第19話
そしておじさんは彼について他にも言った。幾ら上着の事なんて言っても、女なんて直ぐにそんな事を言う。ましてやまだ高校生だから、そんな所に遊びに行くのに、仕事に行く様な地味な格好をして、もっと普通の格好をして行けば良いものを、と。 だからそんな事を高校生に言われたからと言って、そこまで向きになって怒るのはおかしい、ましてや何度も謝ったのにと。 普通なら頭に来てもそこまで怒らないし、ましてやあれ程の顔をした女なら普通の男は我慢する、後から幾らでも良い思いができるんだから、と言っていた。 それに、もしその二人の巡査が通らなければ、とんでもない事になっていたと。恐らくは、私は殴られて顔をめちゃくちゃにされるか、又は車に引きずり込まれて強姦されていただろうと。 そうしたら自分は犯罪者になり、前科が付いて、当然警察は辞める事になった。そしてもうろくな仕事に付けないし、大した金ももらえない。それで私への償い金を払わなければならない、顔の整形費用だとか治療費だ。 それでも完全には治らないかもしれない。又、もしもレープされたなら、生まれて初めてのデートで(おじさんは私と接して、私が凄くうぶなのがよく分かっていた。)そんな事をされて、頭がおかしくなってしまい、 そうした病院ヘ入院する羽目になり、もう恐らくは簡単には治らないし、又は一生そんな風になり、ずっとその高い入院費用を払い続けなければならなくなっただろうと。 勿論そんな事になれば一人では払いきれなくて、親までがそのお金を一緒に払わなければならなくなっただろうと。 私の親も絶対に許さないし、あの若さであの顔の娘が、人生を潰されたんだからと言っていた。 だからそいつは(彼)自分の人生を棒に振って、あいつの(私の事)人生もそうやって台無しにする事になっていたんだからな、と言った。 他の三人は震え上がって聞きながら、時たま私を見ていた。 おじさんはまだ続けた。 普段は冷静な奴なのにそんな風にになるんだから、幾ら勉強なんかできても、只真面目なだけで遊んだ事もないからあんな風になるんだと。よく、女は馬鹿だから真面目な男が良いと言うけど、そうした男が、何かあればそんな風に、とんでもない事をしでかすんだからな、と。 「そいつ、今どうしてるんだ?」 一人が聞いた. 「いや、それがよ…。」 おじさんは一年位前にニ階で向こうから歩いて来る彼を見た。二階には食堂がある。(私はそこで、おじさんにラーメンを奢ってもらった。従兄弟への被害届けを出す為におじさん達と来た時にだ。) だから食堂から出て来たおじさんは彼と遭遇した。おじさんは見て直ぐに分かった。彼も分かったそうだ。 おじさんは、懐かしいし、あの時自分が上に話したから彼が飛ばされたので、その事も一言言っておきたいと思い、彼に声をかけようとした。 だが、彼はおじさんを見ると顔をそむけて 無視して、知らないふりをした。だからおじさんも少しむかついて、そんな態度を取るのならかまわないからもういい!と思って話しかけなかった。 だから彼は上の階で働いていると、仲間に言った。 仲間はざわめいた。誰だと名前を聞いたが おじさんは言わなかった。もし言ったのが彼の耳に入り、恨んで何かされたら困るからと言って。 「そんなの、お前なら平気だろう?誰だよ?!言えよ!」 「嫌だよ。言わねーよ!」 「教えろよ?!」 「じゃあ何かあったらどうしてくれんだよ?お前、責任取るのかよ?!」 「何にもされねーだろ?」 「そんな事分かんねーだろ?!そんな事をする様な野郎なんだからよ。」 三人は黙った。 私の用が終わり、出てくる時には四人は私をジーッと見ていた。 それからしばらくして、朝に彼と遭遇する!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます