第5話 月

帰り道、信号は赤止まれ

飛ばす車過ぎて虫の声

遠くの方で俺を呼ぶ声


何言ったかわからない

気のせいだと思うと少し

空しい気持ちが込み上げる


夜の静寂の中 自転車こいで行くのさ

ぬるい風を 受けながら走って行く


こんな日々が求めているものですか

時間を過去をすべて月に投げ捨ててしまった

すれ違う知っている顔の男女

今俺の頭の中は知らない人とのラブストーリー


パチンコのネオン眩しく

虫が飛んでる中を抜けよう

雨が降ってきた傘は無い


通り雨だと思いたい

薄汚れた曇りの向こう側

月が俺をぼやけて見ている


ポツリと点く 明かりの次は下り坂 

最高スピードで 走れない俺、弱い虫


こんな日々が 求めているものですか

時間を 過去を すべて月に投げ捨ててしまった

すれ違う 知っている顔の男女

今 俺の頭の中は 知らない人とのラブストーリー


何か突き動かすものは

見て見ぬフリお上手になって

気が付けば何も持っていない

虚勢と無知、意固地と無情


こんな日々が 求めているものですか

時間を 過去を すべて月に投げ捨ててしまった

すれ違う 知っている顔の男女

今 俺の頭の中は 知らない人とのラブストーリー

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