episode11「喧嘩の原因」

平民の男子生徒から事情を聞いた俺は急いで修練場に来た。


そこには一方的に責めている男子生徒と怪我をしつつ周りの人を守っている女子生徒の姿だった。


ディバイン

「この騒ぎは一体何だ?!」


リドリネア・ディモーレア侯爵子息

「アァ!?んだテメェら――――」


俺は咄嗟にその男の動きを"時間"自体止めて空間に固定した。


ディバイン

「大丈夫かい?」


ララティア・ノーツ伯爵令嬢

「お助け頂き有り難う御座います」


女性はララティア・ノーツ、ノーツ大商会の一人娘で父親が伯爵の爵位を持っている。


商会長の娘だ。


ディバイン

「取り敢えずそこに居る彼に案内して貰った。後は休んでなさい」


俺はそう言って無詠唱で回復魔法を放ち彼女の怪我と蓄積されたダメージを消して回復させた。


ララティア

「あっ、有り難うございます」


彼女がそう言ってお礼をする。


俺を呼んで来た平民の男子生徒、グリアが来た。


グリア

「大丈夫かい?ララティア」


ララティア

「グリア、助けを呼んでくれてありがとう。治して貰ったから大丈夫よ」


グリアが「取り敢えず離れよう」と言って彼女に肩を貸し、今居る場所から離れる。


彼女の取り巻きでもある令嬢も俺にお礼を言ってその場を離れた。


ディバイン

「さてと、一応どうしてこうなったか聞こうじゃないか」


俺はそう言って周りに居る彼の取り巻き達も見てそう言う。


先生達が丁度良いタイミング出来る為に時間稼ぎ中だ。


因みに修練場に来る前にロックとカースに人を呼ぶように伝えていたのだ。


リドリネア

「う、うるせぇッ!テメェのような王族が首を突っ込んでんじゃねぇ!」


ディバイン

「(これはもしかして・・・・あぁ、そういう事か)」


俺は一つ最速に頭の中の思考回路をフル稼働し、一つの答えを見つけた。


たしか彼、リドリネア・ディモーレア侯爵子息は父親のオトリアス・ディモーレア侯爵の"推薦"と言う名のコネ(※金)によって無理矢理入学を認めるよう気の弱い女性教師に迫った侯爵家の家長だ。


ディバイン

「(・・・ディモーレア家とノーツ家と・・・平民であるグリア君の家庭の幼馴染みの繋がりだったな、確か・・・)」


俺の頭の中で理解したのは――――


【明確な理由:ノーツ伯爵令嬢の家庭とグリア平民の家庭は将来を誓い合う仲で家庭同士の公認であり、そこで無理矢理入ってくるもう一つの幼馴染みの家庭―――グリアを敵視し、ノーツ伯爵令嬢を無理矢理手に取ろうとしたディモーレア侯爵子息だと言う事。】


ディバイン

「あ~あれか、亡き者にしようとあの手この手で仕掛けたがグリアには通用せず、自分のおこなったたくらみがお嬢さんララティアにバレてしまい―――今に至る感じだな?」


俺がそいつらの前でそう言うとリドリネアやヤツの取り巻きを含む全員が苦虫を嚙み潰したような顔になる。


結局ディモーレア侯爵家一家の男共による暴走だ。

そして――――


リドリネア

「クソがァァァァァアアアアッ」


ラテノ理事長

「今日は手を煩わせてしまい、申し訳御座いませんディバイン殿下。本来であれば我々がやっておくべき案件でした」


ラテノ理事長によると、どうやら爵位によるデカい態度を取って無理矢理働かせ、貴族とは思えない行為を何度もしてきたらしく、ディモーレア侯爵家の夫人や次男坊であるカルヴァドナ・ディモーレア侯爵子息に対しての風当たりも強いとの事。


俺は連絡の一報を父上の下に送り、ディモーレア長男子息や侯爵閣下の金銭によるトラブルや賄賂、さらには借金まで多岐に渡る行為を平然としてやってきたとの事で―権限を一時的に行使する事にした。


