episode19「皇帝としての最初にする事」
朝を迎えた日の一日、先ずは―――
ディバイン
「よし、墓参りに行くか」
俺はそう言って身支度をメイド達に整えさせて貰っている。
リーンは「分かったわ」と言い
リーン
「私は食後に一度だけ
と言い、俺の身支度を整え終えたメイド達は手早くリーンの身支度を整え始める。
服装を整えた後はそのまま食卓へ向かい
料理長ディシアス
「おはようございます。皇帝陛下」
ディバイン
「おはよう、今日は健康に良さそうな食が並んでるな。ご苦労さん、ディシアス」
農民から頂いたお米や様々な野菜、そしてホクホクな肉料理などバランスを考えて作って貰った食事が奇麗に並んでいた。
俺は料理長であるディシアスに労いの言葉を掛けてリーンと共々食べ始める。
ディシアス
「御二方の為とあらば全力を尽くすまでです。どうぞ、ご賞味くださいませ」
料理長がそう言って厨房へ戻り、次にクリェス宰相が俺の下へ来た。
クリェス
「お食事中失礼します。今回の御公務ですが・・・先に墓地へ墓参りをしてからいつも通りの仕事がいくつかあります」
ディバイン
「おっ、やっぱ墓参りが先なんだな?」
食事中に俺がそう聞き、クリェスは苦笑いし
クリェス
「先代皇帝陛下であるグラエル様も月一で墓参りしていたみたいなので」
一方で、親の代の先代達は今は自分達の子供等である若者に任せた後は――――
グラエル
「お爺様が使用人達に創るよう指示した物らしくてな、私達もやってみよう」
モルドガン
「僭越ながら・・・
離宮では今、元々赤子の居た部屋だったが子供等は成長し不要となった所をグラエルの指示により娯楽施設に作り替えていた。
レブル
「ほほう、ガーナー殿はやはり良き腕前ですな」
ガーナー
「先々代様が残した娯楽本とやらに攻略の意図がありましてな。それっ」
レブル元宰相とガーナー元執事長はグラエル元皇帝とモルドガン元騎士団団長と共に早朝の食後にビリヤードと言うキューと言われる棒の先端一突きで遊ぶ台で遊んでいた。
本気の眼で。
エイリ
「これで・・・どうかしらっ?」
カリナ
「す、すごいですエイリ様。ダーツの台にある的に当てるのが難しいのに的確に・・・!!」
エイリ
「まだそこらの貴族の出だった時は何も遊べれなかったからねぇ~水切り遊びなんてのも良くやってたわ」
元皇后陛下だったエイリはダーツと呼ばれる小さい羽のような先の丸く尖った中小の槍を使ったもので的を当てて遊ぶ台だったりと、寝室と共に兼ね備えて引退した御老体達の運動も兼ねた憩いの場となっている。
グラエル
「む、そう言えば今日は―――リーチ!」
レブル
「息子が代わりにディバイン様にお墓参りを組み込んでいる事を伝えています。ご心配する事は無いかと、時折手伝いに行く程度がよろしいかと私は思います」
次に男達4人で今度は麻雀と呼ばれるゲーム台で囲んで遊んでいる。
モルドガン
「我等の子等なら問題ありますまい。・・・と大三元!」
ガーナー
「ヌッ!国士無双ですな」
レブル
「三暗刻!」
・・・グラエルが最下位となった。
グラエル
「むぅ、爺様の血を継いでいる私がビリとは」
一方、女性陣達は
カリナ
「―――と、このような形になります。一度編んでみましょう」
エイリ
「成程、これをこうやって・・・上手く出来たわ!」
他に手の空いている数人程のメイド達と一緒に手編みの物を作っていた。
一方、ディバインの方は――――
クリェス
「着きました。ディバイン様」
墓前の入り口付近に馬車を止めてもらい、馬車から降りた俺は少し広めの脇道に馬車を留めるよう指示を出し、従者達と共に先代達の墓へ足を運んだ。
ディバイン
「お爺様、初代様、ひいお爺様、お待たせしました。御三方が好きなお酒と初代様がお好きだと言う御花もご一緒に飾っておきますね」
俺は一度水で頭の上、背面の部分を水で優しく掛け、使い捨てでもある綺麗な布を使って丁寧に拭く。
クリェス
「お爺様、ひいお爺様、私も主であるディバイン様を支えております。苦労を掛けさせてしまいましたがひと山をやっと超えました。ご安心くださいませ」
それぞれの従者達も自分達の一族の墓前に礼をし、それぞれに花を手向けて最後に窪みに水を少し垂らしてそれらを他の歴代の者達のお墓も一斉にやり、やる事を終えた。
ディバイン
「――――よし、そろそろ戻るとしよう。行くぞ」
お墓参りを終えた俺はそのまま礼を最後にしてそのまま従者たちを連れてお墓から出た。
待たせていた馬車に乗り、そのまま城へ帰還しに動き出す。
ディバイン
「――――さて、次の公務も忙しくなりそうだ」
クリェス
「今回は結構量が多いと予測しまして、僭越ながら私もお手伝い致します」
そして同時刻、もう一方のリーン皇后陛下の方では―――
ガデル
「ふむ、それで里帰りか。遠方からよくぞ来た。お前の使っていた部屋もそのまま残してあるが・・・」
リーン
「ごめんなさい、この後はディバイン様の手伝いもしないといけないから挨拶だけなのだけれど・・・そうだ、実っている果物とか持って行って良いかしら?」
リーンがそう言うと彼女の父であるガデルは頷き
ガデル
「今丁度果物を取りにルナが散策してるから戻ってきたら取り分けて―――」
丁度のタイミングで――――
ルナ
「お姉様!今日は里帰りですの?!」
果物が入っている籠を持ったルナが丁度戻って来た。
ルナ
「果物を?それなら丁度ドライフルーツ作ったからこれ持って行ってディバイン義兄様やその他の者達に差し上げて下さいな♪」
リーン
「えっ、これ全部良いの?」
ルナは「問題無いですわ♪」と笑顔で言い
ルナ
「お父様達の分はまだこれから作ればいいですし、何なら少量でも実りに実った果物たちも持って行って良いですわ、お姉様」
そして色々と話をして―――
ガデル
「ふむ、大帝国の妃として嫁げたか。よくやった!これで
ガデルは何度もアレが良いかこれが良いかと悩んだ結果――――
リーン
「精霊の卵を?」
ガデル
「うむ、その者が頑張って孵化させればその者に見合った属性の精霊が生まれる・・と言うのを昔聞いた事があるだろ?ディバイン皇帝陛下に差し上げなさい」
リーンは少し考えた結果――――
リーン
「分かったわ、手元にあるフルーツの盛り合わせとドライフルーツの袋詰めと精霊の卵持って行きますね」
そして彼女もまた大帝国の城へ馬車に乗って戻って行った。
ルナ
「さて、お父様手伝ってくれるかしら?」
ガデル
「そうだな、私も久しぶりに手伝うとするか」
ルナ・シェロスは少し、寂しそうに外を見つめるのであった。
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