Chit-Chat! 9

<作者より>

2021年6月のツイートをまとめた、短いトーク集です。

時事ネタや場所などの固有名詞、小説本編とは矛盾する内容もあります。

実際にあるようなないような、曖昧な設定でお楽しみください。

また、画像がないと意味がわからないものもあります。


  1


千紗都「おはよー」

奈都「おはよ。くんくん」

千紗都「な、何?」

奈都「魔女の匂いがする……」

千紗都「しないから! どんな匂い!?」

奈都「あはは。チサ、面白いね!」

千紗都「いやいやいや。どう考えても私じゃない」


  2


涼夏「千紗都、何か面白いことない? 退屈」

千紗都「私に飽きたって言った?」

涼夏「言ってないから!」

千紗都「そばとか打ったらどう?」

涼夏「どっから出て来た?」

千紗都「私が今、そばを食べたい気分だった」

涼夏「まあ、千紗都と一緒にならやってもいいけど」

千紗都「食べるのは任せて」


  3


千紗都「帰宅部大球技大会をしよう」

涼夏「スポーツはあんまり得意じゃないけど、遊びのノリなら」

千紗都「久しぶりにバドミントンしたい」

涼夏「千紗都さん、まず球技の定義をしようか」

千紗都「卓球」

涼夏「それは球技だね」

千紗都「ボウリング」

涼夏「楽しそうになってきた」


  4


奈都「チサは猫派? 犬派?」

千紗都「どっちも別に」

奈都「……」

千紗都「猫かな」

奈都「そっか」

千紗都「やめて! そんな、つまらない人間を見るみたいに私を見ないで!」

奈都「別に」

千紗都「終わりだ。奈都に愛想つかされた」

奈都「……」

千紗都「奈都は?」


  5


奈都「チサを助けたい」

千紗都「私は何度も奈都に助けられてる」

奈都「真顔でそんなこと言われると照れる。今、そういう話じゃなくて、もっと劇的な。絶体絶命の危機を救うみたいな」

千紗都「トラックに撥ねられる寸前に」

奈都「そういうのじゃなくて」

千紗都「どういうのか、全然わかんない」


  6


千紗都「今朝の奈都は変だった」

絢音「へー。どんな感じだったの?」

千紗都「でも、奈都っていつも変か」

絢音「千紗都とは違う人種だとは思うよ。私から見ると普通」

千紗都「普通ではないと思うけど」

絢音「それで?」

千紗都「普通かなぁ」

絢音「何があったのか、すごく気になってるんだけど」


  7


涼夏「人生初ひつまぶし。えへへ」

千紗都「えへへって。涼夏可愛い」

涼夏「可愛くもなるさ! ひつまぶしだぞ?」

千紗都「いつも可愛いよ」

涼夏「どう食べようかな」

千紗都「こんなにワクワクしてる涼夏は珍しい」

涼夏「だって、ひつまぶしだぞ?」

千紗都「はいはい。動画撮っておこう」


  8


涼夏「はぁ、満足。うーなーぎーおーいしーかーばーやーきー」

千紗都「涼夏、可愛い。結婚して」

涼夏「成婚! 成婚率100%!」

千紗都「テンション高いね」

涼夏「千紗都も美味しかった?」

千紗都「うん。美味しそうな涼夏見てるのが楽しかった」

涼夏「美味しそうな私!」

千紗都「そうじゃない」


  9


千紗都「おはよー。雨だね」

奈都「うん。傘、入れて」

千紗都「いや、持ってるじゃん!」

奈都「ここまでは自分の傘で来た」

千紗都「最後まで自分の傘で行って」

奈都「チサの傘がいい」

千紗都「学校まで交換する?」

奈都「私は今からこの傘を捨てる」

千紗都「正気に戻って」


  10


奈都「死ぬたびにやり直す異世界転生アニメを見てるんだけどね」

千紗都「うん」

奈都「死ななかった回だけ繋げて見たら、どんな感じなんだろうって」

千紗都「やってみたら?」

奈都「私はもう死んだ回の情報も知ってるから。そこで、チサが私が指定した回だけ見る」

千紗都「別にいいけど」


  11


涼夏「オーラいいなぁ」

奈都「私のオーラが見えるの?」

涼夏「いや、違う。車。それは、上質をまとったコンパクト」

奈都「涼夏は車持ってるの?」

涼夏「ないよ」

奈都「家の話ね」

涼夏「わかってるし。ないって」

奈都「お出かけは?」

涼夏「そもそもお出かけしない」

奈都「野阪家みたいだ」


  12


涼夏「ゆとりーとライン20周年!」

千紗都「それ、乗ったことない」

涼夏「私もない。どこに行けるんだ?」

千紗都「竜泉寺?」

涼夏「竜泉寺ウォーターパーク!」

千紗都「涼夏?」

涼夏「次の夏は、みんなで竜泉寺ウォーターパークに行こうか」

千紗都「涼夏、どうしたの? 大丈夫?」


  13


