episode13「魔神族の代表四天王の挨拶参り」

ディバイン

「え?俺に?」


とある朝、1時限目の授業を終えて筆記道具やノートをしまっている時に魔神族の王子であるラスシアが話しかけて来た。


ラスシア

「あぁ、今朝方に寮長が言ってたろ?近々貴族寮と平民寮とのコミュニケーションの場を設けるって」


ディバイン

「あぁ、交流会か・・・よし、分かった」


ラスシアが言うには自分達の従者もみんなに知って貰う為に無理矢理でも参加させると言った所だ。


ラスシア

「――――って事で宜しく頼む。ついでに俺の従者を4人紹介しよう」


獄炎帝のヘルフレイム

「吾輩はラスシア様の直属の四天王が一人【獄炎帝ごくえんてい】のヘルフレイムである。気長に接してくれるとありがたい」


数週間後の休日、王族、貴族、平民のコミュニケーションの場を設ける為に男女に別れて交流会が開かれた。


貴族生徒その①

「獄炎帝ってあの・・・?!」


貴族生徒その②

「マジかよ、こんなに穏やかな魔族だったの・・・?!」


魔神族側の王族からスタートし、次は―――


土害帝のディマロック

「私は【土害帝どがいてい】のディマロックと言う。ヘルフレイムと同様ラスシア様に仕える者として宜しくお願いする」


平民生徒その①

「ディマロックさんってもしかして今魔神族の管理している領で自家栽培をしている農家出身の?!」


ディバイン

「(どっから仕入れて来たんだその情報・・・)」


俺は心の中で人々の情報通の広さに驚きながらも聞く。

他の人の自己紹介などや平民に関しては"自慢話"を設けているので充分に時間を設けている。


そろそろと言ったタイミングで俺の出番が来て―――


ディバイン

「俺の名はもう知ってる人も居るだろうけど一応。大帝国の第一皇子でディバイン・リエス・オズロックだ。一応この学園の創設も関わっているが・・・顔合わせしてる人の大半が大人だからな。宜しく頼む、俺の従者なんだが―――」


俺がそう言うと若い執事の男が一礼し、頭を上げて


クリェス宰相

「今は宰相見習いをしていますが・・・クリェス・カウスと申します。ディバイン様の来年の戴冠式を行う予定の後に従者の任命式にてディバイン様の為の従者として参りました。宜しくお願い致します」


