第3話 思い付き、それさえ許されるうどん

さて、今朝もうどんを作りますか。

鍋でお湯を沸かしながら、冷蔵庫の扉を開ける。


昨日の残りのおかず

豆腐

野菜

鶏肉


・・・今日は何うどんにしようかな。


頭空っぽで時たま、てきとーにする味付け『醤油』だけじゃ、それも今日はなんだか味気ないし。とはいえ、朝に手の込んだものは中々できないな。


鍋がグツグツと音をたて始める。

もう一度冷蔵庫の扉を開く。


ドアポケットの、真ん中の棚に目がとまった。

今日は、これにするか。






使うのは、キムチ鍋の素と卵1つ。

うどん1玉を茹でながら、

器にあらかじめこの2つを用意する。

卵を割り入れて、鍋の素はお好みの量で。


茹で上がったうどんをザルにあけて、冷めないうちに器へ投入!

うどんと、鍋の素、卵をののっと絡めていく。

熱々のうどんで黄身白身がちょっと固まるのに、心踊る。



熱々、辛めだけど卵でまろやかになった麺をずずっとすする。

さしずめ、『キム玉うどん』って所かな。




マスク時代なので許される食事のような、

とはいえこの刺激的な味と香りと色に、食欲が増す。

1玉うどんはつるんっと器をのぼっていく。


卵特売日後の、ちょっとした楽しみ。

卵がないときは、また別の味付けを考えないとね。



明日は、何うどんにしようかな。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る