第19話ゴールデンレトリバーとインコ

19,ゴールデンレトリバーとインコ


ゴールデンレトリバーを飼うまでは鳥かごの扉は開けっ放しで


いつでも自由に出入りできていた。


エサや水を飲む時と眠る時は自分で鳥かごの中に入っていた。


十年ほど前に最初のゴールデンを飼ってからは万一のことがあると困るので


私が家にいる時だけ籠の扉を開けることにしていた。


そのうちに籠を開けても出てこなくなった。


元々愛ちゃんの方は籠の外が好きだったので


手を入れるとすぐにその手に乘って出てきていたのだが


桃太郎の方は手を入れても乗ることはしなかった。


あくまでも自分の意思で出たいらしく扉を開けておく。


そのうち気が向くと出てきていた。


その外好きの愛ちゃんは年をとったせいか、


ゴールデンが我が物顔で占領しているせいか籠から出てこなくなった。


愛ちゃんが出てこなければ桃太郎が出てくるはずがない。


愛ちゃんに袖にされても桃太郎は愛ちゃん一筋なのである。


籠の中で肩を揺らして モモチャンスキヨ、オハヨウ、を連発しているだけの生活になった。


その愛ちゃんの方は数年前に老衰であの世にたびだった。


今まで何羽もオカメインコを看取ってきたがたいがいはあっという間の死だった。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る