第180話


「だー!畜生ぉー!」


 道尾はそう叫び、砂浜に仰向けになって寝そべる。股までおっ広げ、およそ女子とは思えない。


「悪く思わない事ね」


 結果は僕たちの圧勝。所々僕のミスで点を取られていたが、基本的に一方的なゲームだった。


「流石お姉様でございます!」

「やめて、抱きつかないで。暑苦しい」


 抱いつく燕翔寺を引き剥がしながら、僕の方を見るがしばらくこの光景を楽しませてもらう。


 ともかく、僕たちの勝ちだ。


「ふぅーっ」


 運動をした後は喉が渇く。特に今のように夏の時は。


 持ってきていた水筒の中のお茶を飲む。


「それでは、そろそろ良いお時間ですし、お屋敷に戻りましょう。ね、お姉様?」

「だから離してって、ねぇ、桐堂も何か言って」

「ははは」






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





「よっ」

「おう」


 部屋に戻り、シャワーで砂を落とした後同じくシャワーを浴びた後の安良川が。


「まだ夕飯まで時間あるし、作戦会議といこうぜ」

「なんの作戦だよ」

「そりゃあ、相棒と烏川さんのラブラブ大作戦だよ」

「うるさいよ」


 僕と烏川はそんなんじゃ無い。適当にあしらいながらバッグから小さな箱を取り出す。


「おっ!トランプか!?」


 古くから人々に愛され続けているテーブルゲーム、トランプ。僕にとってはおばあちゃんとの思い出の品でもある。


 今でこそこの実物は少なくなったが、それでもこれから先もずっと、遊び続けられるであろう。箱からカードの束を出し、シャッフルする。


「何からする?」

「そりゃぁ王道のババ抜きだろ!」

「決まりだな」






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