第5話

16:30。


本当ならマヒロは、バスケ部だから部活に行かなきゃの時間帯だが、俺のせいで

怪我しちゃったので、当分、部活には

顔を出せない。



対し、俺は帰宅部だからいつもこの時間には

学校を後にする時間帯だった。


校門のことで。


マヒロを待つ。

やがて。


マヒロの奴が校舎から出てきたんだが。


男を何人も引き連れて出てきた。


その光景に、俺はぞっとした。

俺の恋のライバルは解っていたが、

思いの外、多かった。


耳を澄ますと。

てか、マヒロの奴がこっちに近付いてきて、

蹴散らすように群がる男どもに言ってた。


「今んとこ、困ってない!

私にはシンジがいるから大丈夫なの!!」


「ちぇー。左手を派手に怪我してたから、

不自由だと思って

カバン持ちでもなんでもしようと思ったのに」


「あのさ、いつでも、俺のこと頼っていいんだからな??」


「マヒロちゃん、なんかペットボトルとか

片手で開けにくかったら

遠慮なく俺に言っていいんだけど??」



「しつこいっっ!!」


マヒロはそう吐き捨てるように言って連中を追い払ってから俺の元へと駆け寄り、


「ごめん、シンジ!

随分と待たせたよね...??」


と謝ってくれた。


「いや、そんなに。それにしても

モテる女は大変だね...」


「怪我を機にぐいぐいきたわけよ。

色々、手助けしたいって言い寄られてさ...。

でも、勿論、断ったわよ。

私にはシンジがいるしね!」


「取り敢えず、出来る限りのことはするよ...」


「そうね、色々と身の回りのこと、

やってもらうわよ!

何せ、この私を怪我させたんだから...!!」


「ああ...」


俺は軽い気持ちで返答したが、

今思えば。


思い返せば。


安直だったと心から思う。














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