オトリアス

「私自身の爵位の剥奪と魔法、スキルの剥奪の刑と息子の魔法とスキルの剥奪の刑?!」


オトリアス・ディモーレア侯爵とその家族を呼び出し、内分を言い渡した。

そして―――


ディバイン

「オトリアス、貴殿を平民の地位まで落としたついでに何もない辺境の土地へ追放する。リドリネア、貴君を剥奪後にさらに借金奴隷の身分にまで落とす。お前達、連れて行け」


俺の命令により騎士達が魔法やスキルなどを剥奪し、さらに身分をも剥奪した事でその二人は連絡を受けて駆け付けた騎士達に連れられて出て行った。

残った二人の親子だが―――


ディバイン

「―――って事でカルヴァドナ・ディモーレア。貴君を一つ下の【伯爵位】を譲渡し、オトリアスが支配して来た領地の新たな領主として村民を導いてくれ。保護者であるディオナ・ディモーレア、貴方をカルヴァドナ・ディモーレアの親としてきちんとした教育を施すようお願いしても構わないな?」


騒ぎを聞きつけて駆け付けたディオナ夫人・・・いやディオナ・ディモーレアさんがその場で頷き、息子さんでもあるカルヴァドナ殿もその場で頷いた。

これで一連の騒動は収束を迎えた。


ディバイン

「さて、態々来て貰ってすまない。実はある制度を設けようと思ってあなたを呼んだんだ。理事長」


ラテノ理事長

「"ある制度"とは・・・・一体なんでございましょうか?」


一度、理事長を寮室に呼び出し、俺は紙に書いてあるモノを理事長に差し出した。


ディバイン

「【職業自由選択制度】、まぁ言わば卒業後に何をしたいかってやつかな?」


理事長は「成程」と頷き


ラテノ理事長

「この制度が認められれば卒業後には困らないと言う事ですね?」


そう、将来的に無職が少なくなるように設けられた制度として考えたやつだ。

50代までは仕事の続行の有無の権限等も上げている。


ディバイン

「学園を建てる前に一度貧民街に行った事があってな、その時にまだ貧しい子供等やその親の家庭があってな、平民の中にもいるだろうから特別処置として設けたいんだ。それと卒業後の御令嬢達への配慮だな」


理事長が何かハッと気づき


ラテノ理事長

「まさか・・・・その為に!?」


各王族と学園側とで話し合い、全員に合否を取って貰い―――

採用されれば、貧民である平民の家庭にも少しずつ蓄えが出て来て裕福になりやすいのだ。


ディバイン

「それに勿論、貴族や王族にも同様にそれぞれの交流も持ちやすくなると言う寸法さ」


ただし、デメリットもある。

それは―――


ディバイン

「(万が一採用されなくても採用されても使い道に誤って別に進んでしまっても―――いずれどっかしらのタイミングで問題が起きるからな・・・・)」


理事長との話し合いも終わり、宿舎に戻り就寝に着いた。


ディバイン

「――――って事で一応片付いた」


リーン

「色々と起きてるね、本当に」


翌朝――――昨日あった出来事を教室内でリーンに話した。


話を聞いた彼女はそう言って苦笑いした。


ディバイン

「さてと――――お?」


そろそろ教室に戻ろうとしたタイミングで、くだんのカップルが木陰で気持ちよく昼寝していた。


俺とリーンは二人をそっとしておくのもいかないので、その場で起し授業へ行かせた。


ディバイン

「さて、昨日はどうだった?二人共」


リーンとその後は二人で教室に戻り、授業を受けたのであった。

一方――――


オトリアス

「くそう・・・こんなことにならなければっ・・・・」


奴隷管理の村民

「おら新人!テキパキと身体動かせ!鈍ってんぞ!」


一家騒動の原因元であるオトリアスは村の人達に拾われたが、立場的に厳しい場所の辺境の地だったらしく、酷い扱いを受けていたのだった。


だがしかし、誰も止める気はしない。


オトリアス

「(くそう・・・野郎俺が"能無し"だからって酷使しやがってェッ!!!)」


本人はこのように外見で反省しているかのように見えて中身は全く反省していない屑に成り下がっているからだ。


村民

「オラッ!」


オトリアス

「ッ!!!」


反省し、許しを請わない限り、村からの認識は最低だからである。

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