皇宮打破

tudoi

第1話 ようこそ!皇宮打破の世界へ

 最近よく耳にすることがある

 それは今の世の中パソコンが出来ないと仕事ができないというのと同じぐらい大人にとっては死活問題なのかもしれないが、俺にとってそんなことはどうでも良かったというのが正直な所だったりする。


『母さん!調べものがあるから使ってもいい?』


 夕飯の支度に忙しい母親は適当に返事を返す。

 わかっていてこの時間を狙って聞いてみたところ案の定適当な返事が返ってきた‪w


『父さんのノートパソコンなんだから雑に扱わないでよ!怒られるのは母さんなんだから!』


 断られるわけがない。

 今のうちからパソコンの勉強をさせたい大人の事情を考えるとこの時間に勉強と称して触ってもいいか聞いて断られる可能性は低いと見ていた。


 しめしめ‪w


 まだ購入して間もないノートパソコンの電源ボタンを押して起動する。


 最近調べものと称して必ず動画検索して面白ろ動画を見るのが俺の日常の楽しみ😊


 さて何を見ようかな?


 起動したノートパソコンの画面をじっと見て動画アプリを起動しようとしたその時…。

 見慣れないアプリに気がついた。


 あれ?昨日こんなアプリあったっけ?

 城の絵のマークに厳つい毛筆書体で皇宮打破と書かれたアプリ…。


 なんだろ?

 父さんが入れたのかな?


 母さんが台所で奮闘する姿を確認し、ノートパソコンを充電器ごと持ってそろそろと上へ行く。


 起動してみた。

 大画面に東洋デザインな綺麗な風景が出てきてストーリーなのか?綺麗なオープニング動画が始まった。


 おお!なんかわからないけど面白そう?


『あなたは今から皇民となりいずれかの皇宮へ見習いから仕事をしていただくためお城に登城します。今からあなたは6つの国から選んで登城し身分を得るために皇宮活動(仕事)をしてください。そして選んだ国の皇王もしくは皇妃になることがあなたの目標です。』


 なんだろ?ゲームにしては変な設定だな?


『まずはアバターを決めて下さい。』

 画面が切り替わり性別選択が出てきた。

 髪の毛の色から肌の色そして目や口鼻の輪郭など細かく設定できるようになっていた。


 なんだろ?RPGじゃねーなシュミレーションゲー?でもないな…仮想世界を模したゲームか?

 どこのゲーム会社が作ったんだろ?

 皇宮打破なんて聞いたことないけど最近の新作かな?


 アバター選択が終わると次は国の選択画面に切り替わる。


 以下の国の中から選ばないといけないらしいが変わった国の名前が並んでいた。


 水青龍宮は竜の家紋


 風亀皇宮ほ亀の家紋


 火皇鳳凰は不死鳥の家紋


 蛇地皇宮は蛇の家紋


 そして光の神殿と閨の魔宮殿がありこの2つについては教会と魔宮の役割があるようだった


 前の4つ国については皇民スタートっぽいが後の2つについてはどうやら見習い?スタートっぽいみたい。

 何が違うのか全くわからないけどとにかく俺は水青龍宮からスタートした。


 たくさんの身分がその中でもありそれがプレイヤーのレベルという説明みたいなものがあったが飛ばし読みした。

 正直もうすぐ父さんも帰ってくる時間だったし早く進めたかったというのもある。

 さてさて…

 まずは皇民になってみてステータスを確認すると以下のような感じで表示されていた。


 名前:亜貴 水青龍宮の皇民

 Lv皇民

 種族 人族



 ん?

 種族?

 なにこれ?

 種族って人以外に何かいるの?