クリェスを選んだ理由として一つある。

それは――――

家族からの推薦という訳ではなく、彼の父親でもあるレブル宰相をも認める宰相としての働きを見せてくれる。

要は彼の宰相としての才能がどの候補者よりも桁違いに鋭くて高い。

こういった高評価を得て、俺の戴冠式に合わせて任命式当日に俺の専属の宰相として選ばれる予定だ。


王族男子寮長アドニー・ナリク

「―――よし、これにて交流会は終了となるが・・・学園内でもいつでも会えるからな、今の内に友達になっておく事をお勧めする」


貴族男子寮長ディノ・ヴェイパ

「取り敢えず解散!」


平民男子寮長スデュア・ノーマン

「アドニーさん、ディノさん交流会の場を設けて下さり有り難うございます。」


三人の寮長はその場に残って反省会をするらしく、言われた通りに皆解散する人も居れば友達を作る人が居たりと、人それぞれバラバラとなった


ラスシア

「ディバイーン!スマン!もう二人紹介して無かったからさせてくれ!」


ディバイン

「良いけど・・・お前の妹の方の従者だろ?良いのか?」


ラスシアは「寧ろ妹が是非」と言っていたので

昼飯時に会いに来てみた。

※もちろん女子寮長から許可貰っています。


ルルキュア・ティー・ディドン魔皇国第一魔皇女

「お兄様からは話を聞いております。どうぞこちらへ」


女子の方も男子と同様で貴族と平民の寮と同じように3人共同で設けられている。

寧ろ王族貴族平民の寮は室内が広いが故の事だ。

ラスシアの実妹であるルルキュア魔皇女に部屋に入れて貰った。

聞く所によるとウチのリーンさんが居る部屋に行ったらしく留守中に入れて貰ったのだ。


ルルキュア

「私の従者です。どうぞ」


水牢帝のマリンドル

「【水牢帝すいろうてい】のマリンドルで御座います。ルルキュア様同様お見知りおきを」


その女性はそう言って一礼する。

続けて―――


暴風帝のウィンス

「【暴風帝ぼうふうてい】のウィンスで御座います。マリン同様に宜しくお願い致します」


ラスシア

「因みに俺の所の従者と妹の従者はお互い力こそでの序列でな」


だからなのか、順番を聞いてみた所―――

魔神族の四天王の大将が獄炎ヘルフレアで中堅が水牢マリンドル

次鋒が土害ディマロックで最後の先鋒が暴風ウィンスだと言う。


ディバイン

「正直に言って淫魔族なんかを従者にするかと思ったけど・・・そうでもないんだな?」


淫魔族とは―――

男淫魔インキュバス女淫魔サキュバスを総称した呼び方で魔神族の一部の種族だ。


ラスシア

「俺もそうしたかったけど・・・大帝国の娼婦館と同じでさぁ~」


ディバイン

「あっ、何となく察した。そう言う事か」


ラスシアやルルキュアが頷く


ルルキュア

「そうなんですよね~まぁ一部の魔神族は淫魔サキュバスを無下に扱っている訳ではないので」


魔神族の一部である淫魔族は特殊な特性があり、結構厄介なのである。

だからこの二人は避けて四天王を従者として連れて来たのだ。

淫魔族の特性アビリティは【淫乱発情】と言ったもので、男女構わずステータスが低い人にしか効果が通用しないのだ。


ラスシア

「母上が淫魔と羊魔のハーフと人間と狼魔のハーフのミックスハーフで」


ルルキュア

「父上が鬼魔と豚魔のハーフと獣人と人魔のハーフのミックスなので」


母親の親族みたいなものかと思ってその話は終える事にして自分の部屋に戻った。


ラスシア

「さてと・・・ディバイン君考案の大浴場に行こう!」


ディバイン

「・・・そうだな、行くか」


俺はラスシアとお互いの従者同士で大浴場に入りに行った。

先にヴォートレス王子兄弟が湯船に浸かっていた。


レント・ヴォートレス獣人大国第一王子

「よっ、お先」


グリッド

「やっ、兄上と一緒に入ってんだ。君らもおいでよ」


ディバイン

「体洗ってからな」


俺はそう言ってラスシアと交互に体を洗ってから湯船に浸かった。

レント・ヴォートレスは獣神族の治める獣人大国の第一王子だ。

グリッドとは昔から仲が良いらしい。


ラスシア

「ぁあ~やっぱり風呂は気持ちィ~・・・そう言えば貴族も似たようなもんだっけ?」


そう言いながらラスシアは声を裏返して満足げに茹だれる。


ディバイン

「獣神族の一部の種族は熱や火に耐性あるから風呂は大丈夫だろうけど・・・のぼせる前に上がれよ?」


レント

「ご忠告どぉーもぉー」


もう全員大浴場に魅了されたのである。

改修工事を頼んで露天風呂を出そうかな?


ディバイン

「――――ぷはぁ~雌型のケンタウロス達のちちで出来た牛乳は美味いな」


グリッド

「提供して正解だったな」


4人で揃って瓶に入った牛乳を飲み干した後、瓶詰のケースに仕舞ってから自室に戻って夕食の準備をした。


ヘルフレイム

「中々の腕でしたな」


クリェス

「勿論、でなければディバイン様の従者なんて選ばれませんからね」


ディバイン

「クリェス、エプロン似合うぞ~」


その場にいた連中で笑いながら夕食を済ませた。

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