第16話 勝っても負けても
どういうことなんだろう?
いったいなんでこんなことになったんだ!!
ことのおこりは2時間前
『母さんには言っておくからいいよ』
その言葉を信じていた。
結果今この状態にある。
母さんはいまだに寝る用意すらしない俺にしびれをきらし
上にあがってきた。
俺と父さんはパソコンの皇宮打破のゲームに夢中で気が付かなかった。
ぶちぃ!!!
一瞬すごい音がして電源が切れた。
ええええ?
『悠はもう遅いから寝なさい!何度言ってると思っているの?』
恐る恐る母さんを見る
頭にゆげがあがっているのかといわんばかりに顔が真っ赤だ。
『そしてあなた…ちょっときてくださる?』
父さんも真っ青だ…。
言ってくれるんじゃないの?
父さんは真っ青な顔をして母さんのいる居間へ向かった。
俺はとにかくパジャマに着替えて歯を磨いて居間へ向かった。
おやすみを言うためだった。
『いいかげんにしてもらえますか!!!』
母さんの怒鳴り声が聞こえる。
『でも約束をしたんだから仕方ないだろ?』
『そういうことじゃないでしょ?常識としてありえないって話をしているんです!!』
『しかし明日は休みだし今日ぐらいいいだろ?』
『何を言ってるの?そういう考えがすでにだめなのよ!子供の22時を越えてのパソコンは後々影響もあるから辞めてほしいってお願いしたはずよね?』
『これぐらいいいじゃないかいつもあるわけじゃないし』
『これくらい!!!!何を言っているの?これぐらいのことも守れないからだめだって言ってるんです!22時を越えて起きていることは私が許しません!わかっていると思うけど子供にとって睡眠は成長のために一番重要なことなのですから!大人のあなたがそんなんでどうするんですか!』
居間は冷ややかな空気が流れていた。
どうしよう…。
でも大会中に抜け出したらもう参加できなくなる…。
『母さん…。』
俺は居間を除きこんで二人の間に入った。
『僕も大会の途中で抜けるのは他の人の迷惑にもなるからいやなんだけど』
母さんは無表情に静かにため息をついて
『あなた…いくつ?』と聞いてきた。
『え…。10歳…。』
『そうよね?もうすぐ11歳になると思うけど…まだ親の手を借りて生きていかないといけない年齢でもあるわね。そして成長期でもあるわ…。そんな子供が夜ふかししていいと思っている?』
『わかってるよ…。けど…お願いだから今回は最後までやらせて!』
母さんはふぅ~とため息をつくと
『最後までやったらそのゲームを消してきっぱりやめると宣言できる?』といってきた。
『おまえそれはないだろう?いくらなんでも』
『あなたは黙って!守れるかしら?』
俺は母さんがゲームをすることにたいしてよく思っていなかったのは知っている。
だからこれは母さんにとって俺からゲームを取り上げるチャンスなんだろう。
『大会はたぶん3日間あります。大会時間は今日と同じ…それが終わったら…』
『終わったら?』
『ゲームを削除してもうやりません…』
終わった…。
泣きそうだった…。
母さんを見るとふんと鼻息をついて
『ではやりなさい…3日間は…けどそのあとはゲームを消して2度とやらないでちょうだい』そういうと居間から出ていった。
眼がしらが熱くなり・・・涙があふれた。
『悠…』父さんは俺を悲しそうに見つめた。
『とにかくつないでみような…。』
涙をふいてパソコンの前に座る
この大会が終わったら…皇宮打破のゲームを削除しなくてはいけない‥‥。
大会中にサフランや他の人たちに自分はこのゲームをやめないといけなくなったと説明しないといけない…。
わかっている…自分が一番悪いっていうことは、だけど仲良くなった友人とつながりを消さないといけないことがつらく俺の気持ちを暗くさせた。
ログインすると先ほどの待機場所に飛んだ
つくと同時にメッセージが入ってくる。
「あれ?落ちた?」
ごめんサフラン…この試合でもってゲームをやめるよ‥‥。
そういうのはこの大会が終わってからでも遅くないよね?
さっそくサフランにメッセージを送るとすぐに返信が届いた。
『びっくりしたよ!急にいなくなるからドキドキしちゃった!』
『ごめんね…ちょっと回線がおかしいみたい』
『大丈夫だよ…こっちでも回線がよくなくてばんばん落ちているし2戦目入る前に入っていたら大丈夫だって言ってたから心配しないで』
『ありがとう…。』
『また後で合流でもいいかな?やっと調査していることがわかりかけていてとりあえず報告がてら皇城にいくからそこでまた会おう!』
『うん!ありがとうサフラン』
このやりとりをメッセージでおくると俺はさっそく動いた。
とにかくチームを勝利に導かなくっちゃ!
自分が集めた情報だけでさまざまな画策をし相手の待機場所を確認しにいった。
やっぱりか・・・・。
以前渉君から貸してもらった攻略本の中に国取り合戦が始まったらやるべきことがあると書いてあったのを思い出した。
① 情報収集
② 防御
③ ほうれんそう~
ってほうれんそう?なんだ?
食べるのか?
ポパイみたいに強くなるのか?んなわけない💦
ネットで調べると
報告
連絡
相談をすることをほうれんそうというのだと
社会的な常識らしい
わかんねーや💦
とにかくいったん報告するために皇城へ戻った
そこにサフランも戻ってきていた。
なんとグラントやアラン騎士やサクリナさんも来てくれていた。
アンソニーはあれから努力したんだろう騎士見習いから正式な騎士になっていた。
なんか・・・勢ぞろいって感じだな・・・。
相手方は地形にそってやってくる
そこをごみ作戦で足止めしつつ挟み撃ち作戦
戦い方を提言するとさっそくアンソニーや
『それだと力が分散されて下手したらこっちが足をとられる可能性があるから城の壁を利用して挟み撃ちしたらどうだろう?』
そう言ってくれた。
いろいろ意見が出て一番確実な方法で攻めることになった。
『よし!みんな頑張ろう!』
あと5分で第2回戦が始まる。
ここで決める!
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