episode3「皇族としての仕事」

翌朝、俺はデスクに向かって書類等の仕事を―――魔力を循環しながらの完全コントロールし、執務を行っていた。


ディバイン

「ガーナー、スマンこれをロックの従者にお願いしてくれ。こっちのはカース自身に頼む」


ガーナー執事長

「畏まりました」


今日は朝早くから父上は俺やロック、カースの三兄弟の母親達の故郷に視察しに行っている間に父上に成り代わって執務をしていた。


ガーナーが書斎を出てから数分後ノックする音がしたので入らせると、俺の従者のカルヴァーンが来た。


ディバイン

「どうした?カルヴァーン」


カルヴァーン・ヘラクレス

「陛下へ訪問しに来たと言う獣人大国の王がお見えになりました」


獣人大国、全ての森を保護下として獣神族と霊神族が同盟を結んだと言う話を前に一度3兄弟揃った時に父上から食事の際に聞いた。


その事だろうと俺は思い居間に待たせるよう指示し、手前にある仕事を一旦中断してそのまま居間に足を運んだ。


リット

「殿下、どっか行くのか?」


ディバイン

「師匠!師匠は確か執務はやった事あるんですよね?」


リット師匠はこう見えて魔神族の中で秀才だ。


そんな師匠に頼むのはあれだが、師匠は気にせず了承してくれて代わりに書斎に行って貰った。


獣神族の王の元へ急ぎ足で行き、居間に着いた。


シルフォン・ヴォートレス獣人大国国王

「む、来たか・・・って、あん時の若造か!」


ディバイン

「お久しぶりです。シルフォン国王。アンノス女王は息災ですか?」


シルフォン

「無論だ。ボウズのお陰ですっかり良くなってな」


シルフォンさんは獣人大国の国王で獣神族イチ強い人だ。


俺がまだ10歳で弟達が9歳と8歳の時に俺が代表として訪問した際、獣人大国特有の魔熱病に罹っており、俺が魔法と処方しておいた薬で元気になったらしく―――


今現在までは魔熱は起きて無いと言う事だ。


ディバイン

「良かった・・・・今日は申し訳無い。父上は今現在、母上達の故郷に一度訪問していまして暫く時間が掛かるかと思います」


俺がそう言うとシルフォンさんはやれやれと言った感じで息を吐く。


シルフォン

「アイツの忙しさは知ってたが今更になって妻の実家へ訪問か・・・事前にしとけば良いものを」


シルフォンさんも俺等兄弟も知っている。

自分達の母上は根からの真面目なんだが・・・三家庭共々、母上の実家はどこも短気ゆえに父上を困らせる曲者だ。


父上が言い返そうにもウダウダウダウダと国王の前に強く言い返すバカな連中だからだ。


今回の急な母上達の実家訪問は何かと問題が多い、他の国々では年に1回程度で済む話だが一週間に1回の月に10回程顔を出せとの煩い話が挙がっているとの話も聞いている。


シルフォン

「ふむ、ボウズは確かグラエルから次期皇帝へと推されているらしいな?」


ディバイン

「勿論、兄弟揃って権限を持っているので・・・そうだ!」


父上からの権限を持っている為―――王宮へ召喚などが出来る。


なので話を獣王との終えた俺は今すぐに書斎に戻り、書面を三家庭に送る準備をした。


ディバイン

「レブル宰相!この手紙をお前の配下達を使って母上達の実家に届けてくれ!今すぐにだ!」


俺はそう言って急いで来た宰相のレブルさんを呼び出した。


レブル・カウス宰相

「畏まりました、お前達、緊急だ!今すぐ皇后陛下と側妃様達のご実家に送り届けよ!」


レブルのその的確な指示により彼の部下達は大慌てて手紙を送りに行った。


一方その頃―――


国王陛下が自ら嫌と思う程向かわなければならない自分の妻の実家に嫌気がさして来た。

皇族でも相手からの無理な要求は無理と伝えたいがそれを聞く家族ではない事を自分の妻から聞いていたのだ。


若執事カイ

「レノロ様、レック様お話し中、申し訳ありません届け物が――」


レノロ・レヴェ・ガロン公爵夫人

「何よ!話の途中に割り込まないで頂戴!」


レック・ズィスター・ガロン公爵

「全く、どいつもこいつも・・・・ん?手に持ってるそれは何だ?」


レックが若い執事の手に持っていた封筒を見て若い執事が差し出す。


若執事カイ

「お二人の御孫様からです。」


若い執事がそう言って礼をしその場を離れた。


―――と、ここでグラエルとエイリが驚いた。


グラエル

「まさか・・・」


エイリ・ヴィーン・オズロック

「あの子が皇命を・・・!」


皇命――――それすなわち皇族から王宮への呼び出しとされる召喚状。


手紙であれ、背けば大罪人として扱われ、貧相な生活を余儀なくされる。


皇命に背かず召喚に応じれば大罪人のレッテルを張られずに済むのだが―――


レノロ

「――――!!!う、嘘でしょう!?」


レック

「ど、どうしたレノロ!見せてみろ―――な、何だこれは!!」


カノン・ゲーテ・レリクス

「お爺様!お婆様!外に迎えらしき騎士達が!」


レック公爵達に届いたその手紙は―――ディバインが書いた召喚状の手紙である。


手紙の内容は―――自分や兄弟達の母親の実家に対する【】だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る