 これもレベルが上がっていくと何かあるのかなぁ💦


 一生懸命説明みたいなチュートリアルを見ていると下から

『ご飯できたわよ!降りてらっしゃい〜。』

 と呼ばれる。


 揚げ物のいい匂いが上がってきた。

 降りていくと既に父さんは帰ってきていた。


『今年は参観に父さんも見に行くぞ!』


 正直もう参観に両親揃って見にくるのを喜ぶ歳ではないけど、見にくるというのなら仕方ない💦


『無理しなくていいよ💦』

 ぐらいは言っておこうかな‪w


 どちらにしてもまた仕事が入って行けませんでしたで終わるような気がして期待するだけ無駄というもので…。

 なんかこの歳にして達観しすぎていると我ながらしみじみと思ったりもする。

 俺小学4年生なんだけどね〜。


 なにせ父さんの忙しさは本当に酷かった。

 運動会にもフェスティバルにもほぼ学校行事は絶望的。

 だから毎回同じように今度こそは!って言うたんびに『無理しないでね』とは言いつつも今までは期待していた。

 もう無理だけど(笑)


 母さんは苦笑いしながら

『カメラマン今年もするね』と言いながら唐揚げをよそってくれた。


 食べ終わるとまたノートパソコンのもとに戻る。

 父さんは下で母さんと話しをしている。


 なにやら真剣な話しっぽいので子供は入らない方がいいっぽい。

 また皇宮打破を立ち上げてみる。

 皇宮への仕事斡旋が始まっていた。

 いろんな仕事をしながら人族としてレベルをあげていく感じっぽい。

 つかこの種族ってなんだ?


 しばらくしてすぐわかった💦


 皇宮には以下の種族が存在しているみたい。


 人族

 魔族

 神族

 貴石族

 エルフ族?

 竜族…えぇ!?

 そんなにもなれるの?

 つかどうやってなれるんだ?💦

 他にもドワーフ族やらわ

 獣族なるものもあった。


 どうやら使役されるうちにいろんな種族になっていくみたい。


 父さんが上がってきた気配がしたためここまで保存してゲームを辞めた。

『おまえ…宿題終わっているんだろうな?あまりパソコンばっかするなよ💦』


 肩をすくめながら歯を磨きに行く。


 明日学校で他にも知っているやつがいるか聞いてみるか…。


 歯を磨きながらそんな事を考えていた。


『え?今更?僕も始めて半年やってるけど…いまいちなんだよね〜』


 同じクラスの歩くんがいうにはそんな感じだが…正直まだ始めたばかりだしもう少し様子見でやってみようかな…


 しかし…

 ネット検索して驚いた。

 まず攻略方法がない。

 自由度の高すぎなゲームなため攻略方法を説明する事が難しいみたいだ。

 とりあえずわかったのはいろんな仕事を通してレベルをあげていくと以下の身分が種族関係なくなれるみたい。


 皇王

 皇妃

 宰相

 大臣

 伯爵

 公爵

 子爵

 男爵

 騎士

 受付

 商人

 技工士

 農民

 皇民

 奴隷


 こんな感じ?

 奴隷ってたぶん何か戦って負けたらなるのかな?と思ったらどうやら6つの国で戦争もあるみたいで負けた国の皇民が何人か奴隷に落ちるという感じみたい。

 これは仲間との亀裂が入りやすいイベントなので奴隷になるプレイヤーは主に戦場でポカした人がなるみたい?


 これもレベルが低い間はその対象にならないとチュートリアルで説明していたので少し安心。

 よくよく考えてレベル上げしないとすぐ奴隷にさせられそうな気がしてならない。


 成長についてもいろんなパターンがあるらしく、6つの国でどんな役割をしていくかでいろんな成長がありその種類は5000通りぐらいあるようで💦

 その成長によっては凄く重要な役割をもらえたりもすると書いてあった。


 成長も遅いし結構単調な作業が多いから途中で辞める人も多いみたい。

 同じクラスの歩君も同じ水青龍宮でやっているみたいだった。


『でも気をつけろよ〜このゲーム』


 ん?


『なんで?何を気をつける?もしかして課金システムとかある?』


『そうじゃないよ皇宮打破は推奨年齢があるんだよ。親にバレないようにね』


 まじかー!

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