第13話 調査の結果
サフランに頼んでおいた調査の結果を聞くためにログインした。
神殿の調査については今の段階では不十分だが時間もないことだし仕方なくまずは魔宮殿のほうの調査結果をきくことにした。
加護システムについてもわかっていることだけをなるべく報告しておかないと時間がたてばたつほど神殿にとって有利になってしまうだろう。
そんなことになったらますますアレクサンドライトの奴隷落ちが決定してしまう。
『あ!亜貴さんこっちです!』
今日はサフランはこの前とは違いブルーのドレスをまとっていた。
『あ!これは向こうの魔宮殿で購入したドレスです。どうです?よくできているでしょ?』
え?買ったのそれ?
サフランは楽しそうに裾を翻しながらそう微笑んだ。
『ぜひみなさんにも着ていただきたいものを購入してきました。』
いや・・・・いいんだけどまずは大丈夫?
『問題ないですよ!ステータスに影響もないしただ防御力は断然あがりますけどそれだけです。』
魔宮殿のことを教えてほしいんだけどなぁ・・・。
『あと魔宮殿ですがもともと増えすぎた競技人口に対してサーバーに負担がかからないようにするために作られた組織だそうです。』
じゃあもしかして神殿についてもそういうこと?
『他にはなにかつかんできた?』
サフランは首を横にふると
『ごめんなさい…深く調査するためには時間が足らないかもしれません』
そういった。
俺はため息をつくとサフランに簡単に神殿のことや中にいる神官のことや加護のことについて話した。
そして加護については重々注意をしなくてはいけないことも伝えた。
『加護システムかぁ・・・興味深いなぁ・・・。何でシステムをくんでいるんだろ?やっぱC言語かな・・・。』
さっぱりわからねぇ・・。(汗)
『そのC言語でそんなことできるの?』
『さぁ?でもシステムを組むとしたらその辺かなぁと思って…。』
もうすぐ大会だ・・・。
それまでに情報をかき集めなくてはいけない。
ぎりぎりまで情報戦が繰り広げられる、そこで最新の情報を得たほうが勝ちとなるわけだが・・・。
サフランから提供される魔宮殿の情報はこれといって普通だった。
可もなく不可もなくといったところだろう。
私にしても神殿の調査については行き詰っていた。
正直今の時期から調査といってもボロをだすわけがなかった。
大会も近いことだし絶対に神殿も魔宮殿も自分たちの不利になるような情報は与えてくれない・・・それはわかりきったことだった。
じゃあどうすればいいか?
情報が出せるように働きかけをするしかないだろう。
もしくは周辺の聞きこみ調査を地道にするか。
まずは自分のところを知ることも必要だし
宰相以下とも挨拶しておかなくてはいけないことも出てくる
そうなってくるとますます動けなくなる可能性は大だ。
大会概要をもう一度読んでみると
「以下は大会概要である。
皇宮打破は6つの宮殿から成り立っており一つの宮殿にて地位を築いてもらいます。
その中で大会に参加できるレベルは
皇王
皇妃
宰相
大臣
伯爵
公爵
子爵
男爵
騎士
この9つのレベルのものだけである。
参加資格はないが皇王と皇妃は従者をつけることができる。ただしひとりにつき1名まで。
大会に参加するレベルの人間で到達してから3か月たっているものについては敗退をした場合奴隷落ちする可能性がある。
その場合次の皇妃は従者の中から選ばれることになります。」
うわーがっつり書かれているし
どうしたもんか・・・。
とりあえず俺は皇王に従者としてついて
サフランは皇妃に従者としてつくことになった。
そうこう言っているうちに大会の日がせまってきた。
とにかくここまできたらやるしかない!