涼夏「まんきゃー」

千紗都「満開だ。神ってる」

涼夏「千紗都の写真撮りまくる」

千紗都「私も涼夏の写真撮りまくる」

涼夏「そしてナッちゃんの墓前に捧げる」

千紗都「生きてるから!」

涼夏「今日来なかったし。私たちに気を遣って」

千紗都「部活だね」

涼夏「絢音も」

千紗都「模試だね」


  14


千紗都「見て見て、ハート」

涼夏「ほんとだ、ハートだ。可愛い」

千紗都「今私たち、女子高生っぽかった!」

涼夏「いや、女子高生だし」

千紗都「私もとうとう女子高生に」

涼夏「出会った時、すでに女子高生だったぞ?」

千紗都「そうだったかも」


  15


千紗都「可愛い可愛い言いながら撮りっこしてる女の子、たくさんいるね」

涼夏「私たちもだな」

千紗都「涼夏の写真集作る」

涼夏「作って」

千紗都「そして、男子に1冊3500円で売る」

涼夏「やめれ」

千紗都「はぁ、涼夏可愛いなぁ。紫陽花満開だし」

涼夏「紫陽花も可愛いよ。千紗都も満開だし」


  16


涼夏「紫陽花綺麗だな」

千紗都「港にMOLみたいなのが泊まってるね」

涼夏「モル? 何それ」

千紗都「えっ? いや、大きい船だけど」

涼夏「タイタニックみたいな?」

千紗都「いや、商船」

涼夏「有名なの?」

千紗都「まあ、日本国民の大半は知ってると思うよ?」

涼夏「そうなんだ。今日覚えた」


  17


涼夏「穴が3つあると人の顔に見えるやつだね」

千紗都「カリギュラ現象だっけ」

涼夏「知らん。千紗都は物知りだな」

千紗都「任せて!」

涼夏「任せた!」

千紗都「ラスボス感あるね」

涼夏「味方っぽくない?」

千紗都「喋り始める壁みたいな」


  18


千紗都「紫陽花すごいね」

涼夏「うん。イキそう」

千紗都「どこに?」

涼夏「いや、気にしないで」

千紗都「行くの?」

涼夏「イカないけど」

千紗都「行ったことある?」

涼夏「なっ! 知らないし!」

千紗都「顔赤いけど、どうしたの?」

涼夏「もうヤだ」

千紗都「変な子」


  19


絢音「千紗都って反抗期とかあった?」

千紗都「私自身はなかったと思うけど、親がどう思ってるかは知らない。絢音は?」

絢音「西畑家の歴史は戦いの歴史だから」

千紗都「物騒だね。親が作ったご飯に、こんなん食えるかとか言ったの?」

絢音「そういう理不尽なのはないかも」


  20


奈都「前にみんなでワイバーンを倒した時にさぁ」

千紗都「いや、いつそんな物騒なものを倒したの?」

奈都「えっ? あんな壮絶な戦いを忘れたの?」

千紗都「壮絶すぎて記憶から飛んだのかも」

奈都「そっか。残念だね」

千紗都「そうでもないけど」


  21


奈都「ファンタジー系のアニメには、よく学園パロがあるの」

千紗都「そうなんだ」

奈都「そこで、私たちの物語も、学園パロとかあったら面白そう」

千紗都「うん。うん?」

奈都「私とチサは、同じ高校の1年生。同中の友達」

千紗都「今のところ、パロディの要素が見当たらない」


  22


奈都「見えざる手でチサの体中を撫で回したい」

千紗都「ぷっ、あはははっ! 見えざる手だって!」

奈都「私をコケにして楽しい?」

千紗都「してないしてない。あははっ!」

奈都「楽しそう」

千紗都「いつでも撫で回していいよ。見えざる手で!」

奈都「失われし、我が見えざる手よ……」


  23


千紗都「最近、奈都の中二病に磨きがかかってきた」

絢音「受け入れてもらえることがわかったからじゃない?」

千紗都「絢音のおかげだね」

絢音「その件について、私が何かしらの役割を果たした覚えはないけど」

千紗都「奈都も感謝してた」

絢音「別世界線の私が!」

千紗都「無理しないで」


  24


涼夏「寝る時によく千紗都のことを考えてるんだけどね」

千紗都「うん」

涼夏「昨日の千紗都はすごくエッチで興奮した」

千紗都「私は何をしてたの?」

涼夏「そんなこと言えない!」

千紗都「いや、話し始めたんだから、言って」

涼夏「だって、そんな!」

千紗都「涼夏は私に何をされたいの?」


  25


千紗都「おはよー」

奈都「おはよ。珍しく眠そうだね」

千紗都「うん。昨日涼夏と電話してたら、寝るのが遅くなった」

奈都「チサ?」

千紗都「ん?」

奈都「涼夏って、誰?」

千紗都「……」

奈都「いや、言ってみたかっただけ」

千紗都「奈都って、本当に変な子だね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る