第2話 レベルの世界

同じクラスの歩君も同じ皇宮打破で遊んでいると聞いて歩君が気をつけろよって言っていた推奨年齢のことを調べてみた。


ちなみにゲームの、パッケージについている

推奨年齢のマークをレーティングというのだが、レーティングは以下の感じである。


CERO A : 全年齢対象 

CERO B : 12才以上対象 

CERO C : 15才以上対象 

CERO D : 17才以上対象 

CERO Z : 18才以上のみ対象


これでいくと実は皇宮打破のCEROはDで17歳以上が推奨年齢だったりする。


大人が作ったルールだし

そもそもの話しこんなルールなんてゲームの大会でもない限り適応されないからあまり気にすることもないと…。


うん!大丈夫💦

同じクラスの歩君もやってるし

バレなきゃいい…😅


ログインするとさっそく水青龍宮近くへ行ってみることにした。


お城の入口近くに東屋みたいな建物があり、そこで受付をしてくれるみたいだった。


『ニュービーさんいらっしゃい!お城でのお仕事をご希望しますか?まずは登録をしますのでこちらを書いて持ってきて下さいね。』


渡された紙に名前と希望職種を記入

受付のお姉さんに渡した。


もちろん希望職種は受付


『皇宮のお仕事たくさんあるのに珍しいわね〜。』


受付のお仕事をしたい理由にはいくつか理由があるが、あまりその事を言わない方がいいかもしれないと思った。


舐めるように私を見ると濡れたような黒い真っ直ぐな髪を手の甲で翻しながら受付に戻り手続きを開始した。


色っぽい受付嬢だな…💦

やっぱり言っておくか…


『受付で、ある程度どんな人がどんな仕事に向いているのかを仕事をしながら見てみたいんです。その後お城でのお仕事をしてみたいかなぁ〜と思って‪w』


『ふぅ〜んでもねぇ…お城の中にもそんな感じのお仕事あるわよぉ〜そういう場所で働いてみる?たぶん為になるかもよぉ!』


手続きを終えた後、ステータスを見るように言われ見てみた。


『いい?ステータスを開くとそこに職業名が現れるでしょ?働く場所も地図で確認できるからそれをみながら行くといいわ。』


そういうと受付のお姉さんは1枚のカードをくれた。


『これはその場所で見せてね。通行証にもなるし身分証明にもなるけど1番はそのカードでお給料が支払われるから、落とさないように気をつけて!落としたことにすぐ気がついたら私のところへすぐに知らせること!わかった?』


すると取得ステータスにカードが入ってきた。

ゲームの中で給料が発生するのか…

だからCEROがDなんだな。


つか落とすことってあるのか?

と思って検索して調べてみたらなんと強制ログアウトさせられると持ち物が無くなるらしい💦

怖!!

しかも強制ログアウトさせられる状況というのはこの世界での重傷を負わされた時らしくしばらくログインできないとのこと。

戦闘とかなければそんなこともないだろう…


こくこくと頷いてウインクするお姉さんに別れを告げると地図を見ながら目的の場所へ行ってみる。

移動しながらも自分のステータスは確認してみた。


名前:亜貴 水青龍宮の皇民

Lv受付の見習い

種族 人族


そこはたくさんの本がたくさん積まれ塔のようになっている場所だった。


奥からガサガサと音がする。


『すみません〜誰かいませんか?』


近くの本の隙間からにゅっと顔が出て顎をクイッとあげながらこっちへと言われて通された。


『すまねーな、本来ならもっと片付いているんだけどなぁ。今はちょーと人材の再編中なんだわ💦』


よく見ると本だと思っていたものはファイルでたくさんの身分と名前が書かれた報告書だった。


『ようこそ!人材確保事業部へ!俺はグラントだ。君は?』


『あ!俺は亜貴です。よろしくお願いします。』


一応ね…ゲーム名を亜貴にしてみた。

バレたら困るからね…💦


『亜貴さん!よろしくね!』


『ここでは雇用された人にお仕事を割り振って人材配置を常におこなっている部署なんだよ!人事部みたいな感じだね。』


グラントの話によると常にお城の中のお仕事の配置は変えているらしく、配置を常に変えていくことで早くその人にあった仕事をできるようにしているのだとか?


