ダンジョン内で見捨てられたポーターは命の危機に直面してスキルが覚醒。無事帰還して見捨てた奴等にざまぁする!

猿のコルク

第1話 あっ、俺死んだわ……

 俺の持つスキル【アイテムボックス】とは、荷物を収納するためのすきるである。スキルレベルに応じて収納することができる量が変化する。

 このスキルは、冒険者や商人や国でも荷物をもって運ぶより便利なため、重宝されているスキルなのだ。


 当然俺は力を生かすべく、幼馴染達と共に村を出て冒険者になり、パーティーを組んだ。ガキ大将兼リーダーのグレンは超人的なパワーを発揮することができる【怪力】のスキル、敵の攻撃を引き付ける壁役で体が鉄のように固くなる【硬化】のスキルを持つガイ【回復魔法】のスキルを持つヒーラーの女の子ローナ、弓を使って仲間の背後から攻撃をする【弓術】のスキルを持つコーディ、【アイテムボック】を持つ俺ルイスの計5人で冒険していた。


 俺は皆のように戦闘向けのスキルではないが、役に立てるようにならないといけないと思い、剣を振り、スキルレベルを上げる訓練をしてきた。お陰でスキルレベルは10となりカンスト、収納できる量は無限、時間の流れが止まり劣化を求められるまでに至った。剣の腕は、オーク一匹なら一人で倒せるまでになったのに、ある日僕は彼らに裏切られることになった……


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 ダンジョンの20階層のボスを倒し、一旦地上に戻ろうという話になり帰っている途中小部屋を見つけたので確認をすると中央に宝箱が置いてあった。


「おっ、ラッキー宝箱じゃん!」

 リーダーのグレンは宝箱を見つけ興奮していた。


「部屋の中央に宝箱って怪しくないか? 開けないほうがいいと思うんだけど」


「せっかく人が気持ちよくしてる時にうるせぇんだよ。リーダーである俺に指図すんな」


「おい、ルイスなんか無視して早く開けろよ」


 ルイスは空けるべきではないとグレンに言ったが、聞く耳を持たず、他の仲間も開けろと言っていた。


「よし、開けるぞ。お前ら見とけよ」

 グレンが忠告を無視して宝箱を開けた瞬間小部屋一体に魔法陣が現れた。ルイスはこれが何かいち早く気が付いた。


「おい、モンスタートラップだ。ヤバい逃げるぞ!」


 モンスターはルイス達のいる中央を囲むように50体ぐらいのゴブリンやスライムやオークに囲まれた。全員が武器を構え応戦したが既に満身創痍の為帰還する途中であった彼らにこれだけの数を倒す力は残ってなかった。


「ルイス、お前がここに残って俺たちが生き残るために時間を稼げ」


「は?」


 グレンが無茶苦茶なことを言ってきた。余りにも突然なことだったので、俺はグレンが言った言葉の意味を理解できなかった。


「お前はアイテムボックがあるから入れていたが、戦闘に役立たない荷物持ちなんていくらでも替えが効く。みんなでお前をパーティーから追放する予定だったが、ちょうどいい。村でも期待された俺たちはここで死ぬわけにはいかないんだ。だから、ルイスはここで死ね」


「おい、それはどういうことだ。死ねなんてふざけてるのか? なぁ、皆もそう思うだろ?」

 ルイスは皆に確認したが、何もいあってくれなかった。


「ウソだろ……」

 ルイスは誰も否定しなかったことでショックを受けた。


「ガイ、効果でここを突っ切れ」


「おう!」

 ルイスを置いてガイは大きな盾を持ちモンスターに突進して道を作り逃げて行った。


「おい、待て!」

 彼らは、ルイスを残して行ってしまった。


「クソッ! 俺はここで死ぬのかよ」

 残った力でゴブリンを2体切り殺すがもう限界だった。弱った獲物を殺すためモンスターは目をギラギラ輝かせながらルイスへと迫ってきた。


『せっかくみんなの為に頑張ったのに……こんなところで死にたくないな』

 ルイスは死を覚悟したその時……。

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