第5話 皇妃
グラントは、にやりとわらうと
『頼まれた!』と冗談っぽく言って笑った。
『今からだったら
ちょっと
皇王がどんな人か見てみたいし、皇女の状態も知っておきたい。
部屋の鍵を閉めるとついてくるように言われてグラントの後ろをついていった。
やがて
『陛下!グラントです。入ります!』
奥からはいりたまえという声が聞こえるとグラントは扉を開けて入った。
皇王と呼ばれるそのアバターは輝くプラチナブロンドに青い瞳のプレイヤーで種族も珍しい
たまに珍しい種族になるプレイヤーもいるらしく、今の皇王はそんな珍しいタイプの1人と言われているようだった。
『陛下…ご紹介します。こちら受付補助の亜貴です。』
俺は皇王に近づくと片足を着き挨拶をした。
『初めまして皇王さま。亜貴です。どうぞお見知り置きを…』
すると…不思議なことが突然起こった。
真っ白な光に俺は包まれ…。
皇王と同じプラチナブロンドに俺は変わっていた。
名前:亜貴
Lv
種族
智1 信1 仁2 勇0 厳0
書類整理ステータス4
種族変換ステータス1
あれえ?
グラントも皇王も目がぱちくり!びっくりしている。
ぼーとしているとグラントが何かに気がついて隣の部屋へ入って叫んだ。
『やられた!』
へ?
グラントの入っていった部屋には先程まで病気の皇女さまが寝ていたはずだったが…
しかしベットの上には何も無く。
乱れた毛布だけが残っていた。
えーとつまりは…。
謁見することもなく皇女が亡くなった感じですかね?
で?俺はなんでレベルと種族が変わったの?
教室でその話しを歩くんにすると大爆笑された。
『まじでー?じゃあいきなり男アバターから女アバターに変更になったつぅことかよ?ウケるー(笑)』
ウケるーじゃねぇ!
正直全く面白くない!!
『んで?その後、お前どうしたんだよ?』
その後は…護衛騎士がついたしそのまま護衛された状態で事務所まで一旦戻ったが、すぐに皇宮へ戻るよう言われ…。
結局のところ自分の仕事や荷物なんかはグラントに頼む形になって自由のきかない状態になってしまったのである。
超つれぇ…。
折角レベルも上がって受付補助になったばかりだったのに。
今度は皇女見習いって…。
『けどさーレアな種族なんだろ?いいじゃねーか!対戦会に参加できんじゃん』
『俺ら参加していいんか?』
『あ!だめだ…。』
うぉい!!
ただでさえ最近ゲームをしていることがばれてすげー怒られたばかりだしあまり目立ちたくないー!
そう思っていてもこういうことは続くらしく父さんにもばれた。
メールでくるもんねー
そりゃわかるよねーあはは…💦
とりあえず父さんには、適当に誤魔化しておけば大丈夫だろ?と思っていたら・・・。
『お前、まさか出るつもりじゃないだろな?』って言われてドキッとした。
実は出るつもりで少しいたからまさかの不意打ちで指摘されるとは思いもしなかった・・・。
そっか無理だよなーどうしよう?
小学生がゲームやってましたなんてばれたらそれこそ絶対親はなにしてたんだ?
ってな話になるだろうし
そもそも勉強頑張りますからやらせて下さいって頼んだ手前それはないでしょ?ってなるよなー。
実はなぜこんな年齢対象ゲームとか出来てしまったのか?
理由があった。
とあるエロゲーの大会でなんと小学生が優勝してしまったことがあるらしく…
しかも新聞記事にもなってしまい
ゲーム大会の運営は何をしていたんだ?というちょっとした問題に発展してしまったようなのである。
だからというわけではないがCEROなんて対象年齢がゲームにできたという。
ぷよぷよとか桃鉄のゲームとはまったく毛色の違う大人のゲームのためCEROが高くて当たり前といえば当たり前なのである。
1部の格闘ゲームがCEROが高いのも暴力性があるとかもしくはエロ要素が強いとか…。
まあいろいろあるわけで…それでもEVOJAPANのような大きなゲーム大会とかでは保護者の許可があれば正式に出ることも出来なくはないようだった。
しかしでる競技はあくまでもCEROに乗っ取ってだが。
まぁ現段階では見習いなのでまだ試合できる条件に満たしてないためしばらくは大きな大会に出ることは無いだろうと考えている。
俺はとにかくなぜレベルが上がり違う身分が発生してしまったのか考えてみた。
歩くんによると条件が一致してしまうとたまにだがこういうケースが発生するため珍しくはないのだという。
しかしこの場合何人かは同じパターンでレベルが上がった人が近くにいる可能性が高いという。
ということはだ!