『じゃあここの中でも配置変えはあるんでしょうか?』


『あることはあるけどね〜💦』


グラントは涙まじりのウルウルした目で堰を切ったように話しだした。


『こんな感じだからさぁ恨まれることがたくさんあって…手伝ってくれるなんて人今まで現れることなかったんだよね〜いやー亜貴さんが来てくれるなんて本当に助かるよぉー』


基本的には先程のお姉さんは受付のみで実際の紹介や身分の割り当てについてはこちらで受付するらしい。


たまに問題のある人材については一緒について仕事ぶりを確認し報告書をまとめてだすのがある程度とのこと。


問題があるのはなにも人材だけではなくて、たまに部署での問題についても調査することもあるとか。


さっそく書類の山を片付けてまわりの掃除をすませると。渡されたファイルに目を通し始めた。


『さっそくだけど亜貴さんにはこのファイル4つをお願いします。』


実際のプレイヤーが小学生だって分かったら仰天するだろうなぁ💦とか考えながら頼まれた4つのファイルをなんとかこなしていた。

ファイルを

確認中

保留中

そして報告必要にわけておいて報告必要の分だけ調査依頼へまわす。

たったこれだけである。


4つのうち2つは保留で2つは報告必要だったので調査依頼の書類を作成する。


作成しながらなんとなくグラント自身のことを聞いてみた。


『グラントさんはここに来てどのぐらいですか?』


『1年たったかなぁ💦』


なんかゲームだけど仕事してるんだ?

面白ろ‪w


報告必要の書類で調査依頼をかけるための書類作成だったんだけど、この依頼直接見た方が早いかもしれない…。


1つは騎士団の依頼


2つ目は商人の依頼だった。


この2つが報告必要とされたのには2つとも同じ内容で提出されたからだと聞いていた。


そのどちらも


武具の取引についてだった。


一方は騎士団に納品した武具の支払いがまだ未払いであるという訴えであり、もう一方は一方的に武具の取引きをしなかったというものだった。


『騎士団に対する侮辱である!』


声を荒げながら近づく金髪のいかにもな騎士と…


『騎士団が聞いてあきれる!納品したのに支払いをしないとはね!』


もう一方は女性商人ウェーブがかった黒髪を後ろに束ねた涙ホクロのある美人さんがきた。


パソコンゲームの中でそんなことってあるのかな?

本来なら取引ステータス画面を見せあいながらすればこんなことにはならないはずなんなんだけど…。


『こんな取引してもらえないインチキ商人とフレンドなんかになるか!』

あーそういうこと?😅


『取引のステータスを見せてもらえますか?えと…』


『アランだ!アラン・ドルティアだ』

騎士は声を荒げながら答えた。


『私はサクリナよ皇宮での取引きを主に行う商人をしています。インチキ商人なんて酷い言い方だわ!私こそ願いさげよ!』


『お互いお名前を教えていただきましてありがとうございます。さてアランさま、まずはあなたさまの取引ステータスを見せて頂けますか?』


アランはとりあえず俺とフレンドになり取引ステータスを見せてくれた。


実はフレンドにならないとステータスが見れないというめんどくさいゲームの仕様があったりする💦

まあそりゃこっちに話しくるか…。


『では次にサクリナさんの取引ステータスを見せて頂けますか?』


サクリナさんともフレンドになり取引ステータスを見せてもらった。


2人のステータスを見て直接取引をしていないことに気がついた。

取引先のIDが同じ人になっていた。


『妙ですね…どちらの取引も不審点があります。』


どんなに遠くにいたとしても取引ステータスには実際の取引相手のIDが必ずログとして残るようになっているのだが…

どう見ても同じ人を介して取引が行われた感じがあった。


『直接本人に渡したわけじゃないんですね』



『俺は受け取ってないぞ!』

アランは拳をあげて机を叩いた。


でもこれでいくと受け取ったことになっていて…そこからいったん荷物の中に入ったことになっているけどそこからみごとに消えているのはなんでだ?


