episode2「二人の師範」
俺は足早と父上の元へ行き―――
ディバイン
「父上!お話し中申し訳ない!折り入って頼みたい事が―――」
勢いよく玉座の間の扉を開けて父上に急ぎの話をしようとした時―――
鍛錬しているかと思いきや弟達との稽古をすでに終えた後の様で、天神族の女性と魔神族の男性の二人が謁見をしていた直後だった。
父上は俺に気付き
グラエル
「ガーナーからは事情を聞いている。丁度お前の目の前に呼び出しておいたぞ」
父上がそう言ってその二人の男女を紹介してくれた。
その二人は俺に向き直し片膝を着き
魔聖リット
「グラエル皇帝陛下の命により召喚されました私の名はリット・ヴィア、ディバイン殿下のお耳に聞かれたと思われますが私と―――」
剣聖ラノス
「同じく召喚の命を受け登城致しました、ラノス・ヴァーリと申します。」
世界一と言われているその女は剣聖で騎士団を総括する総指揮官として有名なラノス・ヴァーリ、ヴァーリ家の唯一にして最強と
愛用装備品はアダマンタイト以上の堅さを誇る特注装備品でどんな物理や魔法さえも通さないように作られている。
そしてもう一人、隣にいる男は魔導師とは思えない程の軽装備だが魔法と物理を完全無効化した装備品を身に着けている。
その男も彼女と同様で魔聖で俺と同様オリジナルの魔法の数々を生み出してさらに魔力の消費さえも抑え込む事に成功した天才的エキスパートでリット・ヴィア。
彼女同様ヴィア家から出た天才だ。
リット
「んで・・・皇帝陛下から聞きましたけど・・・マジかよ」
ラノス
「リット以上にすごい数値のステータスね・・・」
そして、二人は俺の師になってくれる事を受け入れてくれた。
なので早速自分自身のステータスを公開したのだ。
ディバイン
「普通の平均的なステータスって生まれた時から決まるんですよね?」
俺がそう問うとリット師匠は頷き
リット
「あぁ、基本的なステータスは平均でも100以上なんだよ、だけど厳しく言えばステータス内で一つだけ」
聞けば本来、どんな職の人でも誕生期は必ず魔力を持ち、さらにはステータスが基本的に"一か所だけ"100以上であればそれに見合った職が良しとされる。
俺自身赤子の時にステータスが
ラノス
「【女神アズリアの慈愛】!?」
リット
「らしいな、しかも中身が【女神からの愛により常に成長し続ける】効果らしい。つまりだ―――俺等が教えようにも殿下に教える様なモンは
リット師匠にそう言われ肩がガクッと下がってしまったが―――
ディバイン
「あーそれなら・・・気を付ける事ありますか?俺まだ魔力のコントロールとかついでに弟達にも師事して貰いたいんですが」
俺はそう言って次男坊のロックと三男坊のカースを念話で呼んで連れて来た。
俺独自の方法で教えたり、騎士団に交じって魔物を撃退する手伝いをしたり時折父上に鍛錬を頼んだりとして置いた結果、ロックがLV39で俺にはまだまだ届かず、カースがLV57にまで上がってステータスはロック同様届いてなかった。
そんな二人を見せた後に師匠達は頷き
リット
「俺ら二人に教えるまでもなく自分でやったやり方で何度もチャレンジしてみてくれ。失敗しても良いから・・・・あとロック殿下は剣術よりかは魔導師向けだな暫く預かっても良いか?」
ラノス
「それなら私はカース君ね思った通り剣術が使い慣れてるみたいだし」
二人がそう言って、次の日から本格的に始まった。
ロック
「無詠唱って難しいですね!兄上!【
カース
「兄弟でもここまで差があるとは思えないですね兄上」
カースは木人を避けながら切る避けながら切るの繰り返しをして、ロックは全属性の魔法が扱えるのでその中でも得意な土と風を扱った魔法を利用し特訓している。
リット
「うーっし、3人共、今回の分は此処までな!しっかり風呂入って身体休ませておけよ!」
リット師匠はそう言って修行の場を去って行った。
今日使っていた道着をメイド長達に洗濯して貰い、3兄弟で久し振りに風呂に入った。
ディバイン
「―――で、二人ともどうだった?俺の方を見て」
ロック
「そうですね、強いて言えば欲の余りに魔力がうじゃうじゃ出てるオーラを感じ取りましたね」
カース
「ディバイン兄上の魔力は師匠達に比べれば多すぎるからねぇ~減らしても次の日には全力回復しているし」
そして晩食を取り、いつも通り各部屋に戻って就寝をした。
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