episode8「姫は語るその①―リーン視点―」
今日は学び舎を建設する予定地に来ている。
天神族とも言われている天使達が信仰している女神様からの助言らしい。
私も同様で各国の王族、皇族や上位から下位の貴族、そして平民。
この世界では優秀且つ努力している子供等にとっての"学ぶ"機会が無ければこの先の未来は滅んでしまうと言っても過言では無いらしい。
ディバイン
「―――よし、ミスリル鉱石よりも固い素材の鉱石は揃っているな・・・これらを使って外装を作ってくれ!ついでに内装は木造設計を――――」
女神様からの助言・・・もとい神託通りに各国の聖女様や天神族達が協力し合い、ディバイン様は設計図を基に指示を出していく。
リーン
「それじゃ・・・女性組は全員男性陣の為に御飯を作るわよ!」
女性陣全員
「おーっ!」
私の掛け声とともに建設を見守る女性陣達も皆食材全てを料理に継ぎ込み、そそくさと作っていく。
カース
「兄上ぇー!女性陣達が炊事をしているので頑丈な防御壁建てて下さい!」
ディバイン
「分かった!」
三男であるカース様の声に気付いたディバイン様はすぐさま魔法と物理を無効化する防御壁を最速で展開し安全を確認したうえでカース様も建設に加わり次男であるロック様も力任せに資材を滞ることなく次々へと渡していく。
グレイン・デトラ・カーヴァ魔皇
「ほっほぉ~う立派な建物だの」
ディバイン
「グレイン殿!グレイン殿もお手伝いですか?!」
グレイン・デトラ・カーヴァ、嘗て1000年も生きていた超人的な魔皇と呼ばれている。
現在の魔神族の長でもある。
昔の呼び方で言うならば魔王だとされている。
グレイン
「いや、今日は我が配下達をそちに手伝わせようと思うてな」
ディバイン
「それなら魔石の類を見せて貰って良いですか?あ~、後―――」
私は多種族の女性陣達と一緒に料理を作っているのであまり聞いてはいないが魔法道具を扱った設備を整えるらしい。
レナティ・ヴォートレス第二王女
「私のお父様が商人達からまとめて調味料を買い取って下さったの!良かったら使って下さる?」
そう言って獣人大国の第二王女であるレナティ様が原産の調味料を大量に執事達に持ってこさせ更に彩り溢れる料理へと仕上がって行った。
そうこうしているうちに建設の半分も終わりいよいよ内装だけ―――と言いたい所だけど―――
リーン
「ハイハイ、男性陣の皆様!お昼ご飯を抜きにすると後から携わっている業務への支障に
そう言って建築途中で手を止めさせてと顔を洗わせてから食事に在り付けて貰った。
獣神族の男
「うっま!滅茶苦茶うめぇ!」
魔神族の男
「どんどんスタミナも付けて午後も頑張らねば!」
他の種族の人達の胃袋が大きいのか周囲にある食べ物が一斉に消え、満腹になったのか現場に戻り工事を再開した。
ルナ・シェロス姫
「それじゃ私達も食事をしつつ片付けもして午後の宴会の準備を致しましょ!」
小国から態々妹が手伝いに来た。
本来の精霊小国は妹が代わりにやっているのだけれど
今回の手伝いの事で執務は代わりにお父様達がやっているらしい。
ルナ姫
「そういえば・・・お姉様の将来の旦那様は?」
リーン
「建物の内装の指示に今出ているのよ、挨拶はまた後ね」
私はそう
妹は頷き
ルナ
「分かったわ。それじゃ私は食器洗うの手伝って来るね」
そう言って他の人達の下へ行った。
数時間程掛かって一通り内装も終わったらしく―――
ディバイン
「―――――。今ここに、唯一多種多様の種族達が集う大きな学園・・・【シェンテ魔導学園】を開門するッ!!!」
ディバイン様のその声と共に帝都の人達や村の人達、さらには王族の人達も皆一斉に喜んだ。
ある人は握手をしていたり、抱き合って友情を深めたり。
そんなこんなで―――宴会が始まった。
ディバイン
「よっ、お疲れ様。リーン」
ディバイン様はそう言って座っている私の元へ来て隣に座った。
私は笑顔で――
リーン
「お疲れ様です。ディバイン様、結構頑丈で立派な建物が出来ましたわね」
ディバイン
「あぁ、将来小さい子供等やステータスが飛び抜けている子らの為に全力でサポートしたくてな」
ディバイン様がそう言って完成した立派な学園を見る。
雨風含む数多くの災害や魔法発動後による損壊や腐敗等を含むモノ全てを考えたうえでの立派な建物だ。
リーン
「そう言えば・・・私の妹に会いました?ディバイン様」
私がそう言うとディバイン様は普通に良い笑顔で
ディバイン
「おう、普通に挨拶したぞ」
ディバイン様はそう言って笑顔で答えてくれた。
その後は皆、登校出来る日までに数十ヶ月は掛かるらしく、その間に1年生から4年生までの資料や、見込みのある生徒候補。
中には教員立候補者などの資料が入り混じっていた。
ディバイン
「様々な行事を
女神様が直接干渉している。
本来であれば女神様は人間達を見守る側だ。
ディバイン様に直接会ったりする事があるのはもしかして―――
リーン
「そうだ!私、ラノス様に聞きたい事とかあったんだわ!」
私はそう言ってディバイン様の下を離れてラノス様に聞きに来た。
ラノス
「
「それと」と続け様に
ラノス
「私の種族の
[
とある国では王族に呼ばれてこの世界に来た者を転移者とも言うらしい。
全ての種族との大戦争の時に知られる事があったが・・・昔の王族はかなりひどい状況下で転生者を元の場所へ送り返す事もあったと聞く。
リーン
「ディバイン様はもしかして・・・?!」
ラノス
「本人は知らずにアズリア様と接触しているようだけど・・・本来なら神官職とか聖職者しか面識ないからね?あと天神族も」
私自身、女神様に会うのはおこがましいと思ったけど・・・教皇猊下様が丁度明日謁見するらしく、午後の空いた時間に会ってみようと考えた。
ラノス様の傍に居た聖者のアノーン様にも話をする。
聖者アノーン
「ディバイン様について?」
リーン
「えぇ、せっかくなので女神様に会ってディバイン様の事でお話しできたらと」
私がそう言うと、少し間を空けて聖者アノーン様が頷き
アノーン
「分かりました。今日の所は帰りますが、明日ディバイン様と一緒に教皇猊下様の居る教会にお越しください」
リーン
「分かりました、有り難うございます。態々」
アノーン
「いえ、殿下も自分自身の事について知って貰った方が良いと思ったので」
そう言ってそのまま別れた。
その後私はディバイン様の居る部屋に入り
ディバイン
「明日?」
リーン
「えぇ、予定は空いていますか?」
そう聞くと
ディバイン
「あー、大丈夫だぞ?特にやる事無いし、父上に外出許可貰ってからにするよ」
リーン
「分かりましたわ、おやすみなさい。ディバイン様」
私はそう言ってお休み前のキスをしてそのまま部屋を出た。
リーン
「(さて、秘密を知るからには共有しておかないと・・・多分陛下や皇后陛下も知っているわよね?)」
そうして私は今の自分の部屋に戻り、そのまま就寝した。
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