報告書を作りながらグラントに相談する必要があるかもしれないと思いながらネットで同じ事象がないか検索してみた。


案の定数件見つかった。


そしてその中にありえない動画説明もあった。


『皇宮打破ゲーム!無料で武器や防具を手に入れる方法』


なんだこれ?


あーこれはグラントに相談するレベルの問題だ…つかバク報告する必要がある案件じゃねーか💦

それかチート?


2人にはとにかく一応バク報告をする必要がある事を伝えてとにかく帰ってもらった。


まぁこれだけ自由度が高いゲームだからこういうこともありえるんだろうな…。

お金のやり取りがまだやってない時だったしバクが直されたらまた1からの取引になるだろうけど問題ないでしょう?


グラントにことの説明をして報告書を渡した。


これで1件完了だな‪w


しかしこれで終わったと思っていたこの案件はこのまま終わらせてくれなかった💦

大人って…。

そして今後もこの問題は1つの大きな企業によって買収されるまで続くことになるのです。


次の日に学校で先生に頼まれ宿題のプリントを集めて職員室に持っていく途中…。

学級委員長と他のクラスの子が揉めている所に遭遇した。

俺は正直委員長が苦手(笑)

だからそのまま通り過ぎようと職員室へ向かったらいきなりむんずっと腕をつかまれた。


『うぉい!なんだよ!』


委員長は青ざめて俺を見た。


『お願い…ちょっとここにいて!』


相手のクラスの子たちは関係ない俺が介入してくるのが都合悪いみたいで諦めてしぶしぶ引き下がった。


『俺を巻き込むなよー💦』

委員長はバツが悪そうに助かったと言って腕を離してくれた。


なんだよアイツ…。


正直揉め事は嫌いだ!

どんな奴であってもなにかしら人から恨みは買うしいちいち気にしていたらきりがないこともあるっちゃーある!

しかし委員長に関する揉め事については特にあまり触れたくはないというのが正直な所であり、また今回についてもそのような感じだったようだ。


委員長は責任感が強すぎる傾向があり、くそがつくほどくそ真面目だからたまにだが平気で正論をつく!

いい時もあるけど、どう見たって片方の意見しかお前聞いてないだろ?って発言も多い…。


そんな正論は片方にしか受け入れられない事もあると俺は知っていた。


だいぶ前だが…とある女生徒のいじめについて委員長ははじめ学校に来ない女子がいけないって言っていたが学校に行けない状況を作った人がいるわけでそういう人は隠れて悪口を言うものだ。

だから見えてこない本当の真実が…

そういうことも委員長は周りの状況をよく見ないで突っ走っちまう。


『お前また巻き込まれてないか?』


委員長は顔を真っ赤にして


『別にそんなんじゃないし…』と呟いた。


正直俺はどうでもよかった。

女子の揉め事は男の俺が入ったところでよけーに揉めるつうのはわかっていたし。

今日の委員長はなんでか帰り道でもずっと後ろについてくるしで結構ややこしい事になってんだろなぁーつうのがわかった。

まぁ…しゃーねーな💦


しばらく俺と委員長とその後ろからついてくる女子軍団の感じだったけど途中で女子軍団は諦めて帰っていった。


『委員長!あんまり揉めんなよ』


『揉めてないし…勝手に勘違いしてるだけだし…。』


そっか…。


信号渡って帰ろうとしたら委員長はコンビニに寄ろうとしていた。


おいおい買い食いはやべぇんじゃね?


『悠くんさーうちに来ない?』


珍しかった

委員長が俺を家に呼ぶなんて今までなかったことだし…びっくりした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る