俺は皇王に謁見し従者として命令を聞き動くことにした。
皇妃アレクサンドライトについてはサフランがついてくれるし
問題ないだろう・・・そう思っていた。
俺は皇王のところへ行き命令を聞いて命令を遂行するべく宰相のところへ皇王の命令を伝えにいった。
宰相は俺の皇王の命令を聞いてどうしたら勝てるか大臣や騎士たちと会議をする。
ようはこんな感じ
皇王
皇妃
宰相
大臣
騎士
実際伯爵とか侯爵とか男爵の地位をもっている人が戦略に入ることは普通はないらしい。
例外があって宰相や騎士に任せられない事案が発生した時だけ動くそうだ。
俺は皇王より渡された紙きれをもって宰相の部屋へ行った。
そこにはサフランがすでに宰相の部屋に入っており何かを伝えていた。
『すぐに終わるのでお茶でも飲んでまっていてほしい』
そう言われてお茶を出されたので飲んでまつことにした。
そこへ騎士が入ってきた。
『すでに動いています。どうされますか?』
『1皇宮としか戦えない!だから一番近いところから攻略するしかないだろう』
『まずはどこと最初に対戦するかは発表があるってきいているからどことあたるかわかってから対策しても遅くはないと思う。』
『え?こういう大会ってグループでトーナメントいたいな感じであたるの?』
『野球と一緒でトーナメント形式だよ。』
ちょっとびっくりした。
サフランがいうには昨年もそうだったけどまずトーナメント形式で勝ち上がってきたところと次に対戦するという形になっているらしい。
昨年優勝したチームはシード戦として勝ち上がってきたところと戦う形らしい。
昨年の優勝は蛇地皇宮だった。
だから蛇地皇宮はこの5つの皇宮の中で勝ち上がってきたところとあたる形になる。
『準優勝の風亀皇宮もシード戦だよ』
とりあえず最初にあたるところは
火皇鳳凰
光皇神殿
閨皇魔宮殿
この3つのうちのどれかに最初にあたるだろう。
発表はZOOM招待された参加者に告げられる。
だからその日は何が何でもオンライン状態でないといけない…。
『サフランは入れる?』
『私は念のため大会参加の期間は有給とって入るつもりでいるけど』
『有給?』
『仕事しながらやってるからね』
『俺は夏休みだからとりあえず親がいいって言ったら大丈夫かな』
『え?学生なの?』
『うん』
サフランは少し考えると
『もしかして高校生?』って聞いてきた。
まぁそう思うよなぁ…。
『違うよ』
『え?じゃあ大学生?』
『そっちじゃないw』
『ま・・・まさか中学生?』
『小学生です』
『ええええー!!!!』
このことは内緒にしてほしいとサフランに頼み込んだ。
『内緒にするよ…つかびっくりだよ…親は何も言わないの?』
『最近ちょっと怒られた…勉強しないならやらせないって!でもやりたいから頑張って宿題終わらせているところ』正直終わる気がしない…。
するとサフランは『そっかぁ…わからないところあったら言ってね。教えてあげれるしね』
『ありがとう・・・』
ん?教えてあげれるってまさか・・・。
『あー塾の講師してるんだよ。小学生も教えてるよ』
なるほど~💦
『ZOOMの発表は明日だから皇王さまと皇妃さまが聞いてくださるのをログインして待っておいたら大丈夫だと思う。』
『うんそうだね…。』
『とりあえず君の年齢のこととかはだまっていよう…』
『いろいろと面倒だからね💦』
いよいよ明日が大会のオープニングだ…。
宿題を早めに終わらせて11時までにログインをしておかないといけない。
終わるだろうか・・・。
机の上の宿題の山を見つつため息をつきながら俺は寝る時間ぎりぎりまで宿題をすませた。
眠い眼をこすりつつも今日はやることがいっぱいある!
そう思い必死で起きた。
顔を洗い歯を磨いて朝ごはんを食べる。
終わったら夏やすみの宿題を終わらせる。
今日の分が終わったら風呂掃除をする。
そしてやっとお許しが出て11時少しまわってしまったがログインできた。
すでにみんな待っていた。
『今大会委員会から説明をうけています。もう少しで発表なのでしばらくお待ちください。』
はぁードキドキする…。
『サフランそのドレスとりあえずかえようか…。』
サフランはええ!って驚いた顔をしながらなんで?という不思議な顔をした。
『だってこれって閨皇魔宮殿で購入したドレスでしょ?なにがあるかわからないからとにかくいつもの服装に着替えて』
ぶつぶついいながらもサフランは着替えてもとの服にもどった。
『最初の対戦相手決まりました。最初の対戦相手は閨皇魔宮殿です。』
発表と同時にみんな仮死状態のような感じになった。
『え?なんで?』
『サフランまさかとは思うけど…。みんなに配ってないよね?』
サフランはおどおどした目できょろきょろしながらえへっとベロを出した。
ちょっとー!最初から使えない!!!
ため息をつきながら仕方なく
騎士は動ける人がいるのね
動けないのは
宰相
大臣か…。
肝心のかなめが…仕方ない。
こういう時の緊急時で
伯爵
公爵
子爵
男爵
この方たちを呼ぶか…。
とにかくサフランにドレスを回収するように伝えると
4侯爵を呼ぶため
呼び出しの書類を作って他の侍従に渡した。
なんとか間に合ってくれると助かる…。
すでにアレクサンドライトは真っ青な顔をしていた。
『もう・・・無理だわ・・・。』
『え?なんで?』
『来てくれるわけないじゃない!あの人たちが!!!』
皇王もだまっている。
『亜貴…もしかしたら負けるかもしれない。』
え?
『4侯爵から僕たちはあまりよく思われていないんだ。』
なんですと?
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