごいてるってっていた。一体いったいだれ私達わたしたちねらっているのかしら?」

「その情報じょうほうるためにもクローバーのくにくしかありませんね」

かおくもらせてつぶやいた彼女かのじょ言葉ことばにぼうしがそうこたえた。

やみのアリスによる妨害ぼうがい魔法使まほうつかたち使つかってアリスのたびわらせようとする人物じんぶつ。そのすべてをあやつもの正体しょうたいるためにもクローバーのくにおうわなくてはならないようだ。

そしてぼうしやみアリスとの関係かんけいとは? うらうごはじめている不穏ふおん策略さくりゃくにアリスたちはどうかていくのか。真相しんそうはまだかくされたまま彼女達かのじょたちたびつづく。

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