第2話 進化と報告

 モンスタートラップにはまり残り48体の魔物に囲まれ死を覚悟したその時頭の中に声が聞こえた。


『スキル【マジックボックス】レベル10であることを確認。スキル【進化】を発動し【マジックボックス】の進化を開始します。……進化完了。スキル【空間魔法】レベル1アイテムボック、帰還、重力操作を獲得しました』


 スキルが進化したのと同時に空間魔法の使い方のイメージが頭の中に流れ込んできた。


 アイテムボック……無制限にアイテムを収納することができる。この空間内では時間の流れが停まる。


 帰還……設定された拠点に帰ることができる。

 拠点1 アルマニオ


 重力操作……使用者の直系3メートル以内の重力を重くしたり軽くすることができる。


『何だか分からないけど逃げないと【帰還】』

 ルイスは一か八か魔法唱えたところ景色が一変した。先までダンジョンにいたのに俺たちが活動拠点にしているアルマニオという街の近くまで帰ってくることが出来た。ルイス自身も意味が分からず立ち尽くしていたが、急いで冒険者ギルドに行き殺されたことを報告しなければと思い駆け足で向かった。


 ギルドの中に入ると顔なじみの受付嬢のカミラがいたのでそこに向かうとカミラは所々斬られてたことで血が出ているルイスを見てカミラは驚いた。


「えっ!ルイスさんどうしてそんなに傷だらけなんですか?それに、他の皆さんは?」


「それが彼らにダンジョン内でモンスタートラップから自分たちが逃げるために置いてきぼりにされて殺されかけたんです」

 ルイスが事細かにその時のことをカミラに説明するとあの普段ニコニコと可愛い顔をしているカミラがこんな顔にとルイスが驚くぐらい怒り心頭のようだ。


「パーティーのために努力してきたルイスさんを殺すなんて許せません。ルイスさんのようなスキルレベル10のアイテムボックスを持っている人なんて引く手あまたなのにあのバカたちは彼の価値を何もわかっていないのかしら?」


 カミラが騒がしいので何事かと思いギルドマスターのテッドまでやって来た。


「おい、カミラ。先から何で機嫌が悪いんだ?」


「マスター聞いてくださいよ」

 カミラから話を聞いたテッドも怒りをあらわにした。


「はぁ、あいつらふざけているのか?仲間を生贄にして逃げるなんてルール違反だぞ。おいお前ら、ルイスの仲間だった怪力バカが仲間を殺そうとしたらしい。許せねぇよな?」


 ギルドマスターはギルド内で飲んでいたり、談笑していた冒険者にもあいつらが仕出かしたことを説明した。もちろん同じ町で活動し顔なじみである彼らも怒っていた。


「おい、ルイス少しの間裏に隠れとけ。俺があいつらから公開処刑してやるから。俺が呼ぶまで出てくんなよ」


 ルイスは黙ってテッド指示に従い、彼らが帰ってくるの待つことになった。

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