条件が同じやつで同じようにレベルのあがったやつが数人いるつうことはだ!もしかするとそういうやつで皇妃を目指すためになにかイベントをやるっつうことだよな?
なんか急にゲーム要素が強くなってきたぞ?
歩くんは気の毒にという顔をしながらもとても楽しそうな顔をしていた。
帰宅して父さんのパソコンの前に座ると父さんが横にやってきた。
『悠は今どの辺のレベルなんだ?』
珍しいな・・・父さんが俺のゲームのレベルを気にするなんて・・・。
『今皇妃見習いとして皇宮にいるよ。』
父さんはええ!という顔をししばらく考えていたが
『お前大会でるつもりか?』と聞いてきた。
もちろん年齢的にNGなのでそんなつもりはさらさらないのだが、父さんが出てもいいっていうのならできたらでたい!
そう伝えると父さんはしばらく難しい顔で考えて急に
『じゃあ父さんでエントリーして出るか!』と言い出した。
え!いいの?
つか父さんが隠れ
『父さんの名前でエントリーして悠は横で見学しながら指示を仰いでくれればそのとおり父さんがキャラを動かすってことで』
大会に出るということに興味はすごくある!だから出たい!
『それでいいから出れるならエントリーお願いします。』
『よし!そうと決まればまずは皇妃見習いから皇妃にしないとだめだから頑張れよ!』
なんだかわくわくしてきた。
一つの部屋に俺を含めた4人が呼ばれ皇妃になるための条件を話し始めた。
他の3人はもともと前の皇妃に仕えていた人たちで俺と同じように条件が近くにいたからという理由で皇妃になった人たちだった。
そのうち一人はあの日皇妃自ら呼び出していたという。
つうことはだイレギュラーなのは俺ともう一人の皇妃見習になった人だけ?
そのもう一人というのはもともと皇妃見習いなる予定はそもそもなかったという。
なぜかというと以前の対戦会で負けて奴隷になってしまった人だったらしく。
以前の皇妃も傍に仕えさせるつもりはさらさらなかったと言っていたという従者の話だったという限り俺と同じイレギュラーで見習いになった人だろう。
俺はなるべく目立たないように端っこに座って状況を見守ることにした。
皇妃になるための条件として以下があげられた。
①まずは完全にこのゲームの内容を把握していること
②レベルがすべて5以上であること
③対戦会に勝つためのノウハウを理解し勝てると確信していること
④あくまでも対戦会に出れる条件の整った人であること
なんか内容が薄いなぁ・・・。
これでいくと俺は完全に④でアウトだけどそこは父さんが変わりに出てくれるっつうことで条件を満たしていると考えてもよさそうだ・・・。
『これから対戦会の始まる日まで1か月間!見習いの皇妃さまたちにおかれましては皇宮内で過ごしていただくことになります。その間、
ただし
他の3人は顔みしりなのだろうか?
視線がすごい・・・。
特にひとりぎらりとした視線を送る人がいきなり話し始めた。
『サフランがなぜ皇妃見習いになっているの?ありえないんだけど!』
サフランと呼ばれた女性はこの中で一番身なりが貧しくどうやらこのサフランが元奴隷だった人ではないかと思った。
俺はもともと皇妃見習になるつもりはなかったけど
『どうせね!皆さん皇妃にななれないんだから
なんかこいつむかつくな・・・・。
一番4人の中で気の強い女性がそう言い放った。
どうやらこの人は元皇妃の
皇妃に呼ばれて皇妃自ら
『私のかわりに皇妃になってほしい』
と頼まれたんだと言い放った。
まぁそういう人もいるわな・・・。
『私負けなくてよ!』
はいはい・・・・。
そして皇妃見習い4人は対戦会前の皇妃になるべく闘いが始まったのである。
すげー不安・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます