第17話インコの桃太郎の事
17,インコの桃太郎の事
猫はモモ子で遊び飽きると桃太郎の方の籠を覗きに行く。
桃太郎は高齢なので刺激をしないようになるべくニャンコを近づけないようにしているが
私のすきを見ていつの間にか籠の前に座っている事がある。
危ない。危ない。
桃太郎の方はこのところ老いが目立つようになってきた。
例の「モモタロウサン、オハヨウ、コンニチハ」などの言葉はしゃべらなくなり、
「ピー」と鳴くことも少なくなった。
一日中寝ているようで餌の食べ方もめっきり減ってきた。
以前はエサ入れが空になっていたりすると「ピーピー」と
大きな声で鳴いて催促したものであった。
そうでなくても朝、ベッドから下りる音を聞きつけて階下で「ピー!」と鳴く声が
聞こえていたがそういえばいつごろか鳴かなくなっていた。
ニャンコの事に気を取られていて桃太郎の事を忘れていたようで気が引ける。
3月25日、桃太郎のくちばしが伸びているのに気が付いた。
インコは年をとると上くちばしが伸びてきて喉にささって死ぬこともあると
いつか誰かに聞いた覚えがある。
今、まさにその感じだった。
桃太郎の上くちばしが伸びその先がまさにのど元に向かって曲がり始めている。
いつ伸び始めたのだろう。
全く気が付かなかった。
一日二日でこうなるはずがない。
エサが減らなかったのはくちばしのせいだったのに
単に年をとって食欲が落ちたのかと勘違いしていた。
特殊な爪切りでくちばしを切るが単に短くなっただけできれいな形にならない。
それよりも驚いたことは桃太郎が軽くなっていたことである。
半分になってしまっていたのではないかと思うほど軽くなっていた。
相当な高齢なのでこれが普通なのかあるいはくちばしが伸びていたために
エサが食べられなかった為なのかよくわからない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます